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TSMCの第二工場、熊本に建設決定

2024年に熊本県菊陽町にて稼働予定の台湾TSMCの子会社JASMに続き、第二工場も熊本県に建設されることが決まった。

TSMCの経営トップの劉徳音董事長は「土地はまだ取得段階だが、恐らく(熊本県に建設中の)第1工場付近に設けることになる」「日本政府が第2工場を望んでおり、(新工場への)補助金が検討されている段階だ」語り、 日本政府がTSMCの投資を望んでいると強調した。


TSMCの工場誘致は日本の産業を救わない

しかし、日本政府はなぜ新工場建設をそこまで推進するのだろうか。

参政党の神谷宗幣議員が令和5年4月7日に参議院に提出した質問主意書によると、政府は、生産技術が保持でき、次世代技術開発が可能な国内企業ではなく、外資系企業に5000億円という補助金を国民の税金から差し出しておきながら、TSMCが国内企業に優先的に半導体を供給することも強制できず、半導体が過剰供給状態になっても対応策を特に持っていない、ということが明らかになった。

つまり、日本の産業が半導体不足であっても、JASMやTSMC第二工場は日本企業に優先して供給もしないのだ。
さらに、2024年以降、半導体は供給過剰に転じるとの見方もあるが、その対応策も無いまま、投資だけがバンバン行われている状態なのである。


台湾の専門家「TSMCは日本の半導体産業を潰すことが目的」

さらに、台湾の『中時 新聞網』によると、台湾の金融の専門家であるZhang Zhongmou氏は、TSMCがアメリカや日本に工場を建設する真の目的は、ライバルであるインテル社を一掃し、日本の半導体産業を抑圧するためである、と分析しているという。同氏は、TSMCは、アメリカや日本の半導体政策の補助金を獲得することで、敵の企業に回る補助金を減らし、世界の半導体シェアを独占し、TSMC一強の構図を目的としていると述べた。

つまり、この分析が事実ならば、日本政府は日本の半導体企業を潰そうとしている企業を、わざわざ5000億円もの国民の税金を払って誘致したことになる。


 TSMC熊本工場では台湾人と日本人に待遇差

経済産業省は、JASMだけで直接雇用1700人を含めた7500人の雇用効果があるとし、熊本県や九州に半導体関連産業の進出が相次げば、大きな雇用効果が見込めるとしている。

しかし、『DIAMOND ONLINE』によると、実際にTSMCが欲しい日本人人材は、作業員以下レベルのワーカーだけなのではないかという。つまり、TSMCの熊本工場では、半導体産業の将来を担うハイスペックな人材ではなく、「安い労働力」としての人材の供給だけを期待されているのだ。同記事内では、年収2000万円以上がTSMCで働く台湾人の平均的な年収であるが、日本人採用でそのレベルを超えることは難しいだろうと言及されている。

実際に、JASMが直接雇用する1700人のうち台湾のTSMCからの出向者約300人、ソニーからの出向者約200人である。新たに採用する日本人約1200人のうち1000人程度はアウトソーシング企業が供給するワーカー採用になるとみられ、相対的には低賃金労働者だ。残された日本人枠の100〜200人は、新卒・中途採用でまかなうとしているが、採用される人材は英語で台湾人とコミュニケーションをとれるということを重要視されており、半導体産業への知見が重視されているわけではないという。

つまり、将来、日本の半導体産業に貢献できるような日本人が育っていく見込みはないのである。


次々と外国資本に売却される熊本の土地

今回のTSMCの工場誘致によって加速し、菊陽町の土地を求めて海外投資家からの問い合わせが急増しているという。菊陽町は土地バブルに沸いているが、この経済効果など日本人にとっては一時のものである。中国資本の土地の爆買いによって地価や家賃が上がり、日本の若い世代が土地や不動産を購入することが不可能になるため、地域の日本人がどんどん減っていく現象が起こるだろう。そうなれば、町全体が中国化していくことになる。

「土地」が外資に取得されることは、日本の「領土」の侵害であり、国家の存続にかかわる。一度、売買契約が成立して所有権が移れば、何に利用するのか、どう開発するかは所有権者の自由だ。つまり、日本国内であるにも関わらず、どのように開発、利用されても、もはや手遅れ。文句は言えないのである。


守ろう!私たちの町

日本政府が、日本の産業に優先的に半導体を供給しないばかりか、日本の半導体産業を潰すために日本に工場を建設すると台湾で分析されているような企業の日本進出を望んでいることに非常に不信感を抱く。

そればかりか、熊本県の大切な水資源を膨大に汲み上げ、莫大な電力を使用し、甚大な環境汚染と健康被害をもたらす。さらに、土地や労働力も外資にむしり取られる。

声を上げ、自らアクションを起こさなければ、熊本の美しい自然も、安全な食も、健康な体も、子供たちの未来もどんどん失われてしまうだろう。



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