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VERBE〜動詞的な日常

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「動詞としての文化」とは何かの考察
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2023年5月の記事一覧

コミュニティからの脱却と接続を繰り返す

先週末の日本フランス語教育学会で久しぶりに東京を訪れた。土日に遠方への一泊旅行となり、月曜日から普通に授業をしていたので、なかなかハードなスケジュールだった。

学会発表の内容は、僕らが作っているフランス語オンラインコミュニティの活動と成果の分析である。

コロナ禍で見舞われたのは、遠方のコミュニティの切断だった。2019年までは毎月のように県外出張をしてプロジェクトを回していたが、コロナではそれ

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境界線の浸透

すべてを「連休後」に設定していたために、様々な要件が日常に浸透している。複数の会議と複数の授業を終えると、どれがどのタスクだったのかを見失ってしまう。明日も今日と同じくらい忙しいかもしれない。

寺山修司が生きており、令和の時代にアイドルユニットを作る物語を読んだ。中森明夫は多様なジャンルを横断する寺山の活動を現代に描き出している。文体模写にとどまらず、現代文化の中に寺山を置き直す思考実験がリアル

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「不変の与件」が背景と化す

ゆっくりと日々の出来事を記録しようと思って始めたnoteではあるが、基本的に外出が苦手なので、趣味の読書や映画の感想がメインになってきた。僕自身は仕事以外の場での議論が苦手なので、素直な「感想」を書いているつもりなのだが、職業病のせいで批評のようになってしまう。変に逃げを打つのもどうかと思うので、もはやこのnoteを作品批評として捉えてもらっても構わない。

ということで相変わらず文芸や映像を通じ

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他者の物語と接続し、切り離す

息子の友達が遊びに来て、次男も混ざり、子供の自由さでそれぞれが好き放題やり出す。このカオスの中で凪良ゆう『汝、星のごとく』を読了した。

瀬戸内の島で暮らす高校生の男女が、それぞれ問題を抱えた親に翻弄される。主人公・櫂は母子家庭で、母親は男性への依存度が高く、新しい恋人ができるたびに櫂を振り回す。ヒロイン・暁海は父親が家を出て浮気相手のところで暮らし始め、残された母親は精神に病を抱える。この二人の

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