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【解説】第23話 研究者ファッションにゃ!

まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載

このトピックの根底にあるのは「業績ではない!」と良く耳にすることです。
 
研究者が研究職(大学教員等)の公募に応募する場合、当然研究業績が評価されると思うわけです。ですので、精一杯自身の優れた業績をアピールするのですが、厳密には業績だけでは評価されません。マンガの中にも描写しましたが、「一緒に仕事をしたいと思われること」ここが一番重要なのだと思います。その中の一つの要素として研究業績があるのです。
 
では何故、ファッションというタイトルでトピックを立てたのか?
 
研究室の大掃除の日、スーツで来た男子学生がいました。夜に塾の講師のバイトが入っているからというのが理由でした。その学生はいたって真面目に掃除を行うつもりでいたのでどんな格好をしていても特に問題ないと思っているようでした。
 
この時、学部の頃の自分自身のことを思い出しました。外の実習の時にショートパンツを履いていき、先生に注意されたことがありました。不真面目だと思われたようでした。私はやる気もあったし、真面目に取り組むつもりだったので、何が問題なのか分かりませんでした。
 
これは「印象の重要性」なのだと思います。スーツを着ていても掃除はできる。でもジャージであればやる気がないのでは?というような余計な誤解を生むことはありません。
 
教員採用の話に戻ります。新たに組織に人を迎え入れるにあたって、組織が一番気にするのが組織と協調できる人材かどうか、なのではないでしょうか?教員は学生の教育を行います。大学の教員として学生や社会と調和がとれることは重要で、そういう人材かどうかは見られているんじゃないかな?と思います。
 
分かりやすく言うと、自信をもって人前に出せる人物。きっと、野外実習にショートパンツで来る人材を組織は欲しいとは思わない。アカデミアではグループ研究も多いです。研究能力は高いけど一緒に仕事をしたくないと思われてしまうことは損ではないでしょうか?
 
最後に印象の固定化の話をしました。このトピックを発表した時、「私はもう10年くらいショートカットです」とか「お団子スタイルがトレードマークです」といったコメントを貰いました。実は私自身はこの固定化にまだ成功していません。私は髪を束ねていることが多いのですが、ある日髪を下した状態で学内のコンビニにいたら、たまたま居合わせた知り合いから「髪型が違うから分からなかった」と言われてしまいました。やっぱ印象って大事かも。


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