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かっこよくありたい。旅好き新婚さんの等身大ストーリー

こんにちは!トラベルライターのふたばです!

旅をすると、美しい絶景に心震えたり、新たな人との出会いで自分の価値観や考えを変えるきっかけをもらえたりします。

今回は、29歳旅好き新婚さんのシノさんにインタビューしました。シノさんは現在、旅先で出会った方と結婚し、長野県で自営業として外国人の通訳、翻訳、経理、 会計作業から、冬はバーの経営をするなどパラレルワーカーとしてご活躍中です。

これまでの旅でシノさんが得た経験や将来の展望に迫ります。

旅を通して、友達とお互いを尊重し合える関係性を築けた

ー現在、15カ国の旅を経験しているシノさんですが、旅をする理由を教えてください。

海外にいくと自分がマイノリティになり、少し特別になれる感覚があったからだと思います。

私は高校1年生の時にアメリカでホームステイをして、海外の風景、外国人のファッションや言語、食べ物に興味を持ち始めました。

大学1年生の終わりに初めて自分のお金で友達とグアムに行ってから、旅がより好きになりました。友達と行くのが楽しいということもあったけど、 正直にいうとその頃は綺麗な写真をInstagramに載せたいという、見栄のような気持ちも大きかったと思います。

社会人になってからは、お金にも余裕が出てきたので、もっと旅をするようになりました。フルタイムで働いてる中で、まとまった休みを取って海外に行くのはとてもリフレッシュになっていたし、一緒に行く友達との仲も深めることができました。

ーシノさんはひとり旅よりも、誰かと一緒に旅をすることが多い印象です。今まで友達との仲が深まった旅のエピソードはありますか?

大学卒業時に大学の友達と行ったヨーロッパ旅行です。全く計画を立てないで、行きと帰りの飛行機のチケットだけを取って行きました。本当に貧乏旅で毎晩、夜行バスや夜行列車で寝るような旅でした。お金はなかったけれど、心から楽しかったです。

ー貧乏旅で快適な旅ではなかったのに、なぜ楽しいと思えたのでしょうか。

そうですね、自分たちで旅のスケジュールを決めて、達成していく楽しさを感じたのが大きかったんだと思います。1カ国目はウィーンに行きました。初日にマックに行って、明日からどこへ行くかということをざっくり決めて旅がスタートしました。毎日、今日はどうする?あっち行ってみる?みたいな感じで。連日夜行バスだとシャワーを浴びられなくて、頭がギトギトになったりもしました(笑)。

それまでのヨーロッパ旅は、母と祖父とで行ったフランスツアーの経験しかありませんでした。ツアー会社によって全て予定が決められて、ただついて行くような形です。

でも友達と行ったヨーロッパ旅は完全に自分たちだけで決めて行きました。ツアーに頼らずに、自分たちで決めた場所にちゃんと行って、綺麗な景色を見て、友達とおいしいご飯を一緒に食べて、可愛い写真もいっぱい撮ってということが楽しかったんだと思います。それをやってる自分たちがすごいとも思えました。

ー大変な思いをすることもあったけど、友達とたくさんの思い出が作れたんですね。

はい。国をまたいで移動した経験も初めてだったので、オーストリア、チェコ、ポーランド、ドイツ、 イタリアをバスや電車に乗って周遊しました。私の母親は、もう私がどの国にいるかわからない状態で、 親から自立してる感じも良かったのかもしれません。それとヨーロッパは街並みが綺麗だし、私は​​キリスト教系のゴシック建築の建物も好きなので、「そこに訪れている私、いいじゃん」みたいな気持ちもありました。

ー旅中に友達と喧嘩することはなかったんですか?
友達はとても優しい子で、喧嘩はなかったですね。どちらかというとお互いにイエスマンなタイプなので、相手が行きたいと言えば行ってみようよ、というスタンスでした。本当に旅する相手は大事だなと思います。

私だけでなく、友達にとっても特別な旅になったと思います。今でもその友達とは、違う国へ一緒に旅することも多いです。

海外で社会的マイノリティになることで、他人と比較せずにいられた


​​ー旅を通して、相手を尊重し合える関係性を作れたことは、人生の糧になりそうですね。先ほど、旅をする理由の中に、自分がマイノリティで特別になる感覚があるとの発言がありましたが、これは具体的にどういうことなのでしょうか。

たとえば、海外の方と話す時に、私の第一言語が英語ではないことが相手に伝わります。もし英語を使って頑張って話そうとしていれば、丁寧に聞こうとしてくれる人がいて、特別に接してもらえることがあります。そういう経験があると逆に、日本でも外国の方が観光しているのを見ると、優しく接したいとも思えます。そして日本にいる時よりは、自分の存在がマイノリティになるので、他人とは違う自分がかっこよいと感じられることが好きです。

ーかっこよくありたいと思うことがあるんですね。

結局、そこなんだろうなと思います。私は承認欲求が強めなので、外国にいるとその承認欲求が満たされやすいです。

他人にかっこよく思われたいというより、自分が自分をかっこいいと思いたいんです。英語上手だねとか言われると嬉しいですし、​​自分のことをかっこいいと思えたら、他の日本人と比べなくて済みますしね。

ー日本にいると他人と比べることが多かったのでしょうか。

そうですね。たとえば東京で働いていた時は、みんなと同じように大学を卒業して、社会人を一斉スタートしました。たまに友達と集まると、自分がもらってるお給料も気になるし、 彼氏の会社も、彼氏の給料も、彼氏からもらうプレゼントなども比べるものがたくさんありました。

でも、海外に行ってそこでちゃんと暮らしていると、東京に住んでる友達と、以前より比較しなくてよくなりました。海外で自分を充足させることによって、そのしがらみから解放されることができている感覚がありました。

ー他人と比べずに、自分で自分自身を認められることが増えたということですね。

はい。他人と比べずにいられることが楽なんだと思います。だから、海外でマイノリティでいることが好きなんです。

海外で出会った人々のおかげで、自分を受け入れ、満たすことができた

ー今までの旅で何か得られたことはありますか?

外国人の彼氏を通して、英語力とありのままの自分を認める力を得られたことですかね。今までで1番、私にとって特別な国はオーストラリアです。オーストラリア人のフレンドリーな人柄が好きでした。

ーオーストラリア人のフレンドリーな人柄は、シノさんにどう影響したのでしょうか?

初めてオーストラリアに行った時は全然英語が喋れなかったんです。 だから、オーストラリアでフレンドリーに接してくれる方々と関わる中で、コミュニケーションをもっと取れるようになれたらいいなと思わせてくれました。​​アメリカもオーストラリアと言語や文化が似ているようにも感じるんですけど、オーストラリア人のフレンドリーさはとにかく私の心に刺さりました。

ーオーストラリア人は心がオープンな方が多いですもんね。

そうそう、自由さというか、人と人との壁を感じないことが多いです。それと、オーストラリアは街中に自然がたくさんあるのも心地よいですね。

初めてオーストラリアに行った1年の間に、続けて4回程、オーストラリアに訪れました。そしてその中でオーストラリア人の当時の彼氏にも出会えました。彼なくして今の英語力はないと思います。

ー日本語を話せない彼氏さんと、もっとコミュニケーションを取りたくなりそうですね。

そうですね、もっと深い話もできるようになりたいし、自然と毎日やり取りするから、英語を学ぶことも苦ではありませんでした。

ー彼氏さんと話す中で、自然と英語力が向上していかれたんですね。初めての海外の彼氏さんは、今までの日本人の彼氏さんと、関わりの違いを感じたこともあったのではないでしょうか。

Canva @rizelleannegalvez

それまでの彼氏もそうだったかもしれませんが、やはりオーストラリアの彼氏の方が私を大事にしてくれたように感じます。言葉で愛してるよとたくさん表現してくれるし、とても献身的でした。日本人でもそういう方はいると思うのですが、私はオーストラリアの彼氏ができてから、ずっと愛されてる感じがして、精神的に安定感もあった気もします。

ー愛されていると実感することで、自分を満たすことができたんですね。

はい、そういう意味でも私は愛情表現が欲しいタイプなので、海外の方と付き合うのは合っていると思えました。ありのままの自分に愛情を注いでもらえるから、自分のままで過ごせる時間も増えました

夫とともに自分たちの人生を楽しく歩んでいきたい

ー素敵ですね。旅を通して得られたものを振り返ってきましたが、それらを踏まえて、これからの人生で大切にしていきたいことはありますか?

これからは、主体的に行動することを大切にしたいです。今までは、本当に他の選択肢がないから行くしかない、みたいな感じで進んできました。新卒で会社に受かったのは1社だけでしたし、転職時のウェブデザインの会社も受け入れてくれたのは1カ所だけでしたし、当時の彼氏と付き合い続けたいのであれば、オーストラリアに行くしかなかったんです。その場の流れで「なんとかなるっしょ精神」でやってきました。でもこれからは自分で選んで人生を歩みたいと思っています。

また、私はつい他人と比べてしまいがちです。でも、それはどう考えてもあまり幸せにならないと思っています。だから人と比べることはやめようと意識していますし、それよりも自分を大切にすることを目標にしています。

ー将来はこういうことをしてみたいという展望はありますか?

夢としてずっと、私の中にあるのは海外に住むことです。旅を通してオーストラリアの素晴らしさも知れたので、そこに移住するのも良いなと考えています。そのために今は頑張って、リモートで仕事を安定して手にいれることや、洋画をサブタイトルなしで鑑賞できる、英語を堂々と話せるといった英語力をもっと向上させたいです。

人生の目標を立てることは難しいですよね。これから子供を産むのかなと考えることもあります。今の時点では、ある程度のお給料を夫と2人で稼いで生活していけたら、十分幸せだなと感じています。けれど、そこから先の目標もこれから少しづつ考えていきたいです。

編集後記

今まで旅をしてきた中で、ご縁があって出会ったご主人と新たな人生を歩み出したシノさん。幸せそうに朗らかな表情でお話をしてくださいました。

まだ長期的な人生の目標は定まっていないと正直に語ってくれましたが、これからご主人とともに手を取りあい、人生という旅をより面白く、幸せに歩んでいかれるでしょう。今後のお二人のご活躍がますます楽しみです。

写真提供/シノさん、文章/ふたば

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