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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第6話》

〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。


        第50案件
  人が作ったおにぎり食べられますか?

40代男性客ドラ金城とペアの私

出勤すると

金「みみ子さんって人が作ったおにぎり食べられる人?」
と聞かれた。

私「人によるかな」
と答えると

金「はい!」
とラップに包まれたおにぎりを渡された

私「え?どうしたの?」
状況が掴めずかるくパニック

金「うまいから食ってみ」
!」
確実にパニック!!!

俺の作ったおにぎりは食えるだろ的な

やばいやばいっ!
食べたくないんですけど!!!

金「うまい鯛塩があってそれでおにぎり作るとすっげぇうまいから」

私「えー!そうなんだ!」
無理に声を高く設定しパニックを隠す隠す

今食べろの圧

食べたくない!食べたくないっ!

でも!

よくいろんなものを買って与えてくる金城
コンビニスイーツなど買ってくれたものはその場ですぐ食べてきた私

おにぎりだけあとで食べるとは言いにくい
今まで即食べして来た自分を憎んだ

でも食べたくない!

パニックパニック!

私の中で忖度?葛藤?が渦巻いた結果

パクっ

私「うん!おいしい!」
 〝うすいうすいっ!味薄っ!〟

金「だろ?そうなんだよ!うまいんだよ!味薄くなかった?」 

私「うん!大丈夫!」
 〝うすいうすいっ!味薄っ!〟
 〝そして美味しく無い!〟

ほんの一握りの小さめのおにぎりだったが
食べ物をあんなにイヤイヤ食べたのは初めて
完食まで気がとおくなる程果てしない
果てしなき旅

食べ切るまで何時間もかかった感

〝食べちゃった!食べちゃった!私はなんてバカなことを!!〟

その後はずっと食べてしまった自分を責め続けた

作った本人は満足気


        第51案件
       どこにもいない

主な営業地域から何市か超えて遠いところへ知らないお客様のお迎え。
呼ばれた住所のコインパーキングに到着してお客様に電話をかけた

しかし

電話を鳴らしても鳴らしても繋がらない

あらかじめ配車係が聞いていた車種とナンバーの車を探しても駐車場の中にも周りにも見当たらない。

途方に暮れる

片道40分。
往復1時間20分。
スタッフ2人。

時間も人件費もとられ大赤字。

この時間の間に受付電話に入ってお断りしてるお客様もいたのに

他の代行さんとダブル呼びして、早く来た方で帰る悪もいる

キャンセルするなら言ってください

自分で帰っちゃうなら言ってください


        第52案件
       大丈夫でーす

自動車教習所で教官をしている30代女性峯が入ってきた
期待大

随伴車を運転してもらうと

左右指差し確認してから出発。

私「おー。」

峯「癖でやっちゃうんですよ〜」

安全運転の期待大!
しばらく走行し

私「この先、車一台しか通れない片側が崖の暗い坂道だから気をつけてね」

峯「大丈夫で〜す!」
と言いながら

ブゥ〜ンッッッ!!!!!
と急加速
。  
期待できない

        第53案件
   出勤スタッフの車が多い??? 

出勤すると何故かスタッフ車が多いような? 
数えてみると
出勤人数に対して確実に一台多い! 
私シフト間違えた??? 
いやいや 
今日の借金は誰だ
あっ
出勤予定では無い〇〇さんの車がある
またか

林は代行を口実に夜な夜な家を出てくる
まあ、林だけでは無いが。
秘密ごとがあるスタッフにとって都合のいい仕事なのだ


        
        第54案件
       チェーン店違い

呼ばれた店に到着し
「〇X代行です!」
と店員さんに声をかけると

店「え?うちは呼んでませんけど」

時々ある。

チェーン店とかでは特に
支店ごとに電話番号を登録しているが
表示画面をちゃんと見ずに
よく呼ばれる支店を司令しがち。
あと店名が似てる所も間違えやすい
急いで本当の支店に向かいます!


       
        第55案件
      代行でうれしいこと

新人の頃に「代行で客相手してくれしいこたってなに?」
とベテラン男性スタッフ松本から聞かれ
私「すごい緊張して客車に乗っているので〝あなたの対応と運転で楽しく心地よく帰れました!ありがとう!〟とか喜んでもらえた時かな〜」
と答えた。
私「松本さんは?」
松「チップ」
!」

それから何年か経って今の私は両方!



        第56案件
     チップもらってきてよ 
     随ドラ(主人公の業務)

30代男性客ドラ林と随ドラの私のペア。

私も二種免許を持っているが、他の男性客ドラとペアの時は、私は随ドラを受け持つ。

2人でお客様の元に向かっていると

林「みみ子さん客車乗ってよ〜」

私「いゃだ〜今日は随伴車ドライバーだもん」

林「〇〇さんが乗ってチップもらってきてよ〜」

私「おい。」

林「だって〇〇さんが乗る方がチップもらえるじゃん」

私「おいおいおい。」 



        第57案件
       できるだけ早く

お店呼びでよくあるのが
「できるだけ早く来てください!」だ。
しかもいつも決まったお店のママさんに言われる。

配車係が次から次へと鳴る受付電話の配車を組み立て
配「分前後に到着します。道路状況などによって時間が多少変わりますがご了承ください!」
と伝え、私たちに指令される。

そして急いで向かい
代「お待たせしました!○X代行です!」
と言ってから10分以上

いつもいつも待たされる

しかも!
お会計したのにお客様と永遠しゃべり続ける居酒屋のママさん。

できるだけ早くと言われて急いで行ってるんだからできるだけ早くお客様を出してください


 
       第58案件
    下品な車でごめんなさい 
        客ドラ

50代の穏やかでダンディー風な男性のお客様

「下品な車でごめんなさい」

と案内されたのは黒のセ○○

私「失礼します」

と乗車するとBGMはクラシック
うわぁお

上品なようだが何かねらってる感満載で完璧に仕上がってる感満載。

そのお客様は
お見送りにでるスナック女子店員にいつも強めのハグをして
女性代行スタッフにはチップをくれる
どう表現していいかわからないが
完璧に出来上がってる


        第59案件
      遠回りしたでしょ  
         客ドラ

かなり泥酔の50代半ばの女性客。
千鳥足でふらふらとそのまま後部座席に寝転んだ

でも大丈夫
何度かお送りしてるので道も完璧。

出発してしばらく走ってると
急に

客「ここはどこ?!遠回りしてるでしょ!!」
とキレ出した!

私「大丈夫ですよいつもの道で帰ってますので」

客「うそよっ!一回止まりなさい!」

と畑道で一度停車
。」
。」
お互い無言の時間が過ぎ

客「行っていいわ」
私「はい」

あなたの家へ向かう郊外の一本道。
泥酔したまま後部座席に寝転び、道も伝えず家まで寝ながら帰れるのにそれはないでしょ


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