【詩】『コンクールなんて大嫌い』
市民会館の二階席 パンフレット丸めて
照明が当たる前のステージを覗き見る
バストロンボーンの一年坊主は
あぶなっかしい足取りで席に着いた
プールが気持ちいい季節になると
いつも待ちぼうけ
わたしの大好きな季節を台なしにして
こんな薄暗い場所の片隅に追いやって
これが終わるまで 夏が終わるまで
あなたを夢中させる
コンクールなんて大嫌い
演奏が終わった あなたの頬が
きらっとしたのは気のせいじゃないよね
わたしは拍手したよ 心から
図書館のあの場所で待ってる
夏が終わってしまう前に
見ようねって言ってたホラー映画
まだ間に合うみたい
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