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【映画】定義付けをしない世界を生きる「億男」

おはこんばんちは。

今回、ご紹介する映画は「億男」です。

この作品は、川村元気さん(以下:川村さん)の小説を大友啓史監督(以下:大友監督)が映画化したものです。

川村さんは、『電車男』に始まり様々な作品を大ヒットさせてきた映画プロデューサー。そして、大友監督は『るろうに剣心』シリーズや『ミュージアム』、『3月のライオン』など、様々なヒット作品を手掛けている監督です。

そんな2人の作品。観ないわけにはいかない!と、やっとAmazonプライムで発見したので鑑賞。正解!でした。

■あなたにとって”お金”とは?

佐藤健さん演じる物語の主人公、一男(カズオ)は兄が作った3000万円の借金を抱え、それが原因(と思っている)で愛する妻と一人娘が彼のもとを離れてしまいます。そんな彼にある日宝くじが当たり、3億円と言う大金を手にします。これで借金が返せて、妻と娘と一緒に暮らせる。幸せになれる。そう信じます。

ところが、その3億円。大学時代の親友である九十九(ツクモ)(高橋一生)が持ち去って消えてしまいます。ツクモは事業が大成功し、総資産は100億円を抱える大金持ち。そんな彼が親友の3億円を持ち去った意図とは?

ざっくり言うと、そんな物語の中で、作者の川村さんは僕たちに「あなたにとってお金とは?」と言う問いを投げかけてきます。

作品を見終わった後に、川村さんのインタビュー記事を拝読しました。

僕の行きついた答えのひとつは、お金って「人間の信じたい気持ち」なんだな、と。それがベースで、信用とか金属に乗っけている。あのお金は、何に対するクレジット(信用)で成立しているんだろうと考えると、そこから人間が見えてくる。お金を前にすると人間の欲望とか、ほしいもの、嫌なこととかがはっきりする。それが面白い。(ハフポスト日本版

「お金」ってなんでしょう。お金があれば幸せになれるのでしょうか。

インタビューと合わせて、取り出した本がありました。『お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)』(著:佐藤航陽)という本です。この本では、デジタル化が進んだ昨今の世の中で、変わりつつある「お金」の価値について、解説している本です。

相対的にお金の価値そのものが下がり続けています。逆に、増やすことが難しい、信頼や時間や個性のようなお金で買えないものの価値が、相対的に上がってきているとも言えます。(第3章 価値主義とは何か?)

僕たちは、毎日「お金」を手にして、使っています。しかし、そのお金のことをどのくらい知っているでしょうか。このお金がどんな力を持っていて、どんな価値があるのか。そして、その価値は何をもたらしてくれるのか。

■定義付けしない世界を生きる

川村さんは、「お金の価値は、結局自分が決める」と、同じくインタビューの中で語っています。「お金」は、持つ人によって、その姿や価値の重さが変化する。

僕は、規定の単語が嫌い。気分や考え方を簡単な言葉でまとめちゃうのが苦手なんです。常に疑い、考え続けたいと思っています。ー中略ー「億男」は、お金でもあり、旅でもあり、落語でもあり、家族の話、哲学の話でもある。そういう複雑なものを掛け合わせている。一言で言い切れる時代は終わったなと思っています。(ハフポスト日本版

一言で語れないからこそ、人それぞれに感じ取ることは違う。川村さんが言うように、「複雑なレイヤーが重なり合い、定義付けができなくなってきたこの世の中」において、「誰かに価値観を強要すること」ほど陳腐なことはありません。


自分がこうやってnoteで映画の感想をアウトプットするようになったこと、それは自分が感じたことを誰かに知ってもらって、自分と違う考えを知ってみたいと思ったから。考えたことを、自分の中で留めておくだけでなく、しっかりと育てたい。だからこそ、映画を観て誰かのレビューを読む時間がすごく好きな時間なんです。

今はまだ、らいまる、がーすーの3人ですが、これからたくさんの人と、同じものを観て、自分とは違う価値観を語り合う。「映画だいありー」がそんな場所になっていってくれたらいいな、って思っています。


See you next time.

ぐっさん。

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