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「基礎代謝爆上がり」するって本当に思ってる??

はじめに


なぜか冬の方が目にすることが多い気がします。
「基礎代謝 爆上がり!」

たぶん寒くて動く気もしない季節、この文字を見て思う人が多いのかも?
「基礎代謝さえ上げればじっとしていても体温が上がって、脂肪がメラメラ燃える体になるのに!」

そんな思いに付け込むネットやメディアの情報発信者。
基本的なことも理解していないのかと疑いたくなるフィットネス系インフルエンサーから、本当はわかっているはずの大学教授・医師まで。
ただの無知ならまだマシだけど、嘘の情報に振り回される人のことなど思い遣ることもせず、「目立つ」「バズる」「お金になる」事しか考えない人ってヤバいですよね??

僕のnoteの読んでくださっているみなさんがそんな情報に騙されないように、今回は「基礎代謝」について書きます。

まずは結論ですが
「基礎代謝は爆上がりしません!」

それがなぜなのか?解説します。

そもそも基礎代謝って?

まずは基礎代謝の正確な定義を理解しましょう。

基礎代謝の定義

1. 基礎代謝とは

基礎代謝率(Basal Metabolic Rate, BMR)は、休息状態での心拍、呼吸、体温など、生命を維持するために必要な最低限のエネルギー消費量を指します。

2.計算方法

基礎代謝率は、年齢、性別、体重、身長などに基づいて計算されます。
これは個人の生活習慣や運動量には直接関係がありません。
一般的な公式にはハリス・ベネディクト方程式などがあります。

↓以下のサイトから簡単に計算できます↓

上記の通り、基礎代謝量とは「生命維持のための最低限のエネルギー消費量」を表します。
これが「爆上がり」なんてしたらどうなりますか??
「人は生命維持のためにより多くの食物が必要になる」のです。

人類の進化の歴史は「食物がない」飢餓との戦いの歴史。

我々の遺伝子は「基礎代謝を無闇に上げない」からこそ、今こうして生き残っている。
太古の昔は今よりも「生きるために必要な活動量が多く」「それなのに食物は少なかった」からこそ「基礎代謝を上げないようにして」厳しい環境でも生き抜いてこれたのです。

だからそう簡単に「基礎代謝」は上がったりしないのです。


「基礎代謝爆上がり」表現の問題点

1. 誇張された表現

「基礎代謝爆上がり」という言葉は、基礎代謝率が劇的に増加することを示唆しています。
しかし、上記の通り実際には基礎代謝率は安定しており、短期間で大幅に変化することはあり得ません。

2. 間違った理解

このような表現は、特定の食品や運動が基礎代謝率を大きく変えることができるという誤った認識を広める可能性があります。
実際には、基礎代謝率の変化は比較的小さく、もし上がったとしても長期的な生活習慣の変更によって徐々に変化するものです。

3. 現実的な影響

基礎代謝率の増加は、主に筋肉量の増加や体組成の変化によって生じます。
適切な運動や生活習慣全般の見直しにより基礎代謝率を健康的な範囲で改善することはありますが、これは「爆上がり」と表現されるほどの急激な変化ではありません。

4.深層心理への影響

「基礎代謝 爆上がり」というような表現に惹かれる人の心理には
・日常的に生活の中で体を動かすことをしたくない
・食事の質と量を見直すことはしたくない
・できるだけ短時間の努力だけで成果を出したい
・楽をして脂肪を燃やす体になりたい
などの思いがあると考えられます。

その人たちの期待に応える表現をすることで一定以上の支持者からの反響を得ることができるので、メディアもSNSも誤った情報を発信します。
しかし思ったような効果を得ることはできません。

その時に失敗した人たちは「基礎代謝の計測」をするわけではないし、基礎代謝について調べるわけでもないので「基礎代謝 爆上がり」という表現に誤りがあるとは思わず、「自分のやり方が悪かった」「続かない自分が悪い」「自分には合わなかった」などと考え、また違った安易な方法を試すようになります。

私見ですが

そう考えると基礎代謝に関することだけでなく、昔からさまざまな「ダイエット法」「健康法」「トレーニング法」が現れては消えていく原因はいつも同じであるように思えるのです。

でも代謝量は上がります!

つまり総代謝量=総エネルギー消費量を増やすことはできます。

総エネルギー消費量は、
1.基礎代謝量(約60%)
2.食事誘発性熱産生(約10%)
3.身体活動量(約30%)
の3つで構成されています。

そのうち、基礎代謝量は体格に依存し、食事誘発性熱産生は食事摂取量に依存するため、個人内での変動はあまり大きくありません。

総エネルギー消費量が多いか少ないかは、身体活動量によって決まります。

つまり「動こう」ってことなんです。

最初にお話しした通り「人類は多くの運動をすることで、少ない食物を得て、飢餓を乗り越えてきた」のです。
だから「あんまり食べずに動く」ようにできている。
好きなものを好きなだけ食べて、ちょっと動いただけで、ジッとしていてもカロリーを消費する体になんてなれないんです。

これが現実。
でも現実から目を背けることで多くの失敗や弊害が起こると思いませんか??

僕はみなさんにそんな失敗はしてほしくないんです。

だからこそ「甘い言葉」でみなさんを誘導して読ませたり買わせたりバズらせたりはしません。

これからもリアルで、そして役に立つ情報を発信しますので、興味のある方はぜひフォローしてお持ちください。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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