#物語
母性的なるものを巡って
遠藤周作は『沈黙』で日本におけるキリスト教の変質を描いており、文化触変を考える上で極めてわかりやすい。いわく、父なる神の厳しさが日本の精神的土壌に根付くことは難しく、許してくれる「母」のイメージが浸透する。そのイメージは聖母マリアが観音と融合する文化(マリア観音)によって推察することが可能だ。この例の妥当性はともかくとして、日本における母の表象は興味深い。
アニメや漫画などの現代的メディアに目を
非知性的な夢想の対象がファンタジー世界であること
ダルコ・スーヴィン『SFの変容』において、文芸作品は四象限に分類された。分類の軸は「自然主義的/異化的」と「認識的/非認識的」となる。
自然主義的とは、すなわちこの現実を舞台としていることだ。対して異化的は現実外世界を意味する。認識的とは確固とした学問体系に基づき新たな知見を獲得できるものを指し、非認識的は習得から遠ざかるものであろう。この図式に当てはめると、現実において新たな知見を得られるもの