マインドフルネスを知りたい人に伝えたいこと
私たちに起きがちなこと
私たちは自動操縦の乗り物に乗っているような生活をしています。意識しないでも、職場についているし、スマホを見ながらでもご飯を食べられます。最近ではスマホでゲームをしながら、Picture in pictureでYouTubeを再生して、電車に乗っている学生さんがいて、目を丸くしました。
上手くいっている間は問題がありません。しかし、上手くいっていない状態では、「なんであんなむかつくこと言うんだろう」とか、「自分は本当はこの仕事にむいていないかも」とかネガティブなことを考え始めます。
考えるのは嫌なことだからでもあるし、それをどうにかしたいからです。その目の前の問題を解決するための乗り物はまた走り出します。いままでそうしてきたように――。
解決しようとしても解決できない問題がある。そんな時、考えや気分はどうなるでしょうか。なぜ解決できないんだろう、と落ち込んだり、こんなんじゃいけない、と自分を責めたり。そうすると、体まで重たく感じていきます。
私たちは自分自身がその乗り物に乗っているということに気づく必要があります。体の痛いところがあれば、痛みを取り除くために行動します。好きなマンガを最後まで読める環境があれば、疲れるまで読み続けます。私たちはそうして、心地よくないものだけでなく、心地よいものからも離れられません。そのようにずっとその乗り物に乗り続けていってしまいます。
もちろんネガティブなことを考えることが良くないことではありません。心配になれるから雨の日に傘を持って行ったりできるわけです。悲しいことがあった時に気分が落ち込むことも、うれしいことがあった時に、うきうきする気分になるのも自然なことです。いずれにしろ、その乗り物に乗っていることに私たちは気づかないのです。マインドフルネスは、そんな私たちの気づかなさに気づく手助けしてくれるものです。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとはどのようなものかについて、ここでは効果や何をするのかということについてお話します。マインドフルネスストレス低減法を作ったジョン・カバットジン博士は、マインドフルネスをこんな風に表現しています。
わかるようでわからないかもしれません。私も始めからそうでした。マインドフルネスを続けていく中で、いまなおだんだんと理解しつつあるという状況です。焦らずに、ゆっくりと一緒にマインドフルネスの理解を深めていきましょう。
マインドフルネスの効果
マインドフルネスはGoogleやYahoo!、トヨタ自動車、メルカリなどの大手企業の社員研修として用いられるなどして注目されています。なぜなら、こんな効果があるということが科学的にわかってきているからです。
集中力が高まる
記憶力が良くなる
免疫機能を高める
よく眠れる
感情をコントロールしやすくなる
これらは、より健康に生きるウェルビーイングにもつながっていきます。Appleの創始者スティーブ・ジョブズを始め、国内外の経営者、スポーツ選手、俳優など著名人が生活にマインドフルネスを取り入れています。難しそうに思われるかもしれませんが、基本的にどなたでも始めることができます。
マインドフルネスでやること
マインドフルネスは主に瞑想をします。瞑想と聞くと宗教っぽくて抵抗を感じるかもしれません。しかし、マインドフルネスに宗教的な要素は一切ありません。瞑想はご想像の通り、じっと座っておこなうことが多いですが、実は次のような瞑想があります。
座る瞑想
食べる瞑想
見る瞑想
歩く瞑想
寝て行う瞑想
体を動かす瞑想
例えば、食べる瞑想ではレーズンを食べます。たった”食べる”という体験から様々なことを再発見することができます。このように瞑想を通して、自分の中に今起きていることに気づき、マインドフルネスを自分の中に少しずつ育てていきます。
あるいは体を動かすことで、心と体のつながりに気づくためのヨガをもとにした、身体を動かす瞑想(マインドフル・ムーブメント)もあり、様々な瞑想を組み合わせています。
マインドフルネスストレス低減法(MBSR)とは?
マインドフルネスストレス低減法(MBSR)は、マインドフルネスを体験的に学ぶことができる、構成されたトレーニングです。8週間にわたり、毎週2.5時間、決まった時間に集まります。複数人が一堂に会して対面でおこなわれます。コロナ禍の影響でオンラインが主流になっています。関心がある方は、こちらをご覧ください。
各回に宿題があり、日常的にマインドフルネスを練習していきます。宿題や瞑想に関して、講師や他の参加者と対話を重ねていきます。その時間の中で、いまの自分に何が起きていて、それがどんなことにつながっているのかを体験を話して共有します。
自分の体験を話すとき、私たち日本人は一番最初に話すのがとても苦手です。その時に話をしたいことがあるにもかかわらず胸の内に秘めてはあたりを見回して無言で譲りあっています。しかし、ひとりが話すと、またひとりが話す。この繰り返しから、だんだんと話をしてもいい安心感が生まれ、次第に話ができる空間ができあがってきます。誰かと行うこの営みが私たちにさらなる豊かさを与えてくれるものだと私は思っています。
ここまで読んでくださってありがとうございます。あなたも一緒にマインドフルネスをやる仲間になりませんか?
Top Image: https://pixabay.com/photos/yoga-woman-lake-outdoors-2176668/
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