見出し画像

連載『オスカルな女たち』

《 大切な・・・・ 》・・・10

なにが! あぁ、イライラする」
 なにをしたいのかが解らない…と言った様子の真実(まこと)に、
「いや、なんとなく。…それより、もう休みに入ったんじゃねーの?」
 様子がおかしいことを察した佑介は、思いつく限りの会話を投げかける。
「あぁ。そうだけど…? 病院が休みだからって患者はいるんだよ」
「じゃぁ今すれ違ったのは見舞いか?」
「あ? 見舞い?」
(織瀬…か?)
「いや、まぁ、そうか」
 頭をかきながら、佑介はなにか勘づいたようだった。
「なんだよ、歯切れわりぃな。…なんかしたのか?」
 訳も解らず身構える。
「なにもねーよ。ちょっと目が合ってお辞儀されただけだ」
「そうか」
 ほっとしてやっと動きを止めた真実は、 
「かわいかっただろ…?」
 イヤな目つきで、あえて自分から振ってみる。
「うん…。ぇ、あぁ…オレは全然、真実の方が」
「そういうことじゃねーって。前に言ったろ?」
 普段ならそんな煽るような真似はしない。
 だが、なんだか今はむしゃくしゃしていて絡みたくなったのだ。
「え? かわいい? それって…」
 今すれ違った彼女を言っているのか…と、目で訴える。



*初めから読み返したい方はこちらからどうぞ( *´艸`)

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです