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ファンタジー映画なのに現実でありえそうな物語【竜とそばかすの姫】

去年のコロナ自粛期間に入ってから一度も行っていなかった映画館に行ってきました。今回は『竜とそばかすの姫』を鑑賞してきました。

どうやら自分が観に行った日が公開初日だったみたいで、せっかくなので今回は『竜とそばかすの姫』を観て感じたこと、考えたことを書き留めたいと思います。

※多少映画のネタバレになってしまうかもしれません。
※映画を批評しているわけではなく個人で映画から派生して考えたことです。


久しぶりの映画館で観る映画は格別なものでした。映画館のあの独特な惹き込まれる雰囲気は大好きですし、やはり大きなスクリーンで素晴らしい音響設備や映像機材を使っているので素人でも圧倒されます。特にこの映画は歌が1つのテーマであり、劇中でよく歌が流れるのでぜひ映画館で観ることをお勧めします。

『竜とそばかすの姫』は現実世界とバーチャル世界がリンクしたお話となっていて、主人公の女子高生が過去のトラウマをバーチャル世界を通して立ち向かっていくようなストーリーです。(かなり端折って説明しています)


細田監督の作品でバーチャル世界というと『サマーウォーズ』が思い浮かびます。この映画も『サマーウォーズ』のようなバーチャル世界(通称: "U")が展開される訳ですが、テクノロジーが発展した現代においてこの映画のようなバーチャル世界が近いうちに創られるのではないのかなと思いました。実際に『Vtuber』と呼ばれるアバターで活動するような歌手もいますし、すでにUのような世界が創られ始めているのかなと感じました。まだまだUのような人間とアバターがリンクした世界やUの中で自由自在にアバターが活動するようなところまでは実現していませんが、近い将来にはUの世界が創られるのではと感じさせられました。

そしてこの映画のポイントが人間とアバター(通称: As)が生体認証によってリンクするところです。身体の傷やその人が持つ隠れた才能がUの世界で反映されます。ですので自分のアバターには少なかれ現実世界の自分と共通した特徴が表れます。興味深い描写が有名なAsを人々が特定したがるところです。これはごく自然な流れだと思いますが、好きなアーティストや有名人が顔出しのないアバターであれば詮索したくなるのが人間です。その人間の追求心みたいなものを上手く描かれているなと感じました。Uは架空の世界なので「Uなら何度でもやり直せる」というのをキャッチフレーズに使っていましたが、架空世界だけれども「自分の特徴をアバターに反映させて独自のキャラクターを創り上げる」ので架空の世界に"自分自身"が存在します。これによって『架空』+『現実』という矛盾が生まれることが興味深いなと感じました。自分自身だとはバレたくないけども、自分は固有のアバターとして存在していたい人間のエゴのような願望を上手く描写として捉えていたなと思いました。

この映画はファンタジーをベースとしているので「こんなバーチャル世界があったらいいな」とか「こんな風に素敵な人と出逢いたい」と感じさせてくれる作品です。しかし、そんなファンタジーの中にも『虐待』、『SNSトラブル』、『人間関係』、『トラウマ』、『親子関係』など様々なテーマを取り扱っていて、そこで細田監督の訴えかけるメッセージみたいなものが沢山詰まっていました。そしてこれらの問題に対してみんなが協力して立ち向かっていく姿はまさに細田監督の作品だなと感じました。ファンタジー作品だけど実際に現実世界で問題となっているテーマを扱っているのでどこか親近感というか共通する部分も感じる不思議な映画でした。

人の感性は様々なのでどの映画も賛否両論あります。ですのでこの記事は映画を批評することはしていません。あくまでも自分がこの映画から感じた部分や考えた部分をまとめてみました。どんな映画ももし気になっているのであればぜひ映画館まで足を運んで観るのがいいと思います。自分もこの映画が気になっていたので映画館で観ましたし、何より映画に引き込まれるような雰囲気が大好きです。今回は久しぶりに映画を観たのでそこから感じ取った想いみたいなものをまとめてみたいと思ったので記事にさせていただきました。当分の間はイギリスに戻ってしまうので日本の映画館で映画を観ることはないとは思いますが、また機会があればこんな風に書いてみたいと思います。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。


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