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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第4話》

〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。


        第30案件
        デート敗北 

     客ドラ(主人公の業務)

20歳そこそこの若い男女のカップルのお客様。
お帰り先は2人で彼の家。

車外で両手を車につっぱり支えてじっとしている彼
日光さる軍団の反省ざるの両手バージョン
飲みすぎたようだ
彼「うっ

私「大丈夫ですか?車に乗れますか?」

彼「大丈夫ですっ大丈夫ですっ!少しだけ

と両足を広げ両手を車につっぱねて下を向いて寄りかかったままだ

反省さるの両手バージョン

女「ねー?大丈夫?ねー」

彼「大丈夫大丈夫っ」

その間にビニールやティッシュを用意してあげる
私「どうなさいますか?一度キャンセルしてあとでまた呼んで頂いても大丈夫ですよ?」

彼「大丈夫です大丈夫ですっ」

私「少し休まれてからの方がいいんじゃないですか?」

彼「大丈夫です大丈夫ですっもう乗れますっ」

と車の助手席に乗り込み、彼女は後部座席に乗り込んだ。

どうにか出発

と数分走ると

彼「すいません止めてください

私「はいっ」

と車を止めるなり彼は車を飛び降りゲー。

彼女も降りて背中をさする

車に戻ってきて

彼「ごめんなさい行って下さい
と出発した途端
彼「止めてくださいっっ」とまたゲー。


彼女は降りない

それを何度か繰り返し
しまいには降りずに窓枠に顔をもたれかけているまま車外へ垂れ流しゲー。
オー
ノー!!!


すると彼女が

女「〇〇に向かって下さい!」
私「分かりました」と行き先を変更

その行き先への帰路も彼は相変わらず垂れ流しゲー。
車内に
どうなるのこれ

としばらく走って

女「ここで大丈夫です」

私「こちらで終了ですね?」

はぁ〜よかった
彼女の家かどこかで休むんだな

女「いえ、違います。彼の家の住所入れるのでそこに連れて帰って下さい」

私「え?」

と彼女は彼のお財布から免許証の住所を見てナビに入れ出した

私「こちらで休ませてあげた方がいいかと思いますが

女「いや、無理なんでここの住所に送って下さい」

私「は、はい

と彼女は振り返りも見送りもせず去っていった
かわいそうに!

わっかいし雰囲気が初デートっぽい

張り切って飲みすぎちゃったんだな

介抱してくれないなんて
こっちからそんな彼女お断りだよね!

的に同情しながら彼の家に送ってあげた

無事に到着してお会計もできたが

さらに彼には悲劇が待っている

彼の車はまっ青の日産スポーツカー。
タイヤはハの字のシャコタン
かなりお気に入りのはず

朝起きて車の惨状にダブルパンチなんだろうな


        第31案件
       手のひら返し 
         随ドラ

お客様に呼ばれた場所に到着し
先に男性客ドラ風間が接客に向かう。
私が随伴車の中で日報記入してると
「おい!両替えしろ!!」
と男性の威圧的な大きな声が聞こえた。
あ!
きっとお客様がパーキング料金を支払う為に両替してほしいんだ!
と瞬時に判断し
釣り銭かばんを持ってる私は急いで車から飛び出して
「は〜いっ」
と返事をして駆け寄った。 
すると男性客は振り返って私を見るなり
「あ!あごめんね〜両替してくれる〜?」
と手のひらを返したかの様に猫撫で声
私「はいっ」
と両替をして無事実車も終わり最後にはチップを頂いて終了

女性というだけで、ほんとにお客様の態度が変わる変わる
ほんとの悪には通用しないが
悪態をつく男性のお客様には
女性スタッフがいることにより悪態度がセーブされることもしばしば。 
みんなに平等に優しくしてほしい
       


        第32案件
      お札ぺろんちょ

70代男性常連客
いつもいつも指をぺろんちょしてからお札を出す。

しかし
コロナ禍になり男性自ら
「あ!これだめだよね?指舐めちゃダメだね?」
と言い出した。
おりこうさん。
ってゆーかコロナとか関係無くもとからぺろんちょやめてほしいが
が、それからも毎回癖で舐めてしまう
客「あ!だめだだめだっ!」
客「あ!またやっちゃったこれだめだね?」
と失敗と反省を繰り返し
自分に言い聞かせること4ヶ月
ぺろんちょしないでお札を出せるようになった!
よくできました!
なんだか憎めないかわいいお客様。


        第33案件
      俺はいいんだけど

40代男性常連客

地域最安値を掲げてやってきたが
コロナ禍で泣く泣く初乗り料金を値上げ
それでも初乗り料金は周りの代行さんのどこよりも安く
「今まで安くやってくれてありがとう
「いいよいいよ!値上げしないとだめだよ!」
「だから言ったでしょ!そんな安かったらだめだって!」
常連のお客様みんな受け入れてくれた。

が、
この客は
「俺はいいんだけど、値上げしたらみんな離れちゃうんじゃない?俺はいいんだけど。みんなはいやだと思うよ。俺はいいんだけど。」
を連呼
代行呼ぶたびに客ドラたちに連呼。
そーゆーあなたがいやなんでしょ

他反対一名。
「えーなんで?俺だけそのままってできないの?」
とこちらもしつこい
この2
40代独身男性


        第34案件 
       車内が幼稚園化? 
      客ドラ(主人公の業務)

客ドラでお客様と客車に乗っているととにかくいろいろ
いろいろ質問される。
その中で多いのが
「なんでこんな仕事してるの?」
「他に何かしてるの?」「昼間も働いてるの?」
「前はどんな仕事してたの?」だ。
その中で私が以前幼稚園で働いていたことが分かると
車内は急に幼稚園化する時がある。

A「この先右でちゅ〜」
。」

B「ねね、手遊びして!うたってうたって!」
。」

C「先生っお漏らししちゃった〜」
。」

D「にじがにじが〜🎵そらにかかって〜」と急にお客様が童謡を歌い出す。

そんな時は一緒にうたったりして道中過ごす。
お客様の機嫌を損ねずご機嫌でご帰宅してくれることが何よりなので


一度失敗したことがある

たまに呼ばれる寿司屋のオーナーとパートの50代不倫だろうとうわさしてるカップル
男性客が泥酔し私にからんでくる。

いつもなら女性を連れてる男性客は私にほとんど話かけてこない。

でもその日その男性客は泥酔のためずっと私に話しかけ
しまいにはまた歌が始まった。

彼女の手前歌わないでいると
「うたってうたって」
うるさい。
しつこい。

もう知らないよ
こわいんだよ
代行で出会うような女性は、いくつになっても〝女〟してるから、監視されてるようでこわいこわいっ
以前。これまた違う50代カップルの男性が私にチップを渡そうとしたら
「そんなものあげなくていいのよ!!!」
と目の前で怒鳴られた
しかも両手で彼の差し出した手を押さえつけて

そそうも何もしてなくても
男性客と話しただけで急に不機嫌になり、あからさまに態度に表れる

どう言っていいかわからないが、いくつになっても明らかに嫉妬していたり、男性スタッフに甘えたり〝女〟してる女性客も多い
のにほんとに知らないよ
と思いながら一緒にうたってあげた
でた
女性が腕を組んでそっぽを向いてる

それからそのカップルはうちの代行を呼ばなくなり他の代行で帰ってる
あーあ


まっ!しょうがない!



        第35案件
      婚約している彼女 
         客ドラ

50代男性常連客。 

居酒屋にお迎えに行き、結婚を約束している彼女が働いているキャバクラに行くと隣町へ出発。

キャバクラの店前に着き会計をしていると
側にいたその店の黒服だろう男が

「あいつきたあいつ!たけしまた来たからっっ!!」
とお客様に聞こえない様に口元を手で覆って慌ただしくピンマイクで報告してる

眉間にシワを寄せ明らかに嫌悪感満載で
彼女が働いているお店なのにそんなことってある
と思った瞬間思い出した!
そういえば
前にお客様を送った時に言っていた。

お客様が今度結婚するんだと言う話をしていて
その中で

私「お休みの時は婚約者さんとどこかおでかけとかするんですか?」

客「お店以外で会ったことないよ。お店に牛どん買って行ってあげたりしてるんだ」

私「そうなんですね


そんなことがあったのだ
かわいそうに 

付き合ってると思ってるのはきっと彼だけ

お互い遊びの疑似恋愛?ならいいけど
彼はほんとに婚約したと思ってる様子
信じているお客様を見てると胸が痛くなるのは私だけ?


        第36案件
        におうな

呼ばれた先は歯医者さん
職場でみんなで飲んだから呼ばれたのかな?
と勝手に想像しながら到着
するとお送りするお客様は患者さんのようだ

白衣を着た院長らしき人物が私たちに対応。

どうやら患者さんが麻酔を使ったから、運転することができず代行を呼んだらしい

しかも眉間にシワを寄せ重〜い表情でその院長らしき人物から

院「お金を渡すので、領収書とお釣りを後日いつでもいいので届けてほしいのですが」と。

ぷ〜ん

しかも、私たちがあれこれ対応してる間ずっと無表情というより少しけげんそうな患者のお客様。

ぷんぷ〜ん

お客様にお帰り先も聞いて車に乗り込もうとしたら院長らしき人物が患者らしきお客様に
院「大丈夫ですかほんとに申し訳ございませんでした
と小声

ぷんぷんぷ〜んっっ!

医療ミスのにおいがする!!!


        第37案件
      空車時間の過ごし方

お客様がいないと空車時間が長くなる。

車の中で時間を過ごすのでペアの相手によって過ごし方が違う。

仲のいいペアの相手とは、一緒にテレビや映画を見て楽しんたり、コンビニスイーツを買って一緒に食べたり会話を楽しみ過ごす。

嫌いいやいや、苦手とまではいかなくても、会話も弾まないそんな相手とは、無言でテレビを見たり、スマホゲーム、ネットサーフィン、イヤホンをしてYouTubeを見たり寝てたり
などなど同じ狭い空間に2人で居ながら1人の時間を過ごす。


        第38案件
        ポイ捨て 

        随ドラ

客車を追って随ドラとして走っていると時々目にすることがある
タバコのポイ捨て。

客車から火のついたタバコが時々飛び出てくる。

お客様にとって自分の車なんだけど
でも!
客ドラと同乗している車内でタバコを吸うこと自体おかしいと思うのは私だけ?
さらにティッシュやらペットポトルやら車の中のゴミが次々と飛び出してくる時もある。
言いたく無いがそんなお客様にも最後には
「ありがとうございました」

うぅーっ

「〇X代行さんいいね。また呼ぶよ!」

複雑

        第39案件
       膝ならいいんだ

ちょびっとエッチだがいつも陽気でスタッフにとってストレスゼロの70代男性のお客様

ある時調子に乗りすぎて膝で私のおしりを触った
私とスタッフ「あ!触った!」

客「手はセクハラだけど膝ならいいんだ!」

。 

おい。だめだろ。

社長に言ったら怒鳴られ着拒にされるぞ!
っゆーか。
強制わいせつで逮捕だぞ。

今日のところは見逃してあげるが次は現行犯逮捕だぞ。

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