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「神は妄想である」リチャード・ドーキンス著 書評

「全ては遺伝子のなせる業」と謳ったリチャード・ドーキンスについて、ドゥ・ヴァールの書評の中で引用したので改めて彼の宗教関連本=無神論原理主義の著作紹介。

本書「神は妄想である」は、宗教、特にキリスト教について、科学的見地、特に進化論的見地から、ありとあらゆる方法で、キリスト教の「神」がフィクションであることを証明しようとしています。

結構分厚い本なんですが、本の半分ぐらいは真面目に、半分以降は斜め読みしました。というのも、自然科学的視点からは明らかにフィクションである「神」をここまで扱き下ろさなくてもいいんじゃないですか?という感じでマイナスイオンだしまくりなので、読んでて気分が良くないからです。

どうやって神を否定したらよいか?そのあらゆる手法は、感嘆すべきではあるものの、これだけやられると食傷ぎみ。

「もうわかりましたドーキンスさん、もういいじゃない」

でもここまでやらないと、特に米国の熱狂的なキリスト教徒の人を論破できないと思ったのでしょう。でも他人の信仰は論破できないし、論破しようとすること自体ナンセンス。

ヨーロッパよりもキリスト教が盛んなアメリカは「ノアの箱舟まで作ってしまうほどキリスト教信仰心にあつい。

大統領選挙でもキリスト教徒の支持がないと当選できないし、自身キリスト教徒(特にプロテスタント)でないと当選しないと言われています(しかも唯一のカトリック教徒がケネディ大統領で、バイデンが大統領になったら2人目)。

共和党と宗教保守票(名古屋市立大学 松本佐保教授)

因果律から逃れられない人間は、因果律で解決できない場合に「はいそれで終わり」では「心が成り立たない」人も多い。科学(医学含む)や学問で解決出来ないことに対して、何らかの解決策が欲しくなる訳で、その場合に宗教は「心の平安」を提供してくれます。

我々は「正しいか間違っているか」よりも「心の平安」の方が大切

なのです。

いずれにしても宗教でしょうが無神論でしょうが教条主義はやめといたほうが良いのかなと思います。

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