ショート「ワレワレハウチュウジンダ」
「毎年飽きずによくやるね、それ」
もうすぐ八歳になる娘はオンボロ扇風機を前にして、楽しそうに話しかけている。
「ワ・レ・ワ・レ・ワ・ウ・チュ・ウ・ジ・ン・ダ」
響いて聞こえる自分の声にとても満足げな顔をしている。
田舎の夏っていうのは風鈴の音とか、セミの声とか、そういう風情があるものだが…
この宇宙人のせいで台無しだ。
「なんでこんな風に聞こえるの?不思議!」
扇風機の前でしゃべり続けているから、ずっと声も響いたままだ。
「感謝しないとな」
「え?」
「こんなに暑い中、働いて