連載『オスカルな女たち』
《 まったくありえない 》・・・15
「え? どういうこと?」
わけが解らないままに秋山を見遣るが、当の秋山は既にここにいることすら苦痛なのか、
「で、では、また来週伺います」
そう勢いよく体を倒し、言葉を残してさっさと店を出て行った。
「はぁ…なんなの、あれ」
面白いひとね…と、ひとまずカウンターに入るつかさに、
「解ってない…のね、つかさ」
呆けた顔のまま玲(あきら)は吹き出す。
「え?」
「いいわ、ゆっくりやってて」
笑いをこらえながら、秋山の車を見送る。
「お気の毒様…」
「え、なぁに?」
ゆっくり…と言われたつかさは、特に急ぐ用もないことから、玲の気遣いだろうとそのままを受け止め、
「あぁ、急に玲が来たから、彼、緊張しちゃった?」
と、とんちんかんな返しをする。
「緊張には変わりないと思うけれど。つかさ、半分間違ってるわよ」
真顔で答える玲。
だが。それすらもつかさには通じない。
初めから読み返したい方はこちらからどうぞ( *´艸`)
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