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【初心者向け】 パッションフルーツの簡単栽培ガイド:子供と楽しむ家庭菜園

パッションフルーツを自宅で育ててみませんか?
この記事では、10年間の栽培経験を持つ筆者が、初心者でも簡単にできる栽培方法を分かりやすく解説します。

株分けしたパッションフルーツは4鉢に増えました。(株分けしてあげちゃってるんで、自分の株はそれほど増やしていません)
毎年たくさんのパッションフルーツを収穫して、神奈川県でトロピカルフルーツを楽しんでいます。

南関東以南であれば栽培は難しくありません!
毎年収穫できるようになりますから、ぜひチャレンジしてみてください。


パッションフルーツを育てよう!

1. 苗の選び方

まずは、丈夫で健康的なパッションフルーツの苗を選ぶことが大切です。
根元が太くて、しっかりとした茎がある苗を選んでください。これが元気に育つための第一歩です。
最近はホームセンターなどでも簡単に手に入るようになりました。

2. 植木鉢と土の準備

パッションフルーツは成長が早く良く根を張りますので、買ってきた鉢よりも2つくらい大きめの鉢に植え替えます。ひと夏で数mツルを伸ばします。
根腐れを起こさないために、排水が良い用土を選び、肥料は植え付け時に元肥として油かす(緩効性肥料)を使います。
土には市販の園芸用土でも問題ありません。少し赤玉土と腐葉土を足すとななお良いと思います。


パッションフルーツの植え付けと日々のケア

1. 植え付ける場所

パッションフルーツはとても日光を好む植物で、最適な生育温度は20℃から30℃です。25℃くらいから蕾を持ち始めます。
35℃を超えると成長が停止するため、適切な場所選びが重要です。
午前中から日光を浴び、適度に風通しの良い場所に置いてください。
直射日光が強すぎると葉が焼けることがあるので、場合によっては半日陰の場所などに移動することも検討しましょう。
強風にあたるとせっかく実った果実が落ちてしまいますので、注意してください。

パッションフルーツはツル性の植物なので、成長をサポートするためにしっかりとした支柱やリング支柱、トレリスを用意しましょう。植え付けの時に支柱を設置して、ツルが巻き付けるように誘引します。
(筆者はリング支柱でやっています。それぞれのツルをぐるぐると誘引するだけなので簡単です!)
多湿を避けるため、土の表面から10cm以上空けてツルを誘引するようにします。

2. 水やり

春から夏の間は、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげてください。特に夏場、果実が実ったらは水分不足に注意します。場合によっては、朝・夕方の1日2回の水やりをします。
また、多湿が原因でフザリウムの病気が発生することがあるため、適切な水やりと風通しは重要です。

3. 肥料のあげ方

新しいツルが伸び始めたら窒素分の多い肥料をあげます。蕾を持ち花が咲く前にリン酸分の多い肥料に切り替えること花つきが良くなります。
新しいツルが伸び始めたころから果実が実るまで、液肥を1〜2週に1度適量を与えても良いです。

4. 病害虫の管理

パッションフルーツは、果物の栽培の中でも比較的病害虫が少ないですが、時には害虫が発生することもあります。カイガラムシなどの害虫が見つかった場合は、早めに対処しましょう。害虫駆除方法として、ニーム油などが有効です。

5. 植え替え

植え替えは、2〜3年に一度、今の鉢よりも1〜2周り大きな鉢に植え替えます。毎年植え替える必要はありません。
植え替えの際、周りの古い土は軽く落とし、古い根も削ぎ落とします。
鉢を大きくしないときは、古い土と古い根をしっかり落とし、鉢よりも1〜2周り株を小さくして植え直します。

春先に植え替えるときは、3月上旬〜4月上旬くらいまでに行います。気温が下がり室内にいれるタイミングで植え替えても大丈夫です。
植え替えの時に元肥を忘れないようにしましょう。


パッションフルーツ栽培の要、開花と受粉

パッションフルーツは、植えてから1年ほどで花が咲き始めます。
早ければ5月中から咲き始め、2ヶ月間程度開花を繰り返します。

雄しべが5つ、雌しべが3つあります

花は受粉が必要で自然に受粉もしますが、受粉を助けたい場合は、指や綿棒、梵天などを使い、花粉を別の花の雌しべに付け受粉させます。(株が違う方が受粉の成功率が高いらしいです)その際、必ず3つある雌しべ全てに受粉してください。
花は一日だけしか開きません、見つけたらすぐに受粉させてください。

受粉に成功すると、雌しべの元部分の子房が緑色になりツヤを帯び、徐々に膨らんでパッションフルーツらしさを現します。

受粉に成功すると数日でこのくらい果実が大きくなります


パッションフルーツ、いつ収穫するの?

1. 収穫時期

パッションフルーツは、最近では黄色のパッションフルーツも見かけるようになりましたが、一般的には赤紫色になったらそろそろ収穫時期です。
果実は約2ヶ月で熟します。完熟すると果実は自然に落ちるため、早めに収穫すると味が落ちる可能性があります。果実を間引くことで、果実を大きく育てることができます。
完熟まで実らせておけるのは、家庭菜園冥利につきますね。

収穫後は、数日室内で追熟させます。果実の表面にシワのようなものが見えてきたら食べごろです。

数日追熟させると表面にシワのようなものが見えてきます

筆者のオススメの食べ方は、バニラアイスクリーム on パッションフルーツで、バニラアイスクリームにパッションフルーツ果汁の直掛けです。種もカリカリ一緒に食べます。種の苦手な方は、ザルなどで濾して果汁だけでも十二分に美味しいです。
ぜひ、バニラアイスクリームでお子さんと食べてみてほしいです。

バニラアイスのパッションフルーツ直掛け、これ最高!

2. 収穫後の手入れ

収穫が終わる頃に持った蕾が結実することはまずありません。
枯れた葉やツルなどは、病気の原因にもなりますから取り除きます。


パッションフルーツを越冬させるには

パッションフルーツは南国の植物のため、寒さに弱いです。
最低気温が15℃を下回るような日が出てきたら、室内に入れます。(10℃までは耐寒性があるそうです。室内でも10℃以下にならないように注意してください)
室内ではエアコンの風が直接当たらないようにすることがとても重要です。
(1シーズンエアコンの風が直に当たっていたことに気づかず、瀕死の状態になったことがあります)
また、できるだけ窓辺などの明るい場所に置きます。これによって、休眠期間を健康に過ごすことができます。

室内にいれる前に伸びすぎたツル、古いツルなどを中心に、ツルを1/3程度まで切り戻します。古いツルを切り戻すことで、次のシーズンのためにエネルギーを蓄える手助けになります。
室内に入れる時に、油かすなどを適量あげておきます。

冬の間はほとんど水をあげる必要はありません。10〜14日に1度、土の表面がカラカラになっていることを確認して、コップ一杯程度をあげて休眠期間を過ごします。

最低気温が15℃を超える日が多くなってきたら、室外に出し春からの成長の準備をします。


パッションフルーツの挿し木による増殖方法

適切な時期

春から初夏にかけてが挿し木には最適です。

挿し木の準備

新しく伸びたツルの部分を選び、健康で病気の兆候がないものを選びます。
約20cm程度切り、切り取ったツルの先端の新芽と下の方の葉を取り除きます。上の方の葉は3、4枚残しておき、残した葉は、水分の蒸発を抑えるために大きさを整えます。

不要な部分を取り除きます
葉の大きさを整えます

挿し木のツルを整えたら、水に挿し数時間〜1日程度十分に吸水させます。

植え付ける前に十分に給水させます

斜めにカットした切り口に発根促進剤を塗布すると、発根しやすくなります。

植え付け

鉢に挿し木の土を用意し、挿し木を5cm程度の深さまで挿入します。土を固めて、挿し木が倒れないようにします。しっかりと水分を含ませた土に挿した方が失敗が少ないように思います。
挿し木を行った鉢は、直射日光を避け、風通しの良い半日陰の場所に置きます。

水やりと管理

土は常に湿らせておくことが重要ですが、過湿にならないよう注意してください。根がしっかり張るまでの数週間、定期的に水やりをして土の乾燥を防ぎます。

発根の確認

挿し木から数週間後に、発根しているかを確認します。挿し木に新しいツルが伸び始めたら、発根している良い兆候です。

パッションフルーツは簡単に増やすことができますから、家庭菜園に最適ですね。


このノートで説明したパッションフルーツ栽培方法が、みんさんの役に立つことを願っています。自分で育てたフルーツを収穫する喜びは格別です。ぜひ、お子さんと楽しんで味わっていただきたいです。

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