「炒飯」がその日の機嫌を決める
さて、「緊急事態宣言」もようやく解除され、約2ヶ月半に渡ったノンアルコール営業にも、一旦終止符が打たれました。
ただ、営業時間的には、夜9時まで(お酒の提供は夜8時まで)、内容的には、アクリル板や間隔を空けての席のご利用など、依然制約も多く、まだとても「通常通り」というわけにはいかない状況です。
それでも、やはり、少しでもお酒を出せるのは、当然ながら BAR としては有難いことなので、これからも徐々に快方へ向かえるよう、感染対策に努めて営業して参りたいと考えております。
さて、宣言解除になったとはいえ、通常営業の夜12時までと比較すると3時間も早い閉店(開店は1時間早めて夕方4時から)なので、その時間を利用して、再び「note」での宣伝活動(武者修行??)をしたいと思います。
いわゆる「note 合宿」(笑。
とは言っても、相変わらず、ネタはとっくに尽きておりますので、前々回「ナポリタン」、前回「フルーツサンド」、ときて、またくだらない話、「炒飯」で始めたいと思います。
※
1日の機嫌を決める重要な要素がある。
「炒飯」が上手くいったか、いかなかったか、だ。
無類の「炒飯」好きである。
冷蔵保存していた白米が、古くなるとすぐに「炒飯」にする。
炊きたてよりも、この少し水分が抜けて、古くなりかけた白米でやる方がいい。
一口に「炒飯」といっても、とても奥が深い。
長年作り続けてきたが、究極的には「フライパンの温度」と「油の量」がもっとも大切だとわかってきた。
具材は何でも構わない。
僕はいつもシンプルに、「ねぎ」「卵」「ベーコン」で作る。
気まぐれで、キムチや梅干し、ちくわや高菜などを入れることもあるが、基本水分量にそれほど影響を与えないものならば、何でも構わないと考えている。
そんなことよりも、やはり基本は「フライパンの温度」と「油の量」である。
うちは、店で使っている「ダッチオーブン」に倣って、家でも「スキレット」といってダッチオーブンのやや浅型のフライパンに近い形状のものを使っている。
それでも、鉄の厚みは普通のフライパンよりはるかに厚いので、火を通すのに相当時間がかかる。(だが、いったん火が通るとなかなか冷めないので、ちょうど中華屋さんの強力な火力の五徳の代わりになると思っている。)
これを、数分から十数分(!!)かけて火を入れる。
ここが大事である。
ここを焦って、まだ完璧に温度が上がらない状況で始めると、間違いなく米が鉄の表面にこびりつく。
腹が減っているときに、こらえどころである。
そこを我慢して、完全に火が通ったら、今度は逆に火を落とす。
こうすることで、卵を入れたときに焦げすぎるのを防ぐことができる。
火を通すのと同時に入れる「油の量」は結構多め。
具材が油を吸うので、それを見越した油の量が必要になる。(が、多すぎるのもいけない。これは入れる具材の種類にもよるので、難しいところ。)
卵を入れたら、間髪入れずに米・ネギ・ベーコン、その他の具材を一気に投入。
一旦火を弱火にし、塩・胡椒・鶏ガラスープの素などの調味量を入れる。(火を弱火にするのは、この時間に焦げつくのを防ぐため。素早く出来る自信があるならそのままでいい。)
スキレットは絶対にゆすらない。(重いのでどのみち無理ではあるが。)
家庭用コンロの火力では、火をいたずらに離してしまうのは得策ではない。
醤油はまだ。
最後の最後に回し入れる程度でいい。
その方が香りもいい。
そして、それより何より、最終目標は、
「フライパンに一粒も米が残らない」こと。
テフロンでない、鉄のフライパンでこれをやるのは、結構難易度が高いと思う。
綺麗に全て皿に移された「炒飯」は、もう食べる必要がないくらい評価は決定的だ。
後の洗い物も楽々。さっと布巾で拭けばいいくらい。
そう、中華屋さんのピカピカの黒光りの中華鍋のあの鉄の表情だ。
これができた時は、その後、しばらく機嫌が良い。
そう。「単純」なのだ。
でも、そんな「単縦」なことで、機嫌が決まるなら、
気長に「火の通り」を待つのも、悪いことではないのかもしれない。
なんてことを考えながら、「チキンライス」を作っていたら、失敗してしまった。
※
神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
今週もよろしくお願いします。
お待ちしております。
I AM DRIFTING / JOSEPH MALIK.
Compost
2002
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)
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