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ゲイが男友達に恋した話③

デートが無事終わって良かった…。
そう安堵の余韻に浸かっている僕に衝撃の電報が届く。

🔷絶望って言葉がぴったりだね

ある日のバイト中、何も知らない後輩がおれにこう言ってきた。

知ってます?
〇〇ちゃんってKくんのこと好きなんですって!

おれはその情報を頭の中で処理して意味が理解できるまでだいぶ時間がかかった。頭が朦朧としている。膝の力が抜けて崩れ落ちそうになる。

こんなに辛いことはなかったんじゃないかな。これまで生きてきて。

しかも〇〇ちゃんというのは僕のバイトの同期、パッとしないならまだしも、それが結構可愛げのある子だったのだ。

終わった。

デート誘うとか絶対やめろよ。
告白なんてしてくれるなよ。

僕の感情はどんどん歪んでいく。

もし二人が付き合ったら、
〇〇ちゃん(Nさん)のInstagramのストーリーには男物のお洒落なカバンがしれっと映り込むのだろうか。バイト中は彼らにしかわからないハンドサインで合図を送り合うのだろうか。

そんなことあってはならない。
おれの人生はもうすでに彼を中心に回っているのだから。

この日のバイト帰りは、自転車を真っすぐ漕ぐことすらできなかった。

🔷絶望って言葉がぴったりだねシーズン2

少し経って別の日、何も知らない後輩がまたもやこんなことを言ってきた。

「あの二人、今度ごはん行くらしいよ」

もうすでに僕の体力ゲージは真っ赤になっている。
あまりにも痛すぎる一撃だ。

おれは彼も同性愛者であるという一縷の望みだけをエネルギーにして生きることにしよう。

そうでないと身が持たない。

ノンケじゃないという僅かな希望に全てを託すなんて、健全じゃないことなんて分かってる。じゃあどうすればいいってんだ。

今度こそ終わりだ。

マイナス発言ばかりがポンポン浮かび、
それを抑えきれないくらいには理性が崩壊していた。

もういっそのこと全てを終わりにしてしまいたい。
そう心の中で思った。

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