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本日の読書 #034 「日本にスギ花粉症が多い理由」

参考書籍:『森林に何が起きているのか』吉川賢

第四章 変貌する日本の森林──持続的な利用をめざして より

作成した読書記録より引用。

日本にスギ花粉症が多い理由。

日本は花粉症大国だ。
環境省の発表によれば、日本人の約3人に一人がスギの花粉症を発症しているらしい。

『花粉症環境保健マニュアル2022』より。


じゃあ、なぜそんなに花粉症が多いのだろう。
それは日本にスギの木が多いからだ。


じゃあ、なぜスギの木が多いのだろう。
それは日本が戦後にスギの木を植えまくったから


林野庁HPより引用


つまり日本は、自ら植えたスギによって、図らずも国民病を作りあげてしまったことになる。

話はこれだけで終わらない。
本書を読んで、衝撃を受けた。

もともと日本にはブナの木がたくさんあった。

ブナは木材として使いにくいから、1950年代から一斉に伐採した
そして木材として需要のあるスギやヒノキに植え替えたのだ。

結果として、野ネズミやリスが越冬するのに必要な「ブナの実」は失われ、森林の治水力は低下し、国民は花粉症に悩まされることとなった。

しかも極めつけは、昨今は逆にブナの需要が高まり、日本はなんとブナを海外から輸入しているというのである。

うーん。

それはちょっと、残念な話だなあ。


そうやって考えると、白神山地の「ブナ原生林」が世界遺産に登録されていることも、違った目線で見えてくる。


自然に対して、人間が自分たちの都合で手入れしてしまうと、こうしたしっぺ返しを食らうことになるのだなあ。

#本日の読書
#森林に何が起きているのか
#吉川賢

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