年末に干し芋をかじっていたら、奥歯の詰め物がとれてしまった。
仕方ないので、歯医者さんへ駆け込んだ。
実はこの歯医者さん、旧友のやっているクリニックで、随分昔のことになるが、以前改装のお手伝いをさせて頂いたことがある。
久しぶりの来訪となったが(飲み屋ではないので(笑 )、
つたない設計のうえに、お店をやりながらの作業だったので、全く要領を得ず、
誠にもってご迷惑をおかけしたにも関わらず、
今でも大変綺麗に使ってもらっていて、
光栄の至りである。
ところで、
飲み屋に限らず、医院といえども、やはり「店構え」というのは重要である。
いくら腕がいいとはいっても、そもそもお客さん(患者さん)に入ってきてもらわなければ話にならない。
それもあって、改装に踏み切ったのだと思う。
聞くところによると「あの改装をしてから客層(患者層)がガラリと変わった。」
そうである。
それがご本人にとって、良いことだったのかどうか分からないが、
(良いことを願うが)
そういうことは、往々にして起こりうることだと思う。
「顔」は店の成りを表す。
当然の話だ。
◆
最近、変な癖がついてしまっている。
いけないなあ、と思いつつ、ついつい習慣になってしまっている。
それは、映画でも音楽でも小説でも、観る聴く読む前に、その作家の「顔」を見てしまうのだ。
「画像検索」が容易になったことが、主な要因かと思うが、どうしても拝聴する前に、その作品を、どういう人が作っているのか、見たくなってしまう。
酷い時だと、先に顔を見て、「あ、これは合わないな。」と言ってやめてしまう。
全く失礼な話だ。
いや、やれイケメンだとか美人だとか、そういう話ではない。
例えば、先日亡くなられた山田太一さん。
亡くなられたから言う訳ではないが、決してイケメンの部類ではないと思われる。(本当に失礼!!)
でも、どことなく安心して文章に身を委ねられる雰囲気が、僕には感じられた。
僕は自分のことを人一倍「クヨクヨ」するタイプだと思っているが、山田太一さんのお顔を拝見していると、「あなたのクヨクヨなんて、とっくに僕は経験済みで、全部先にクヨクヨしておきましたから」と言われている様な気がするのだ(笑。
「そんなの私、昔からそうよ。」という方もおられるのかもしれないが、
僕の場合、そこまで酷くなかった気がする。歳を経て「相性」の様なものが分かってきたからかもしれない。今ではすっかり先に「顔」を探す様になってしまった。
「人は見た目で決めつけてはいけません」
というのはごもっともだが、やはりそれは
「人は見た目で判断してしまう」
生き物だからだろう。
◆
そう言えば、この「note」やその他の SNS に使っているヘッダーの写真。
ホームページを開設した2015年のままなんですよね。
かれこれ10年前。
変えなきゃなあ、と思いつつ、今ではカウンターの上にはアクリル板、店主の口にはマスクと、すっかり様変わりしているので、
「本当はこういう店だったんです!!」
という証拠写真として、置いておきたい気もしている。
事実詐称かなあ(笑。
神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
「親知らず、今のうちに抜いとけ!!」って言われてるんですよねえ(怖。
お待ちしております。
Perfect Day / Povo Ft. Trine Lise Vaering
Raw Fusion Recordings
2008
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)
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