【株式会社フェイガー】農地を乾かしてメタンの排出を減らす!?農業由来のカーボンクレジットの生成に取り組む。


概要

今回紹介するのは「株式会社フェイガー」です!

フェイガーは、農家が温室効果ガスの排出を削減してカーボンクレジットを発行するサポートをしています。

農業と聞くと、自然だし、むしろ二酸化炭素を吸収して地球温暖化の解決に貢献しているんじゃないの?と思うかもしれません。

実は、農業は世界で排出されている温室効果ガスのうち「10%」を排出しているんです、、!

そこでフェイガーは農業分野からの温室効果ガスの排出を削減して、気候変動に立ち向かおうとしています。

この記事では、なぜ農業から温室効果ガスが発生するのかというところから、フェイガーの事業内容、求人情報まで紹介していきます!

事業概要

田植え1ヶ月後の水田

皆さんは水田からメタンが排出されているのを知っていますか?

※メタンは、二酸化炭素の約28倍もの温室効果を持つ温室効果ガスです。

水田でメタンが発生する仕組みの図  出典:農研機構 農業環境研究部門(旧 農業環境技術研究所)

水田の土の中には、メタンをつくる「メタン生成菌」がいます。
この菌は、水田に水が張って酸欠状態になると、わらなどの有機物を分解し、その際にメタンを発生させます。

中干し中の水田

ではどうやったら水田からメタンが発生するのを抑えられるのか。

それは「中干し」の期間を延ばすことによって可能です!

水田から水を抜く「中干し」は、稲の成育のために従来より行われていますが、その期間を1週間延ばすだけで、発生するメタンを約3割抑えることができます。
※期間を延ばしすぎると作物の成育に影響しますが、1週間程度であれば収量・品質への影響は小さいです。

フェイガーはこの仕組みを活用して、水田からのメタンの発生を抑制して、カーボンクレジットを生み出す事業を農家と共同して実施しています。

株式会社フェイガー HPより引用

※カーボンクレジットの仕組みについてはフェイガー代表・石崎氏が下記のNewspicksのインタビューにて解説しています。

一方で、カーボンクレジットの申請は複雑で記入する書類も多く、農家が行うのはハードルが高いのが現実です。
しかもその手間をかけても売れるかどうか分からない心配もあります。

株式会社フェイガー HPより引用

それに対してフェイガーは、カーボンクレジット申請段階から手厚くサポートをしたうえで、農家が発行したクレジットを一度全て買い取り、販売先企業を探す責任を負うことでクレジットが売れないリスクもゼロにしています!

加えて、クレジットの申請・認証においては、ただクレジットとして認められるだけではなく、「質の高い」クレジットとして見なされるようにサポートを行っています。

※カーボンクレジットの「質」については、フェイガー代表・石崎氏が下記の番組途中で解説をしています。

また、水田があるのは日本だけではありません。

中干し期間延長による温室効果ガス削減のポテンシャルは、むしろ世界、特にアジア地域にあります!

株式会社フェイガー HPより 赤枠は筆者が追記

実際にフェイガーは、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーでもプロジェクトを立ち上げています。

アジア地域における取り組みは、温室効果ガスの削減に留まらず、カーボンクレジットの販売による農家の収益向上と農業生産性の向上にも寄与します。

中干しを行うためには用水量を調整する灌漑設備が必要な一方、アジアの農家で設備を持っているところは多くはありません。

カーボンクレジットによる副収入で現地の農家の収益性を向上させつつ、その過程で灌漑設備の整備も進めることで農作物の収穫量を増加させることにも繋がります!

株式会社フェイガー HPより

温室効果ガスの削減に寄与するだけではなく、アジアの農家の収益性と生産性まで向上させるなんて素晴らしいですね!

代表

株式会社フェイガー HPより

代表の石崎氏はコンサルティング会社を経て、2022年7月に株式会社フェイガーを立ち上げました。

一度お話をさせて頂いた際、社名の由来についてお伺いすると、

「フェイガー(Faeger)は古英語で美しさ、公平・公正さを意味し、社内の意思決定の際にも、誰かの不利益のうえに成り立つようなビジネスをしないように、意思決定が公平・公正かをチームメンバーでよく確認している。」

とおっしゃっていたのがとても印象的でした。

非常に誠実な方で、仕事に対しては気候変動の解決という理想を追求するだけではなく、ビジネスとして成長・持続させるためにどうするかという経営者としてのプロ意識も高さも伝わり、石崎氏のもとで働くことで大きく成長できそうだと感じました!

求人情報

求人はビジネスサイドから農業スペシャリストまで幅広く募集しています!

ファイナンス(CFO候補として)
プロジェクトマネジメント経験
Webアプリケーション開発経験
農業スペシャリスト(博士)

などのバックグラウンド・経験がある方の募集があります。

また、上記以外にも、

脱炭素ビジネスのスタートアップで挑戦したい方のためのオープンポジション
学生インターン

の募集もあります。

求人ページには、フェイガーの会社の理念やカルチャー、求める人物像が詳細に書かれているので、是非一度チェックしてみてください!

※2024年4月時点の情報です。最新情報はHPでご確認ください。

メディア情報

フェイガーについてより深く知りたい方は各種メディアでの記事や動画も是非チェックしてみてください!

インキュベイトファンド General Partner 村田 祐介氏との対談

フェイガー代表・石崎氏 5分間ピッチ「成長産業カンファレンス GRIC」


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