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【サイコグラフィックデータ活用事例】インパクトホールディングス様

サイコグラフィックデータ×GISで、
生活意識や購買傾向を、エリアや店舗単位で把握。
どこで販促すべきかロジカルに可視化できる。

「売場を元気に、日本を元気に、そして世界を元気に!」を事業コンセプトに、消費材メーカーや流通小売店舗におけるフィールドマーケティングサービスを提供するインパクトホールディングス株式会社様。販促強化店舗の抽出に、当社GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer🄬 5」や各種統計データ、消費者ライフスタイルデータをご活用いただいています。営業統括本部の坂本様、直井様に、実際の活用についてお話を伺いました。

営業統括本部 営業本部 坂本 創様(お写真左)
営業統括本部 データマーケティング部 直井 陽菜様(お写真右)


‐システム&データの導入経緯について

坂本様:
ともすると勘や経験に頼りがちな販促企画において、客観的な根拠に基づいて戦略的なフィールドサービスを提供していく部署なので、データ分析は業務の要となります。
MarketAnalyzer🄬 5(以下、MKA)を導入する前は、自社でオープンデータをかき集めて商圏分析をしていたのですが、データのメンテナンス頻度が一定ではなく、また粒度が粗かったリと、クオリティの面で少し課題を感じていました。
 
当時は市区町村単位でデータを見ていたのですが、その粒度だと、例えば「渋谷駅前」と「神宮前」のドラッグストアの商圏データ(そのエリアにいる人の属性)が同じになるといったこともありました。肌感でも分かるとおり両店舗の商圏構造は違うはずなので、現実との乖離を感じていました。もっと細かい粒度で商圏を見たいと思うようになり、MKAの導入に踏み切りました。

‐導入の決め手は何でしたか?

坂本様:
それまでできていなかった町丁目単位やメッシュ単位での商圏分析ができるというのは大前提として、居住者の詳細なプロファイルがわかるジオデモグラフィックデータや生活意識などのサイコグラフィック要素までわかる消費者ライフスタイルデータを使ったエリア分析ができる点が大きな要因です。


販促強化店舗を抽出するうえで、どんなライフスタイルや購買傾向の人が、
店舗周辺にどの程度いるのか、データで把握できるのは最大の強み。

‐どのような業務でご活用ですか?

直井様:
販促強化店舗の抽出にMKAを活用しています。
店舗周辺の居住者の特性や意識傾向をデータで数字としてとらえられる点は、どこで販促すべきかを考えるうえで大きなメリットになります。
 
分析フローとしては、まず最初にクライアントの販促対象となる商品のターゲットをヒアリングし、次にターゲットにあったエリアをMKAで選定して、該当エリアにあるポテンシャルの高い店舗のリストを作成する流れです。「店舗DB」という私たちの独自データと、MKAに入っている商圏情報(統計データ等)を掛け合わせてポテンシャルを計り、店舗リストを作成します。
 
「生活者インサイト」を分析する指標のひとつとして、商圏内の居住者特性を表す「c-japan🄬」と「生活意識データ、購買カテゴリーデータ」を活用しています。

データ活用イメージ

坂本様:
数万を超えるような店舗のある業態は珍しくありませんが、全店舗に販促をかけるのは現実的ではなく、その中の10%で販促を実施したいというように、販促重点エリアは絞り込みを行うことが大事。より製品ターゲットに届く確率の高い、効率のよい店舗を選ぶ必要があります。確度の高いエリア(店舗)の抽出に、MKAの様々なデータが役立っています。

‐活用メリットおよびお客様の評判は?

坂本様:
町丁目やメッシュ単位で商圏把握ができ、より解像度の高いターゲティングができるようになったため、クライアントへの提案資料のクオリティが上がりました。
 
とある食品メーカー様への提案で、オートミールやシリアルについての購買意識データを使い、ニーズにマッチする販促エリアを抽出したのですが、お客様に「そこまで細かいデータがあるんですね」と驚かれました。
私たちのクライアントはメーカー様が多く、まず製品ありき(例えば、高価格帯シリアル等)でターゲティングを行うことが多くあります。そのため、多岐にわたる具体的な商品について、購買意向が高い層のペルソナとその層が多く住むエリアを可視化できるのはありがたいですね。

オートミール×シリアル製品の購買傾向を商圏内で可視化した例
※インパクトホールディングス様の分析画面ではありません。

直井様:
メーカーの方々も、このような意識データはアンケートで取ったことがあるものの、実際どう活用していいかがわからないという声も多くあるようです。MKAではエリアと意識データを紐づけられるため、「オートミールの購買意向が多いエリア」といったように、店舗をセグメントする条件のひとつとして活用できます。


c-japan🄬の具体的なセグメント像の活用により
「顧客理解が進み、ターゲットの解像度が上がった」と、
クライアントからの評価も上々。

直井様:
実際に、顧客ペルソナの解像度がより上がったという点で、クライアントからも評価をいただいています。
c-japan🄬は35のセグメントで居住者のライフステージや価値感を把握でき、「この店舗の商圏では、“老後の豊かなシニアライフ”のセグメントが多い」といったことが分かるため、顧客理解が進み『ターゲットにあった店舗の抽出・提案』に役立っていると思います。

c-japan🄬 ハンドブックより
「D2:老後の豊かなシニアライフ」レポートイメージ

他には、データのメンテナンスの工数が以前より減ったこともメリットと言えます。ツールの使い勝手がとてもよく、データの項目を選ぶだけでそのままエクセルに出力できるので作業がスムーズになりました。


‐サイコグラフィックデータの重要性とは

直井様:
私たちの仕事では、クライアントとなるメーカー様のターゲット層が多い店舗を、なるべく具体的に、ロジカルに提案する必要がありますが、生活意識や購買傾向のデータがあるとターゲットのペルソナが明確になるだけでなく、そのターゲット層がどこに多くいるかまで分かります。
 
例えば、「健康意識が高い人」をターゲットにしたときに、以前までは『健康食品に対する支出額』等を抽出条件としていました。しかし、支出額の多さが必ずしも健康意識の高さと等しいとは言い切れず、あくまでニアリーイコールの提案になってしまいます。
購買カテゴリーや生活意識のデータを投入することによって、意識+購買行動を把握でき、より「健康意識が高い」層が多くいるエリアを具体的に出せるようになったと思います。


「心理的な側面を深堀りした、よりリアルな顧客像を条件に、
販促強化エリアを抽出できないか」そう思っていた矢先
サイコグラフィックデータ活用のセミナーを聞いて、
まさにこれだと感じた。

坂本様:
以前、とあるお客様から「もっと定性的な条件で、販促重点エリア抽出できないか」という声をいただいたことがありました。例えば、ちょっと見栄っぱりで、ちょっと食に対する意識が高く、高価な食材を背伸びして買うような層は割といるので、そういった層をセグメントできないか、といったご要望があった時に、従来のオープンデータや統計データだけの分析では限界があると感じました。

何か心理的な側面をもっと深掘りできないか、という課題を持っていたところ、技研商事インターナショナルのセミナーに出てサイコグラフィックデータも扱っていることを知り、「まさにこれだ」と思いました(笑)。すぐにトライアルして、これならお客様の要望に応えられる分析ができそうだと思い、導入に至った経緯があります。

‐サイコグラフィックデータの活用アドバイスは?

直井様:
c-japan🄬は、「このエリアに、こんなライフスタイルの人が多い、住んでいる」というだけでなく、「何人くらいいるか」まで出すことができます。数値で具体的にポテンシャルを示せるというのは、立地にかかわるビジネス戦略を立てる際に大いに役立つのではないでしょうか。
 
とはいえ、MKAはいろいろな分析機能があるため、まだまだ私たちも使いこなせていない部分が多い気がしています。今は、店舗に「c-japan🄬」の属性(セグメント)を紐づけることをメインにやっていますが、今後はセグメントと生活意識や購買傾向のデータを掛け合わせたような、新しい提案をしていければと思っています。
 
 
(取材月:2024年6月)


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