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【第4回 だいありートーク】同じ映画を見て感想を言い合ってみた『タクシー運転手約束は海を越えて』

おはこんばんちは!
「だいありートーク」第4弾!今回は、第2回目となる「同じ映画を見て感想を言い合ってみた」シリーズ。課題作品は『タクシー運転手 約束は海を超えて』という韓国映画。こちらは、がーすー氏のオススメということで、今回も3人が観賞してその感想を話し合ってみました!
三者三様の感想、どうぞ!

■人生観変わるほどの…

らいまる(R):イエーイ!「同じ映画を」シリーズは2回目かな?
ぐっさん(G):そうだね、前は僕が批判しまくった回になってしまったので…。ちょっと柔らかく(笑)
がーすー(S):そうだっけ?(笑)
R:全体的にちょっとそんな感じだったかもね。それで言うと、今回はよかったねって話になる予想。
G:反応いいよね(笑)
S:それはチョイスの問題だね(笑)
G:確かに、ナイスチョイス!
R:今回は元々知ってた映画っていうのもあるよね。
G:あれ、知ってたんだっけ?
S:俺は映画館で上映された時に観たことあって。
G:そうだったんだ!
R:がーすーが面白いから、って言ってくれて。せっかくだから違う国の映画を観てみようみようと。
G:めちゃくちゃいい映画だった!
S:実話だしね、基本的には。
G:正直、僕の今後の人生の価値観を変えるきっかけになるくらいの映画だった。
R:そんなに!?そこまでは思わなかったなー。
S:どういうこと?(笑)
G:え、熱弁していい?一言で言うと、「人生における役割」みたいな話だと思った。この映画を観て思い出したのが、昔のピューリツァー賞の受賞作品だったと思うんだけど。飢餓で苦しむ子供の写真…。わかる?
※参考(NATIONAL GEOGRAPHIC)

R:あー、あったよね。
S:そう、あの写真を思い出した。
G:黒人の子供が蹲っていて、それをハゲワシが見てる。この写真って、「写真を撮る前に、目の前の子供を助けられるじゃん!」っていう批判があるけど、この写真が社会に与えた影響って大きかったよね、って話だよね。まさにこの話もそうだなって。タクシー運転手のおじちゃんは、だんだんあの場にいて目の前の人を助けたい!って思うようになるけど、やっぱり彼の役割はそうじゃなくて。目の前の人を助けることじゃなくて、ジャーナリストの人を無事にソウルに送り届けるということが最大のミッションだったわけじゃんん。それってすごく大切なことだとめっちゃ思った。

■ほんとにリアル?

R:いや、でもそれで言うならこの映画に対しては不審に思う点が何点かあって。というのも、多分この主人公だけは空想なんだよね、ほぼ。多分、実際この人はいたんだと思うんだけど、この人目線の話というのは全部空想だと思う。ドイツ人記者目線で語られた実話だから、このタクシー運転手がどういう人間だったか、というのは作り上げた点だと思う。そういう点から言うと、主人公が街に入ってから、一夜過ごした後に一人で街を出て行ったじゃん?ジャーナリストを置いて。僕はその後、もう一回戻ってくるのはリアルじゃないな、って思った。
S:でもそれは、娘がいたからソウルに帰りたい、って思ったのでは?
R:そう、娘がいるから、そのまま帰っちゃうんじゃないの?って思っていて、「ほんとに帰っちゃうんだー」って思ったけど、そこからまた戻るの!?っていうのが、あべこべだなって思っちゃった。
G:それはその人の葛藤として表現したんじゃないの?
R:でも、この人って元々おばあちゃんを助けてタクシーに乗せて「お金はいらないから」って言ったり、偽善的な人なのかなーって思いつつもそういうことしたり。人柄を作ってる感あるなーとは思っちゃった。

■ジャーナリズムと正義感

G:がーすーは、当時観て、印象に残っていたからこうやって紹介してくれたと思うんだけど、どうだった?
S:そうね、たった40年前に韓国という隣国でああいう事件があって、ああいう情勢だったっていうことを知らなかったし、ちょっと違うけど最近アメリカでも警察が黒人の人を殺してしまうという事件が起こったり。職業柄こういうドイツ人記者のことを本当に「ジャーナリスト」って呼ぶんだろうな、って実感した。
G:そうですね。そういう意味で自分も「人生で自分たちに与えられる役割」ってなんなんだろうな、ということをめっちゃ考えた。
S:あとは、あの主人公を演じた俳優は『パラサイト』の主演で、あの人が好きというのも。この作品でもユーモアのある部分と正義感のところ、というか。その両面が見れるのは面白かったな。作品の中にジョークっぽい部分も散りばめられているけど、ベースとなる部分はあの人の心の視点で描かれていて、そこら辺はすごく面白かったかな。
R:「ジャーナリズム」っていう観点から言うと、主人公が街に戻ってから行った病院で、このジャーナリストが座り込んじゃってるシーンで「撮ってろよ!」って思っちゃった(笑)
G:厳しい!(笑)
R:いや、「ここまできてこの主人公に『これを撮らないと!』って言われちゃうの!?」って。
S:でもそれがリアルなんじゃない?ジャーナリズムの狭間であの現場にいたと思うし。目の前で爆発とか見てたら座り込んじゃう気持ちわかる気がするけど…。
R:「それぐらいの覚悟なの!?わざわざあそこまで行って」、って思ったけどなー。
G:その「ジャーナリズム」の観点で言うと、人間の「正義感」であそこまで人をつき動かせるんだ、っていうのを感じた。屋上からデモ隊と警察が衝突するのを眺めながら主人公が「この中下に降りるなんてバカなことを言うな」っていうシーン。このシーンなんかも、自分の正義のために、明らかに危険ってわかっているのに身を投じれるっていうのがすごいな、と。
R:そう、だからこそ。なんで病院で座り込んじゃったんだろう、って思ったな。

■ノンフィクション映画、どう?

G:実話を元にしている映画っていっぱいあると思うけど、「実話」の映画を観る時の捉え方ってある?
R:「実話」をどこまで忠実に再現するかって映画によってそれぞれじゃないかな。それこそ、俺が最後に書いた『アルゴ』も史実に則って描かれているけど、よく調べたら最後の脱出シーンはもっと普通に脱出できているらしい。だから、どこまでノンフィクション映画を映画とするために事実を変えるか、というのはそれぞれかな、と。
G:好き嫌いで言うとどう?ノンフィクションが好き、というのある?
S:んー、俺はあんまり歴史モノとかは好きじゃないかな。
R:俺も!
G:わかります。歴史モノって、共通認識の元に作られるから。それを知らないと入り込めない、というところがある。
R:歴史的背景とかね。
S:今回の映画をなんで観たかっていうと、歴史的背景って言うよりはタクシー運転手の人となりにスポットライトを当てているからだと思う。ストレートに事実を描いている映画はあんまり観ないかも。戦争系とかも。そのことをわからなかったら、映画もわからないじゃん?
G:なるほど。映画の見方をテーマに話したときも、「現実感」「非現実感」っていう話をしたと思うけど、それで言うと一番リアル(現実感)じゃん。邦画、洋画関係なく、リアルに作られているっていうと、好き嫌いで言うと分かれそうなジャンルだよね。
R:それで言うなら、日本の歴史系はちょっと苦手だけど、海外の歴史ってあまり詳しくない、それが知れるのは面白いな、って今回思った。
S:今回の作品は40年前っていう近い歴史のこともあると思う。
G:確かに、見やすかった。
S:まさかこんなことが40年前に隣の国で起きてるって思わないし。
G:がーすーは連続テレビ小説も好きだっけ?
S:モノによるかなー。軌道に乗って見るときは見るけど、最初で断念しちゃうのもある。今の『エール』は見てるよ。
G:僕はリアルタイムではなかなか見ないんですけど、後からまとめてみたりとか。歴史モノ自体は好きなジャンルではあるかな。
R:俺もどっちかというと好きなジャンルではあるよ。それで時代背景を調べて、補完するっていう。 
G:確かに、見終わって調べるところまでが楽しかったり。

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G:はい、ということで、第2回「同じ映画を観て語ろう」だったけど喋ってみた感想はどう?
R:いろんな意見が出てよかったんじゃない?
G:がーすーは自分が紹介した映画の感想を聞いてどうだった?
S:んー、どうだろうね(笑)
G:人に紹介した映画が、その人の反応が良かった・悪かったって、やっぱり良い方が嬉しくない?
S:いや、別に俺が作ったわけじゃないからなー(笑)
R:俺は全然違う感想が出たほうが、「なるほどね、そういう見方もあるんだ」って思って、「もう一回見よう」ってなるけどね!
G:へー、もう一回観ようってなるんだ!
R:だから、割と違う意見が出てきた方が楽しいかな。良い、悪いという言い方をする人もいるけど、その中でも何かしら見つけてくれる人と喋るのが楽しいかな。


「同じ映画を観て語ろう」シリーズ、これからも定期的に続けていきます!
次回をお楽しみに!

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