仁義なき有人誘導弾 (慰謝料鉄砲玉)
仕事で某街に住んでいた頃のお話。
その街は仁義なき抗争が過去あった"気がする"と皆に記憶されている地域でその系譜だからか知りませんが頻繁に救急車のサイレンの音を耳にしました。
まぁ私の故郷も「カルガモの親子が横断歩道を渡りました!」という微笑ましいニュースの次に建物に銃弾が打ち込まれた事件を持ってくる様な場所なのでそう構えることはなかったです。
実際に故郷と同じでいい街だったし、逆に頻繁に走る救急車も有事の際は頼れる熟練度99の猛者達だろうと逆に安心できたりと。
そんな訳で折角目新しい土地にいるのだからとなるだけごはん処を新規開拓し続けていたある日のこと。突然ですが危機はやってきました。
商店街を通り抜けて目的のお店に向かう途中、酔っぱらっているのか斜め前方から自転車に乗ったおっさんがフラフラしつつ近づいてきます。
別に驚くような光景ではないのですが、その仁義なき何とか系の映画で下手を打って真っ先にフェードアウトしそうな小物の様な風体がやたら目につきました。
そしてその目は単なる酔っぱらいでなくこちらを獲物として見据えている様な嫌らしさを纏わりつかせています。
時間にして1秒程度の観察ですがピースが次々にハマったのか嫌な予感は即確信に変わり・・・やはりおっさんはそのまま突っ込んできました。
明らかに向こうが悪いのですが、ぶつかったら最後、なし崩しに絡まれてしまいます。
余談として今まさに危機の渦中なのですが「え、いま平成だよね?」と逆に昭和感全開な手口に驚いた事も覚えています(゚д゚)
とにかく接触は悪手だと回避の方法を模索します・・・結論は寸前で躱すでした。難易度は高いけどこちらが先に動いて「びっくりしたから転倒した」と押し切られるのが嫌だったので。
歩く速度を最大限に抑え・・・そして衝突手前で急加速!(゚∀゚) ソクリョク サイダイ!
まさか躱すと思っていなかったのか、おっさんはその動きについてこれず私を素通りし、恐らくですが先程左手にあった郵便ポストに激突しました。
派手な衝突音の後、少しして何やら怒号が聞こえてましたが無視してとにかく距離を稼ぎます。
何を喚こうと周囲からみたら「勝手にポストに突っ込んだおっさん」なのですから。
危険予知万歳です。
「チンピラのおっさんが突っ込んでくるかも知れない・・・ヨシ!」
ですよ。
暫くはまとわりつかれるのが怖くて商店街に出入りできませんでしたが、教習所でも習う「かもしれない運転」の大切さを改めて認識したのでした。
後年、マンションのエントランスから自転車が飛び出して来るかもしれない運転(歩行)をしていたら、本当にエントランスから自転車・・・ではなく原付きが飛び出してきた時は流石に死ぬかと思いましたけど(;´Д`) ナンデソコカラ デテクルン?
<次のお話>
<前のお話>
<某月某日の嵐>
主にオチがつく感じの思い出話を語ってます。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?