本日の読書 #041 「デジタルな嫉妬」
参考書籍:『スマホ脳』 アンデシュ・ハンセン
第六章 SNS ―― 現代最強の「インフルエンサー」 より
デジタルな嫉妬。
現代は紛れもなくSNS全盛期だ。
自分の競争相手は家族やクラスメートに限らなくなった。
SNSの中には自分より生活水準が高く、整った顔立ちで、フォロワーの多い人間がいくらでも居る。
結果として、楽しむために見ているハズのSNSが、無下限の「デジタルな嫉妬」生成装置となってしまう。
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私が学生だった頃、SNSと呼べそうなものはmixiぐらいだった。
それは学校の延長でしかなく、クラスメートの投稿に対して反応するのが主な使い道であった。
当然「デジタルな嫉妬」が湧き上がることも無かった。
今の子達は大変だ。
2017年の流行語大賞となった「インスタ映え」。
ここから始まった承認欲求と自己実現欲求の枕投げゲームは収束を迎えたように見えたが、最近は「BeReal」というSNSが流行っているとか。
これは名前の通り「今の自分」にフォーカスしたSNSだ。
BeRealは「インスタのように写真を盛れないのが良い」と若者に評価されているようだ。
しかしそれはイコール、「差を埋められない」「逆転できない」ということではないのだろうか。
「ありのまま」を重視することが、かえって「デジタルな嫉妬」を増幅させてしまう気がする。
noteというSNSは、かつてのmixiのような居心地の良さを感じる。
「デジタルな嫉妬」ではなく、「デジタルな尊敬」や「デジタルな憧憬」が生まれやすい、この世界観が気に入っている。
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