「体温センサーの謎」・・・日常にある不思議な話。
「体温センサーの謎」
最近ほとんどの商業施設、病院、公共機関を問わず置いてあるのが
手指の消毒スプレーと、体温の計測装置ですね。
ところが、この装置、メーカーによって検査する体温が微妙に違います。
勿論、日の当たる場所から入ってきた、寒い中を歩いてきた、等の条件によって変わるのは分かっているので、正常の範囲内なら余り気にはしません。
最近では、
「ここのお店はいつも36.0度で頑張って測ってるな」
「こちらの施設のは35度台で適当だな」
などと、計測機械なのに癖がある事で、
機械に人格を感じるようになってしまっています。
その内、
「へい。いつもお越しいただき、ありがとうごぜえやす。
今日は日頃の感謝を込めて、体温をちょいとお安く(低めに)しておきやした」
なんてサービス精神を発揮してくれるかもしれません。
そんな話を友人としていたら、
これは聞いた話だけど、と前置きして、体温センサーの話をしてくれました。
あるタレントさんが、テレビ局に入ろうとした時、
体温センサーのブザーが鳴りました。
そのセンサーは新型で、外気の影響を受けやすい顔の表面ではなく、
髪の毛の辺りを計測するタイプなのだといいます。
脇にいた警備員がモニターを確認すると、
『L・正しく読み取りできません』
と出ている。『 L 』というのは、『温度が低過ぎるから、正しく計測できなかった』
という意味。
「すみません。再度計測をお願いします」
警備員に促され、そのタレントさんはもう一度センサーの前に立ってみました。
『L・正しく読み取りできません』
何度やっても結果は同じ。
「おかしいですね。私の体温はちゃんと測れているのに。
ただ、規約上このままでは通せないのですが」
職務に忠実な警備員がマニュアル通りの対応をしようとした時、
そのタレントさんが、おもむろに頭に手を伸ばし、前髪を掴んだと思うと、
ベリベリっと音を立ててカツラを外したのです。
ずっと着けていたので、少し湯気が出ていました。
外したカツラを手にセンサーの前に立つと、
『38.5度。高温です』
と別のタイプのブザーが鳴り、現場は一時騒然としたということです。
それでも、他に症状も無かったので、タレントさんは持っていた扇子で頭を冷やし、数分後には頭部の体温も下がって、無事、テレビ局の構内に入ることが出来たそうです。
文春がその場に居たら大変な事になっていたかもしれませんね。
おわり
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