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教師の働き方自主改革

教師をやっていると無限に仕事が湧いてきます。
なんでこんなに忙しいのってくらいに、毎日たくさんの仕事に囲まれて過ごしています。

仕方ない。なりたかった教師の仕事だから。

そう自分に言い聞かせて5年間働いてきました。

5年間という時間は自分の感覚を狂わせるには十分な時間でした。
7:00〜20:00という勤務は仕事を間に合わせるためには必要なことだと思いこんでいましたし、週7日の勤務は部活をやりたい子どもたちがいるのだから仕方ないと、なんの違和感も覚えなくなっていました。
終いには、いっそ学校に寮があればもっと仕事はかどるのになんて考えていたこともありました。
今考えると頭がおかしい人としか言いようがありません。(笑)

しかし、結婚し子どもが生まれてからはそうも言っていられなくなりました。
妻の負担軽減のために、なるべく家事ができるようにと考えるようになりましたし、子どもが父親と一緒に過ごした記憶がないというのは虚しいだろうと、なるべくそばにいてあげようと思うようになりました。
そして何より、私自身が妻や子どもと一緒に過ごしたいと強く思うようになり、自分のために働き方自主改革を心に誓ったのです。

とはいえ、何から改革すればよいのやら。
改善しなければいけない自分の働き方の問題が山のようにあり、何から手を付けてよいのかわかりませんでした。
ですから、まずは現状把握から始めました。

仕事が湧いてくるというのは、その原因が自分には全くないと、責任転嫁している状態です。
この状況を生み出している原因は自分にもあるはずと考え、自分の何を変えるべきなのか、自分の根本的な問題について分析しました。

その結果、完璧主義であることが私の根本的な問題だということに気付かされました。
自分の完璧主義っぷりには今までも再三苦しめられてきました。
ですから、今回ばかりは絶対に改善しなければと思い、働き方自主改革の方針を「脱完璧主義」と定めました。

脱完璧主義の中でも、どんな完璧から抜け出すのかを明確にしました。
それは大きく分けて「領域的完璧」「質的完璧」「人間関係的完璧」です。

「領域的完璧」とは、教師の雑多な領域の仕事をどの領域も全て漏れなく完璧にこなすということです。
学級経営、授業準備、行事計画、進路指導、部活動指導、校務分掌
これらの各領域を全て漏れなくこなすことは、残念ながら不可能です。(少なくとも私には)
そのために各業務に優先順位をつけました。
私の場合、学級経営と授業準備を優先するようにしました。
本当ならば部活動指導に力を入れたいところですが、部活動はあくまで課外活動ですので教師である私がそちらに傾いてしまったら生徒に示しがつかないので、泣く泣く部活動指導の優先順位を下げることにしました。
こうして優先順位をつけて、どの領域の仕事も漏れなくこなさなければいけないという思い込みから抜け出すようにしました。

「質的完璧」とは、1つ1つ仕事をミスなく完璧に行うということです。
もちろん完璧は目指していくべきではありますが、完璧に行うことよりも大切なことがあるのではないかということです。
そのため「完璧な準備」と「完璧な実行」を諦めました。
これについては細かく別の記事で書いてみたいものですが、要は完璧に準備することではなく、実行できる最低限の状態にすることを優先するということ。
そして、準備したことを完璧に実行することではなく、相手が求めていることを提供し、相手にとって有意義な時間を過ごしてもらうことを優先するということ。
この2つを意識することで、完璧主義の自分自身との戦いから離脱するように心がけました。

「人間関係的完璧」は一般的な企業における人間関係の悩みと同じです。
人付き合いを完璧にしようと思うと自分を出せないことにストレスを感じたり、自分の業務が余計に増えたりします。
教師だと生徒を相手にすることも多いです。
生徒は大人と違って好き嫌いを露骨に態度に出すので、精神的な疲労が多かったりします。
こういった人間関係のストレスをなるべく減らすために、関係性よりも目的に有効かどうかを優先するようにしました。
もし自分の目的達成のためにベストな方法であれば、それで関係性が崩れるようなことがあっても、それは仕方ないことと割り切るようにしました。
案外、それくらいはっきりしている方が相手も自分のことを理解しやすいのか、以前よりも人間関係のもつれが減りました。


脱完璧主義における、抜け出すべき完璧について書きましたが、これの最も大きな目的は、自分自身の余裕を生むことです。
余裕がなければ上手くいくものも上手くいきません。
教師という職業は人と人の関わりでしかありません。
ですから、人と人の関わり以上に大切なことはありません。
余裕を持ってゆとりのあるコミュニケーションを取ることで、子どもたちにとって良い影響があると信じています。

改革を始めてまだ1年程度。
良くも悪くも結果が現れるのはこれからだと思います。
どんなことが起きるのか不安もありますが、これを続けることで何かしらの新しい発見を皆さんにシェアできればと思います。
多忙な社会人の皆さんや私のような同業者の方に少しでも参考になれば幸いです。

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