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「ホンニセ」?・・・良く出来たニセモノ、本家が作る残念な作品。


『ホンニセ』

今回はちょっとオタッキーな話題。


子供の頃、駄菓子屋や縁日の夜店では、
よくパチモノのプラモやフィギュアが堂々と売っていた。

それらは、一瞬子供たちの目を惹くのですが
すぐにパチモノであることが露見し、多くの子供たちは肩を落として
店の前を去っていくか、なかなか手に入らない本物に憧れながら
一次の慰めとして購入したか、のどちらかだった。

それらの熱気だけがある混沌が子供心に魅力的に映ったのも事実。

身近なところでは、「明太子スパゲッティ」などは
イタリア人から見たら、ある意味パチモノだろう。

日本の味噌ラーメンやトンコツラーメンなども本家の中国から見ると
同じようにパチモノになるのかもしれない。

その感覚は、日本人から見た、寿司の「カリフォルニア巻き」でしょう。
初めて知った時は違和感があったが、今や定番である。


それらのパチモノの世界ではなく、
オリジナルの本家が作った残念な本物、一見良くできたニセモノに見える本物。「ホンニセ」とでも呼びたくなるような作品もある。

このジャンルで一番多いのは、映画であろう。

私のおススメは、1966年公開の映画「サンダーバード」と同じく1968年公開の「サンダーバード6号」

映画用に新しく作られたプロップ(撮影用模型)が、テレビ版と微妙に細部が違っていて、「よくできた偽物感」が満載である。

特に「6号」は、2号のコンテナに書かれている数字のフォントがTV版と違うのが、子供の目にも違和感を持って映った。

1974年からの「宇宙戦艦ヤマト」シリーズも似たような印象を持っていた。
続編が作られる度に、「またか」とため息をついていた中高生も多かった。
(最近のものはクオリティの高いものもあるが)

夜店と言えば、こんなことがあった。

「機動戦士ガンダム」の初期プラモが品薄で店頭に無く、もちろん夜店などには出回らなかったが、夜店にプラモ屋が店を出すと(当時、地方では地元のプラモ屋が出すこともあった)わずかな可能性を求めて子供たちが集まった。

そんなある時、やはり母親に連れられた小学生くらいの男の子が

「ガンダムが良い・・・」

と呟くと、白髪の頭に日本手拭いを巻いた店主が、

「ガンダム、ここにあるじゃねえかよ」

と積み上がった箱の中の一つを指さした。
色めき立つ小学生。

ところがそれは、パチモノの「ガルダン」だった。

あの時の複雑な小学生の表情と、何故買わないんだ、と疑問に思う店主の顔が忘れられない。

今やパチモノも市民権を得、「ガルダン」もヤフオクなどで高値が付くこともある。

なんと世のオタクたちの懐の広い事か。
いや、これは、新たなコンテンツの再発掘なのかもしれない。

                   おわり








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