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総勢100人以上がディスカッションで交流! 〜GXリーグ シンポジウム 2023 開催レポート【第3部】〜

2023年2月14日(火) GXリーグ シンポジウム 2023


2023年2月14日に開催された「GXリーグ シンポジウム2023」では、2月10日に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」を踏まえて、「成長志向型カーボンプライシング構想」における「GXリーグにおける排出量取引(GX-ETS)」の位置づけや、官民共創のルールメイキングなどの取り組みを紹介。さらに海外の有識者の基調講演や企業経営者によるパネルディスカッションなども交えて、GXリーグの今後の活動を展望しました。

本記事では、第3部の賛同企業交流会の模様をレポートします。
第1部第2部のレポートはこちらへ


第2部終了後、カンファレンスルームに場所を移して行われた賛同企業交流会には、100人を超える参加者が集まりました。会場内は18のテーブルに分かれ、6、7人ずつがグループになって着席する形式で、あっという間に席が埋まっていきます。

第3部の交流会には賛同企業から100人以上が参加

交流会は、今年1月に開催した第5回GXスタジオと同じように、円形ボードと付箋を使ったグループディスカッションを行いました。「GX推進に向けて今後取り組みたいこと」をテーマに、シンポジウムの発表内容を踏まえて自由な対話を繰り広げます。GXスタジオへの参加経験が多い方も多く、あちこちで名刺交換が行われたり、第2部の登壇者を囲んで談笑が始まったりと、なごやかな雰囲気でスタートしました。

各自の思いを付箋に書き出し、意見交換で視点を広げる

個人の思いを付箋に書き出すことからセッションがスタート

初めに5分間の個人ワークとして、各自の意見を付箋に書き出します。短い自己紹介を交わしたのち、付箋をボードに貼りながら、それぞれの意見に対して似通ったものや異なった見方をコメントしながら対話を重ねていきます。GX推進の課題や悩みを率直に打ち明け、周囲が深くうなずきながら言葉を返す場面がたくさん見られ、中には手元の付箋がなかなか貼り出されないまま会話が盛り上がるテーブルも。

ボードに付箋を貼り出しながら意見を交わす

付箋でいっぱいになったボードは、近しい意見を寄せ集めたり、分類してテーマを書き込んだりと、テーブルごとさまざまに趣向を凝らして整理していました。課題を挙げるだけでなく、“こうすべき=SHOULD”よりも“こうしたい=WANT”の視点で、GX社会実現の先にある可能性を見据えた前向きな議論がなされている様子でした。

ワールド・カフェ形式で議論を深掘り

およそ30分後、ディスカッションはいったん中断。より多くの視点を共有するため、グループ替えを行いました。これは第5回GXスタジオでも採用した「ワールド・カフェ形式」で、ホスト役の1人を除く全員が“旅人”となって異なるテーブルへ移動します。100人以上が一斉に動き、挨拶や名刺交換も早々に、後半のセッションが始まりました。

まずはホスト役が、グループで話し合った内容をシェアします。それをもとに、他のメンバーが各卓で出た近いものや、近いがニュアンスの異なるものを付け加え、意見を肉付けしていきます。加えて、グローバル企業がヨーロッパの現状について話し、地方企業が地域特有の取り組みを紹介するなど、さまざまな視点を交差させ、話が盛り上がりました。

ディスカッションは、前半に広げた視点を、後半では絞りながら深めていくといった様子で、しだいに付箋を貼る手は止まり、対話が熱を帯びていきます。マスク越しではあったものの、みなさんのいきいきとした表情が見て取れ、なごやかな雰囲気の中にも熱気や活気があふれる時間となりました。

話し合った話題を全体で共有

約1時間にわたるディスカッションの締めくくりとして、話し合った内容の全体共有が行われました。時間の都合上、発表は3つのグループのみでしたが、投資ビジネス、情報開示、地域特性、人材育成など、幅広い視点から意見が示されました。

ディスカッションの内容を会場全体で共有

発表で挙げられた意見は、次のようなものでした。

・投資ビジネスは波及効果が大きいので、モビリティや観光産業といった地産地消の取り組みを巻き込めるとよい

・ICP(インターナル・カーボン・プライシング)は大企業中心。開示のためではなく、ビジネスの成長のために行うべき

・グリーンな売上や利益目標などを盛り込んだ新しいESGの評価軸があってもよいのでは

・地域固有の課題があるので、まず現地を訪れてみることが大切。推進のためには人材育成や仲間づくりが重要

・女性だけで考える機会を持ってみたい

・日本では社内の合意形成が難しい。GXリーグでぜひノウハウを共有してほしい

経産省の中山竜太郎氏が挨拶に立ち、企業同士の積極的な交流を呼びかけ

交流会の最後には、経済産業省の中山竜太郎氏が挨拶に立ち、「こうした積極的な交流は非常に勇気づけられると同時に、身が引き締まる」と、参加者に感謝を述べました。GXリーグは官民協力をコンセプトとしていながらも、気候変動問題は協調領域の課題が多いことから民同士、実務者同士のつながりもきわめて重要であるとした上で、「GXスタジオがつながりの場となれるよう、次年度も開催していく予定。引き続き積極的にご参加いただきたい」と呼びかけました。


全3部にわたる長時間開催となった「GXリーグ シンポジウム 2023」は、活動の対外発信に加え、GXを共に推進する企業同士の理解・交流を深める充実したものとなりました。2023年4月からは、GXリーグが本格稼働します。みなさまの積極的な参加をお待ちしております!


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