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【猪口由美の明日につなぐ食 vol.6】 「頑固餃子」ストーリー 職人の手作業による唯一無二の味



出会い

とある食品の展示会で目に留まったのは、とても丁寧に試食用の餃子を焼いている生産者さんでした。たぶん、この人が作る餃子は美味しいはず、とバイヤーの勘が働く。「少し待ちますけど、いいですか?」と言われ、焼き上がりまで2、3分待ってから試食。皮も餡もとても美味しくて、待った甲斐があったと嬉しくなったのを覚えています。

美味しさの追求

生産者の蜂屋和彦さんは、宮城県で餃子を製造する会社の4代目。地元を中心に多くのお客様に愛されてきた餃子の味を守る一方で、先々代のおじいさんが満州に渡って学んできた大陸式の餃子の味をいつか形にしたいと思っていました。

そんなときに出会ったのが、安全で美味しい食品を提供することを目的とした“生産者の会”でした。原材料を厳選し、添加物を使用せず、お客様が安心して食べることができる食品を作るために切磋琢磨する作り手の姿勢や会の理念を知り、それまで心の中で寝かせていた思いが大きく動き始めました。

しかしながらいざ作り始めると、苦労の連続でした。中国ではキャベツやニンニクは使わずに白菜を使います。ところが、これまで材料として使ってきたキャベツと白菜では扱いがまったく違うことに驚きました。白菜をカットするための機械を導入したものの、どうしても試作でOKとなった味と食感にはならない。
結局、人が手でカットする以外に美味しく作る方法はないという結論になり、どんなに大量であってもすべて職人の手で手切りを続けています。

材料へのこだわり

豚肉は同県で育てられている銘柄豚を選び、手切りした白菜と玉ねぎ、生姜、ネギと共にしっかりと混ぜ合わせていきます。もちろんこれも職人の手作業。味を追求するには、見えない努力の積み重ね以外にはないのです。

餡が自家製なら皮も自家製。
いくつも試した小麦粉からベストを選び、捏ね合わせて延ばすを繰り返し、少しずつ薄くなっていく様子は手延べ麺を作る工程と同じ。完成したばかりの皮はのびが良く、しなやかなコシともっちりした食感を併せ持ち、餡をしっかりと受け止めていきます。

蜂屋さんの工場は、現場で働いている人たちの協力体制が素晴らしく、ベテランが経験の浅い人をサポートしながら、よい空気感のなかで作業が進んでいくのが印象的でした。

素材の美味しさを食卓に

「頑固餃子」と名付けた自慢の逸品は、作るのは手間がかかるけどご家庭で焼くのは簡単!冷凍のままフライパンで5分焼くだけの手間いらずです。やや厚めのもちもちした皮はそれだけで美味しく、餡は豚肉と野菜の甘みが一体となっていて、香味野菜がいい仕事をしています。

お酢や醤油で食べても美味しいのですが、最初のひとつは何もつけずに食べてみてください。素材の美味しさを実感していただけると思います。
あっさりだけど旨みが詰まった無添加餃子は、小さなお子様にもおすすめです。


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