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【映画】Our Identity【日本のいちばん長い日】

おはこんばんちは。

「働くこと」という概念を通して自分の「人生」を考える時間が増えてきている今日この頃の私でございます。

コロナ禍、Black Lives Matter運動、その他。今、僕たちが生きているこの世界は確実に「動いて」います。そんな社会に対して、自分の「役割」はなんだろう、と考えるきっかけをこの「映画鑑賞」に与えられました。

そんな流れで、今回は「日本史」が題材の作品を鑑賞しました。正直、ちょっと苦手な分野です。日本人でありながら、自国の歴史について深く理解できていない、という負い目を感じ、遠ざけてきてしまっているからです。

ただ、今回はこの作品を観てよかったな、と鑑賞後の今は思っています。我々日本人のアイデンティティ。今、この日本社会があるのはこの人たちの決断があったからなんだな、と思うことができました。

■生き様

この作品は、太平洋戦争を終わらせるために、降伏(終結)か、本土決戦(継続)か。1945年の終戦について、その決断を追ったストーリーです。正直、自分もこの時代背景について詳しいわけではないので、ネットで解説記事を読みながらの鑑賞となりました。

・昭和天皇(本木雅弘)

「戦争の終結ついて。これの実現に努力するよう希望する」

説明不要ですね。戦争終結の玉音放送の声は昭和天皇のものです。

・鈴木貫太郎(山崎努)<終戦に向け尽力する総理大臣>

「直面する重大問題を、私の内閣で解決する決心です」

第42代内閣総理大臣。天皇に聖断(天皇が下す裁断)を拝し、物事を動かしていく首相。とても難しい時代に首相に任命され、彼自身、高齢を理由に最初はその任命を断ろうとするのですが、最後まで自分の責務から逃げずに自分なりに立ち向かっていく姿は尊敬できるリーダー像でした。

「本土決戦となれば、桜はもう咲かないな」
とても印象的な言葉です。

・阿南惟幾(役所広司)<陸軍600万人を率いる陸軍大臣>

陸軍の「負けていない!戦争継続!」という思いを背負うリーダーという立場ながら、昭和天皇の「戦争終結」へ導くために間に立って立ち回る。結果として、陸軍の暴発を最小限に抑え込み、ポツダム宣言受諾へ導いた重要人物として描かれています。

上司や部下を抱える中間管理職としての苦悩がとてもよく描かれていて、その中でも自分が信じるものをちゃんと大切に決断をする。最後は自決という道を選ぶのですが、その生き様は素直にかっこいい。

手前味噌ながら阿南惟幾について調べると、昭和天皇と鈴木貫太郎首相とは旧知の仲であったという記述を見つけました。そういった間柄の人たちが、いざ自分たちに職務が与えられたときに、それぞれ自分の責任を背負いながら信頼関係の元に戦う姿はとても美しいですよね。発せられた言葉が、その人本心の言葉なのか、自分の役職としての言葉なのか、この場を終わらせるための言葉なのか。信頼関係がなければ戦争終結というゴールに辿りつかなかったでしょう。

・畑中健二(松坂桃李)<戦争継続をのぞむ陸軍将校>

「陸軍のプライド」を守り抜くためにただただ邁進する青年。「日本男児」という言葉のイメージはこういう人から生まれたんだな、という人物像で、なんとなく僕たち日本人の根本的なアイデンティティはこういう人物像なんだろうな、と感じます。日本独特の精神論、は歴史が物語っています。それをどう捉えるか、が重要ですね。これはまた別の作品を通してでも。

・迫水久常(堤真一)<首相を支える内閣書記官長>

どんな時代でも、どんな現場でも優秀なセカンドマンがどう立ち回るかで、その局面がどう動くか決まると思います。

■今を生きる

「それならば、私が意見を言おう。私は外務大臣の意見に同意である。このまま本土決戦に突入すれば日本民族は死に絶えてしまう。私の任務は祖先から受け継いだこの日本という国を子孫に伝えることである。1人でも多くの日本国民に生き残ってもらって、その人たちに将来再び立ち上がってもらう他、道はない。」

作品内から昭和天皇の言葉をそのまま引用しました。この言葉によって今の我々がこの場に立てている、といっても過言ではない気がします。この言葉を聞いて、グッと身が引き締まるような思いがしました。

「歴史を知ること」は「今を知ること」だと思います。上述したとおり、正直、学生時代にはそんなことを考えもせず、ただ目の前のテストの点数のために暗記して、テストの翌日には勉強したことなんて忘れて青春を謳歌していました(笑)そんな我々に、こうやって「映画」として提示をしてくれるこの「文化」を大切にしたいですね。

■ひとりごと

歴史上の先人たちが残してくれたこの世の中において、自分がどう立ち回るのか。「人生100年時代」と呼ばれる現代において、30を手前にして改めて「今」を見つめています。自分がやるべきことは?できることは?長い長い迷路に迷って、考えていきたいと思います!!


※参考 「特別映像」<奇跡編>
出演キャスト、監督・脚本原田眞人のインタビュー映像です。


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