のぞく月

そわそわ・・・

夜、そわそわする
なにか、予感のようなものを感じて
どこかに行きたくてそわそわする
だれかに逢いたくてそわそわする

化粧をしてみる
誰かが来た時のために、お気に入りの服を用意して
鏡に向かってそわそわしている
そんな夢を見る

窓を開ける
窓を開けて、車の音に耳を傾け、電話の音に耳を澄まし、鏡を見る
そわそわしている…けれど、誰も来ないし、電話もならない

雨なんか降っていると、もっとワクワクする
屋根を叩くしずくの音が足音に聞こえてくる
ベッドの中でいちいちビクビクしているけれど、雨音が足音のわけはない
それでも窓に目を向ける

人影が見えないかと窓を見る
泥棒だとは考えない
それでもだれも来ないし、雨音が足音に変わることはない
そんな夢を見る

そわそわしている自分を見る
とても滑稽、とてもばかばかしい
でも、そんな姿をだれかが見ているわけでもない
見られていたら恥ずかしさに消えてしまいたくなるだろう

わたしはいつも主役でいたい
それは自分の人生だけれど、それでも全然脇役のような気がしてる
自分の人生の中ですら、脇役でしかない

だれもこない
だれかが来たら、きっとものすごく驚く
だけど嬉しさも増すだろう

最初は泥棒かもしれないと、戸惑うかもしれないけれど、
だれかが来てくれて、そのだれかと話が出来たら、きっと素敵な夜になる
だからそわそわしている
だからだれかを待ってる
そわそわ…と、ワクワク…と、ビクビクしながらそんな夢を見ているのだ

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです