全文公開 『左利きの息子を右利きの私が育てるにあたり』 その1
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本記事は私の実体験を元にして書いています。
このnoteでは、全文を無料で公開していきます。
最終的には一冊の書籍として出版することを目指しています。
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はじめに
「ばぁばばが、ユウタの左利きを矯正したがっているんだけど…」
これは、私の息子であるユウタ(仮名)がまだ3才の頃、妻から言われた一言です。
「あ、えっ?……な、なんで?」
そのとき間の抜けた返事をしたのを、3年が経過した今でも覚えています。
皆様はじめまして。私は「みどり」と申します。
山々と田園に囲まれた地でスローライフを送りながら、妻や息子、娘と一緒に暮らしている、ごく平凡なサラリーマンです。
2024年12月の現在、私は30代半ばで、息子のユウタは5才、娘のアカリ(こちらも仮名)は2才です。
ユウタが「左利き」であることに気が付いたのは、彼が1才になったぐらいのタイミングだったでしょうか。
私自身は右利きで、それまで家族にも左利きは一人もいませんでした。
生活の中で出会う「左利き」の人は複数いたものの、せいぜい「食事をするときの席取りが不便そう」とか「卓球の大会で当たると厄介な相手」ぐらいの印象しか持ち合わせていなかったのです。
だから冒頭の出来事があるまでは、彼の左利きに対して深く考えることもなく日々を過ごしていました。
妻によれば、私から見て義理の祖母に当たる、ばぁばば(ユウタのひいおばあちゃん)が、ユウタの左利きを矯正すべく、右手に持ち替えさせて書かせている、という話でした。
ああ、そういえば人生のどこかで出会った右利きの人から「俺、本当は左利きなんだよね。昔、利き手を矯正されたから」という話を聞いたことがあったかもしれない。
ぼやっとそのようなことを思い出しながらも、私はこの件に対して、何かしらのアクションを起こす必要性に迫られました。
それは「容認」と「拒絶」のいずれかになるわけですが、どちらを選ぶにしても、しっかりとした根拠が必要だろう。
こうして私は、「左利き」について学習することにしたのです。
複数の書籍を読むと、左利きの人々が歩んできた歴史と、息子がこれから歩むであろう生活、そして左利きが持つ無限の可能性について知ることができました。
本書はその顛末を書き起こしたものとなります。
次回
第一章 「矯正してあげないと可哀想」?
第一節 「あっ、この子、左利きだ」
へ続く
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それでは、また。