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名古屋名物ひつまぶしと有名焼肉店の支店のリブランディングな視点に目からウロコポロリ


在宅が続き、東京から出ない生活が続いています。

ぼくは趣味というものがあまり無いのですが、強いて言うなら食べ歩きですね。今は外食もしていないのでテイクアウトやデリバリーを楽しんでいますが、やっぱり人と会ってお店の人と喋りながら食べるのが恋しいです。

地方の食べ歩きも大好きで、出張で行くときは仕事終わりで行く飲食店を入念に計画を立てて予約しておくので一緒に出張する人には喜ばれます(笑)。

今は、アフターコロナ地方メシにどこに行こうか妄想の日々。

大阪の粉もん、京都の割烹、福岡や金沢の寿司、名古屋の名古屋めし、あ〜、行きたい!あ〜、食べたい!

特に名古屋って、他の都道府県に無い発想の料理のパラダイス。

味噌カツ、味噌煮込みうどん、手羽先、ひつまぶし、きしめん、あんかけスパ、台湾ラーメン、天むす、小倉トースト、どれも大好き!

今朝の朝ドラ『エール』で、愛知県豊橋市出身の音( 二階堂ふみ )が出した八丁味噌をまぶした五平餅を、家に遊びに来た福岡県出身の木枯正人( 野田洋次郎 )が一口食べて眉をひそめて皿に戻したり、音の旦那の主人公である福島県出身の古山裕一( 窪田正孝 )も、音が作る八丁味噌の味噌汁を嫌がっていました。八丁味噌は今でこそ全国の人も食べるようになっていますが、情報や流通が今とは比べ物にならないくらいなかった昭和の初めころは、馴染みのない特に濃い味を初めて口に入れた時はビックリしちゃったんでしょうね。

そもそも「名古屋めし」のように、「地方の名前」+「めし」って呼ばれるところって、他にないですよね。

ぼくが新入社員だった1990年代初頭のまだバブルの余韻が残っていた頃は「ジュリアナ東京」などのディスコが流行っていて、お立ち台で派手なセクシー衣装の女性たちが扇子を降って踊り狂っていました。名古屋出張の時に先輩が「KING & QUEEN」というディスコに連れて行ってくれたのですが、 そこの女性たちの服がものすごーーーく過激だったんです。

一番すごかった女性は、キラキラした細長い房がたくさん付いたゴールドのスパンコールの円状のニップレスが胸に貼り付いていたのですが、そのニップレスが乳輪を隠すギリギリのサイズという、ほぼ上半身裸という激しさにめちゃくちゃビックリしました。もはや服じゃない。

東京と大阪に挟まれた名古屋だから、どちらにも負けないぞ!という攻めの気持ちもあって、結果としてこんなに過激になったのかな?と当時は思っていました。

今考えると、食も、東京や大阪、その他の地方に負けない新しいものを創ろうという攻めの精神で、名古屋めしというジャンルは育ったのではないですかね。あくまでも個人的な想像ですが。

3年前にタイで名古屋めしがブームになっているというニュースを見ました。

なんでも、映画『君の名は。』がタイで大ヒットして、多くのタイ人が岐阜県の飛騨高山に聖地巡礼する途中に経由した名古屋に滞在して名古屋めしを食べてSNSにアップしたところ、タイでも名古屋めしが流行って、甘辛い手羽先などの味もタイ料理と通づるものがあったようで、現地人がオーナーの「NAGOYA 名古屋居酒屋」という店もできるほどの人気になったという、風が吹けば桶屋が儲かる的なことでした。

特に名古屋は関係ないのに、『君の名は。』の想定外の経済効果すごいですね。独創性があるからこそ、ハマる時はハマるんだと思います。

ちなみに、ファッションヘルスという本番無しの風俗を発明したのも名古屋なんですよね。これまた名古屋の独創性。


ぼくが名古屋めしの中でも一番好きなのが「ひつまぶし」

1杯目は鰻とご飯で食べて、2杯目は薬味も一緒に食べて、3杯目はお茶漬けで食べるというシステムが素晴らしいし、初めて食べたときは本当に感動しました。

「ひつまぶし」で一番有名で、ぼくも大好きな『あつた蓬莱軒』が「ひつまぶし」の商標登録をしているそうで、発祥とされているその店の「ひつまぶし」の誕生の説は「うな丼のうなぎばかりが食べられてしまいごはんが残ってしまうことに悩んだ末、うなぎを細く刻んでごはんと混ぜることを考案した」 ということです。

最初はそういうことだったのかもしれないけど、「ごはんが残ってしまうことに悩んだ末」というのになんだか違和感を感じて、いろいろ調べたら、

「小さい鰻を使って高い値段を取れるから」

という説を知って、ものすごく納得したんです。

うな重やうな丼で出す鰻は大きくてカタチがきれいなものが喜ばれますが、確かに「ひつまぶし」だと鰻の大きさは関係ないですからね。


焼肉の名店、市ヶ谷の『炭火焼肉 なかはら』が、代官山と秋葉原で『Henry’s Burger』というハンバーガー店をやっているのですが、そこは焼肉店で使用するA5ランクの黒毛和牛をカットした時に出た大量の端肉を挽肉にしてハンバーグを作って絶品ハンバーガーにしているんです。

最高級の和牛を使ったハンバーガーを低価格で出せる秘密はここにあるんですね。

代官山のミシュランイタリアン『TACUBO』でも、薪で焼いた最高級ステーキの端肉を活用したボロネーゼのスパゲッティーをシメに出していて、これがすごく美味しくてメイン料理の肉と並ぶほどの大人気なんです。

◉うな重で出せない小さい鰻を、ひつまぶしに。

◉高級焼肉の端肉を、ハンバーガーのハンバーグに。

◉高級ステーキの端肉を、ボロネーゼに。

目からウロコポロリ

食材の素晴らしいリブランディング。

この発想は、様々なジャンルで使えそうですね。


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