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緑色の不思議なシナモンを知っていますか?

世界中にいくつかの品種が存在しているシナモンは、世界最古のスパイスの一つとも言われており、今でも世界中で愛され続けています。中でも最もポピュラーな種類は、主にスリランカで採集される「セイロンシナモン」と東南アジア原産の「カシアシナモン」の二種です。これらの品種は樹皮に濃厚な芳香があり、木の皮を剥がしたのちに乾燥させてパウダーとして世界中で流通しています。木の幹そのものの色、それが一般的に認識されているシナモンのカラーであるといえます。

では、皆さんは今まで「緑色のシナモンパウダー」をみたことがありますか?おそらくほとんどの人は聞いたことがないかと思います!記念すべき初投稿の本日は、シナモンパウダーどうして緑色なのか、普通のシナモンとはどう違うのかを紹介していきたいと思います!


台湾の森の恵み〔台湾土肉桂〕

先ほど、世界で主流の品種を二つ紹介しましたが、実はさまざまな国の地域で固有種、原生種と呼ばれるその地独特のシナモンの木が生息しています。台湾の〔 土肉桂 〕もその一つです。台湾原生種である土肉桂は、田舎で育ったご年配の方なら誰しも子供の頃に一度は山でおやつがわりに葉っぱをしゃぶったことがあるよ、と話してくれることからもわかるように古くから親しまれて来たとても価値のある木です。

葉っぱを齧ってみるとわかります、本当に濃厚な甘さと後からくるスパイシーさに驚きます!土肉桂は実は経済的にも、環境的にも高いポテンシャルを秘めています。


①深根性の植物であること

深根性(シンコンセイ)」とは、植物の根っこの状態を表す専門用語で、地中に縦に深く根を張るため、土を捉える力が強く土砂崩れなどの予防にもつながる重要な性質です。台風や雨の多い熱帯地域である台湾では、特に土砂崩れの被害を被る地域が少なくなく、再度これらの植物の重要性が見直されて来ています。


②豊富な栄養素を含む葉

台湾土肉桂の葉には、豊富なシンナムアルデヒドが含まれています。通常、シナモンの桂皮に含まれている成分ですが、土肉桂に至っては葉にもこの成分が認められます。血糖値を下げたり、安眠効果、血行促進、毛細血管の老化防止など様々な効能が明らかになっているとても素晴らしい成分です。

また、一般的なシナモンパウダーにはクマリンと呼ばれる有毒物質が含まれていますが、土肉桂の葉にはクマリンが含まれていないこともポイントの一つです。


③マイルドなシナモンの香り

シナモンの濃厚でスパイシーな香りは好き嫌いがはっきり分かれます。なかなかの強烈な芳香を放つ桂皮部分を使用している為です。ですが台湾土肉桂の場合、使用する部分は木の皮ではなく葉です。その為、一般的に認知されているような強いシナモン臭ではなく、どこかお茶の香りにも似た風味の中にほんのりとシナモンが香ります。普段はシナモンが苦手で、食わず嫌いしているような方でもシナモンの葉を使用したお茶は飲める方の少なくありません。


④美しいピスタチオカラー

シナモンリーフを乾燥させ、焙煎加工を施すとパウダーのカラーは美しいピスタチオ色へと変化します。抹茶カラーともまた違う深みのある緑色です。シナモンロールの生地に練り込むと、その緑色が映えて美しいグラデーションにもなります。まだまだ一般的にはシナモンの葉の利用がラーではありませんが、色味と風味、健康面での効果などさまざまな角度から考えてもポテンシャルのある素材の一つです。

台湾国内でも取扱のある場所は少ないですが、当店オンラインストアもしくはPinkoiのストアでパウダーやお茶などを購入していただけます。Pinkoiからであれば、日本への発送も行なっているので興味のある方はぜひお試しください。



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