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あれ、ズボンのサイズに自信のなさが出てしまった

ここ最近は、ショッピングといえば、もっぱらネットショッピングである。

ただ、服に関して言うと、タンスもパンパンだし、財布はヒエヒエだしと、3ヶ月ほど、ショッピングから遠ざかっていた。

しかし、このごろ、生活がどんどん削ぎ落とされていることで、強制的に節約されていった。財布もぬくくなったことだし、タンスも整理したので、久々の発散もかねて、服を買うことを自分に許可する。

さっそくネットで服探し。大量の服を前にしてウキウキしつつも、自分の情報処理力がためされる。

30分後、私は、NIKEのタイトスウェットを前に頭を抱えていた。

ハムレットの「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。」なみに「Sにするべきか、Mにするべきか、それが問題だ。」と悩んでいた。

ネットショッピングでは、サイズ、これが本当に難しい。

しかも、私のようなずぼらは返品なんてするマメさがないので、来たものはもう着るしかないのだ。

去年まで、ダボダボズボンを愛していた私。暗闇ボクシングに通い込み、体重が7キロ落ちていた。BMI20未満の世界に高校生ぶりにたどり着いた。

ダボダボズボンは、卒業だ。今は、タイトスウェットをタイトに着たい。私は、痩せたのだ。

そうなると、Sサイズか。

今の私なら、入る。入る。え、入るのか?

試着室に行き、入ると思っていたズボンが全く入らなかったときのことを思い出した。ズボンが履けないだけで、自分のすべてを否定されたかのようなあの絶望はなんなんだろう。

母親にサイズの小さいズボンを履いて、「ピチピチだから、やめておきなさい。おしりがパンパンよ」と言われたときのことも思い出す。

ぽち。

私は、Mサイズを買った。

すぐに届いた。Mサイズのスウェット。

履いてみた。

……大きかった。タイトに、履きたかったのに。ため息。

ああ。なんで、あのとき、自分を信じきれなかったんだろう。

今までの失敗や、人からの言葉を、なんで乗り越えられなかったんだろう。

スウェットのぶかっとした分、それは自信がなかった分。

自分に申し訳なくなった。スウェットにも申し訳ない。

あと数センチ、自分を信じてみよう。

そうしたら、私もスウェットも、きっと、もっとハッピーだ。

ちなみに、次の日、あらためて他のブランドのスウェットをSサイズで購入し、後日届いたものを履いたら下半身が窒息するかと思った。

ネットショッピング、いとむずかし。





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