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『生命の陰陽学』から読み解く"陰陽"の世界とは?

「陰陽」という言葉を聞いたことがある人が多いのではないのでしょうか?

最近だと「陰キャ」や「陽キャ」というような物を言いをされることがあるように、東洋思想ではざっくり言うと世の中の事柄はすべてを「陰」と「陽」に分類することが出来ます。


今回ご紹介する『生命の陰陽学』では、さまざまな「物質」「原子」「生体リズム」「電荷(±)」を著者である「山野井 昇」さんが陰陽五行で分類している《西洋思想と東洋思想の融合》とも言える1冊です。

すべての事象には陰と陽がある


『生命の陰陽学』
では

1.東洋思想に見る陰と陽
2.空気の中に秘められる正負の法則
3.地球と生命の正負を知る
4.細胞と正負の電気
5.酸化還元の生命の法則
6.生命リズムと酸とアルカリ(水)
7.水が命を蘇生する
8.陰陽は生命の悟り
エピローグ
あとがき

と上記のような内容で本書は、科学的なさまざまな側面を陰陽と五行(木火土金水)で解説しており、山野井さんの科学者としての知識の広さと東洋思想への見識の深さに驚かされました。

そして、本書を読むことで改めて東洋思想の懐の深さを思い知らされる結果になったのは、タイトル買いをした小生の直感のなせる技……という事にしておいてください笑

東洋思想とは? 自然と調和を目的です!


『生命の陰陽学』
の中でも語られる東洋思想とは自然を愛し、自然と調和することを目的とした思想のこと。

上記の図は多くのヒトが一度は見たことがあるかもしれませんが「太極図」が万物の理想とする姿とされています。

太極図にかかれている対照的な黒い勾玉は「陰」。白い勾玉は「陽」です。万物はすべて「陰」「陽」で出来ていると考えられており、陰と陽とのバランスの調和が取れている状態が上記の「太極図」です。

ちなみに、この陰と陽とのバランスが崩れてしまうと体調であれば「未病」になり。人間関係であれば喧嘩になったり、いろいろ不幸なことが起きてしまいます!

西洋医学の中に見る「陰」と「陽」の東洋思想

西洋医学的に本書の中で取り上げられた「陰陽のバランス」を語るならば

・交感神経と副交感神経
・マイナスイオンとプラスイオンのバランス
・酸素と活性酸素
・ホメオスタシス(恒常性機能)


などは、それぞれ陰陽のバランスそのものであると語られています。

当然ですが、交感神経と副交感神経のバランスが乱れれば「自律神経失調症」になってしまうし。
酸素が無ければ生きてはいけませんが、酸素を吸う事で身体の中で発生する活性酸素とうまく折り合いをつけなければ身体が錆びてしまい老化が早まってしまいます。

最後に体温調節機能やさまざまな変化から私たちを守ってくれるホメオスタシスがなければ、やはり私たちは心身ともに健康ではいられません。

「東洋思想や東洋医学は科学的根拠が薄い」と言われがちではあります。

しかし、私たちの身体は東洋思想的な陰陽の絶妙なバランスで成り立っており、その上に西洋医学も成り立っているのです。

そう考えると「胡散臭い」と思われがちな東洋思想もすんなりと受け入れられやすくなるのではないでしょうか?

なお、九星気学の最終目標は東洋思想と同じく陰と陽、木火土金水のすべてのバランスが整っている状態を理想としており、そのために吉方位採りや木火土金水を意識した食事を摂取することなどを手段としています。

だからこそ気学は占いではなく、生き方の問題なのです。

万物はすべて陰陽出来ている、陰陽の中にもまた陰陽がある。

この世界は、宇宙はすべて陰陽で出来ており。さらに陰と陽の中に、陰と陽があり、さらにその中にも陰と陽がある。

本書の中では、その連続性にも触れており。陰にだけ偏りすぎても、陽にだけ偏り過ぎても良くない――ということが書かれています。

そう、同じく東洋思想を学ばれる方の中でも勘違いされている方が多いのですが「極端」はダメ!
一番良いのは仕事も、人間関係も、健康も「中庸(ちゅうよう)」です。

陰も陽も木火土金水もすべては調和ーーバランスが取れた状態が理想なんです。

本書の中でも語られていますが陽ばかりを極めても、結局は「陰」にいたり。「陰」を極めれば「陽」に至ります。

仏教でも語られるように「極に至っては極に至る」。
「安心したい」がために

・自分の事だけ頑張る
・仕事だけ頑張れば良いと思う
・友だち、家族だけを大事にする

という極端な行動は結果として陰陽のバランスを乱し、結果として自分にとって望まぬ悪い運気へと引っ張られてしまいます。

余談ですが陰の中にある陰陽の十二支。陽の中にある陰陽を十干(じゅっかん)と呼んでいますよ!

これからの時代は「負と陰」の時代



本書では最後に

これからの時代は「負と陰」の時代と考えている

と終わりの方で語られていますが、これは決してネガティブな意味ではありません。

そもそも「負」も「陰」もネガティブな言葉ではなく。「正」と「陽」に優しくよりそうものだからです。

「お陰様で」という言葉にあるように陰は陰ながら、優しくよりそう女性的な優しさがある気で私たちが生きる上で陽と同じくなくてはならない存在です。

たしかに溌剌とした元気いっぱいな「陽気」はたしかに頼もしいかもしれませんが、そればかりでは疲れてしまいます。

そして、陽気だけでは成り立たず、陰気も含めて「太極」へと至るーー。

その太極の先にあるものが仏教では「悟り」であり、道教では「道(タオ)」なのです。

一応便宜上占い師という体でほぼ毎日のように占いをアップしていますが、九星気学が目指す先は「道」なのです。

話がずれてしまいましたね、閑話休題。

さて、本書で私が感じたものは、西洋的な発想の中にもたしかに息づく「陰陽のバランス」そのものでした。

科学や医学的な西洋的な観点から東洋思想を紐解くことで、改めて東洋思想を学ぶことができたことを嬉しく思います!

東洋思想や東洋医学を学びたい方には、ぜひおすすめしたい1冊。
この機会にアナタも奥深き東洋思想の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

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