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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第8話》

〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。


       第66案件     
    トラブルに慣れてるんで

20代客ドラ男野口。
出勤の時間になっても来ない…!
社長が野口に電話すると

社「お疲れ様!野口くん!大丈夫?今日出勤だよ!」

野「あ… すみません 社長の携帯にLINE入れたんですけど…」

社「え…?」

野「車がトラブっちゃって40分くらい遅れます…」  

社「えっ大丈夫なのか?」

野「大丈夫です大丈夫っすっ
こーゆーこと慣れてるんでっ
よくトラブってちゃってっ
ちゃちゃっと直しながらよく走ってるんでっ」

社「全く動かないの?」

野「はい…
あと10分くらいでレッカーが来るのでそしたらちゃちゃっとやって向かいます!」

社「レッカーってっ!すぐ直るの?直んなくて足がないなら迎えにいくよ!」

野「大丈夫っすっっ
ちゃちゃっと直して行けるんでっ」

社「いや、直るか分かんないでしょ?レッカーで運ばれるのに!」

野「こいつ世話かかるんですっ
ちゃちゃっと直しながらいつも走ってるんですっ」

社「いや、迎えに行くよ!」

野「…っ」

社「どこにいるの?迎えに行くから!」
野「あっっ… えっと…っ
ガソリンが…」

社「えっ????」

野「ガス欠になっちゃったんです…」

社「なんだよっ
だったらそう言えよっ」

野「あ、はい…」

社「そしたらレッカーきて時間の目安がわかったらまた連絡してっ」

野「わ、わかりましたっっ」

社「それとっ
営業始まったら私用電話使わないし、LINEじゃなくて電話にしてっ」

野「了解です…」

実はこの男。
旧車が好きで乗っている
本業も車の整備工

カッコつけて
ちゃちゃっと直して向かいますだなんて
ただのガス欠なのに

そして

遅れる時は
連絡取れるまで連絡し続けなさい。

出勤20分前のLINEだなんて…

直前ならなおさら電話しなさい!


       第67案件
      殴られたの?!
     客ドラ(主人公の任務)

40代女性随ドラ井川とペアの私。

年も近いし待機中も移動中もわちゃわちゃいろんな話をする。

この日はお客さんも少なく
コンビニでスイーツを買っておしゃべりしながら待機。

すると

コンコンッ

と窓を叩く音が

林「お疲れ様〜」

30代男性スタッフ林が現れた。
プライベートでたまたま通ったのだ

井「お、お疲れ様〜」

私「お疲れ様〜!出かけてたの?」

林「そう!今帰るところ!」

私「そうなのね!」

林「ん?え???殴られたの?????」

私「え???」

林「え?井川さん殴られたの??
ここにアザが!!!」

と井川の右ほほを指差した!!

井「え?あ、ち…ちがうの…!!!」

私「あ…!」

林「だってここすごい大きいアザになってるよ!!」

井「いや…あの…!!」

林「え?小さいのと大きいのっ!」

井「…っ!」

しょうがない…
私から…

私「もう私たち若くないんだからっそーゆーこと言わないのっ」

林「え?あ… そーゆーこと?」

そうなのだ。
井川はこの日ノーメークだったのだ。

いつもはコンシーラーやファンデーションを駆使してほほのシミを隠しているのだ。

そして実はこの井川
計算されている。

曜日や
出勤してるスタッフや
混み予想で

メイクする日としない日があるのだ。

この日は日曜日で一番空いている曜日
出勤者は私と井川の他は、井川がまったく興味を示さない男性陣のみ。

ノーメーク率100%日和だ。

なのに

お気に入り男性スタッフに会ってしまった井川。

あーあ。

井「彼氏欲しいんだよね〜」
と林にアプローチしてたのに。

…共に既婚子持ちだが。

※おまけ

この案件より何年も遥かに前…

50代男性スタッフ早見が

早「みみこさん!この前業務中に随伴車に知らない女性が乗ってると思ったら井川さんだった!
化粧してて気づかなかったよ!」

ということかあった。

その頃の井川は髪もボサボサのノーメークだったのだ。

その頃は年配男性ばかりでこんなところで綺麗にしても…的な。

そんな時に30代前後の男性が一気に入ってきて…

そこからメイクして出勤するようになったのであった。


        第68案件
        親子チップ
         随ドラ

50代男性常連客

毎日のように出勤してるスタッフは知っているが

週2や月に何回かしか出勤しないスタッフはあまり知らない程度の常連客。

何かの社長さんで毒舌で口が悪い悪い。

「なんだよ…うち知らねーのかよ…」
「なんでこんな仕事してんの?金ねーの?」
「どーせお前だけうちを覚えられてないんだろ」
「なんでそんなとこ曲がるんだよ…」
「暇だから代行やってんの?」
「次からは道教えねーからな…」
「一回で覚えろよ…」
「うち知らないならお前くるなよ…」

ぐだぐだ…ぐだぐだ…
   ぐずぐす…ぐずぐず…

口に出すこと全てがだる絡みの文句…

でもチップはくれる…

「はい…ど〜ぞ〜…」

と、くれてやるよ的に…
そんなお客様だ。

そしてこの日は20代後半の息子と共に現れた。

息子がいても相変わらずのだる絡み…

ご自宅に到着し随ドラだった私はお客様に駆け寄り会計を終えると…

客「はい…ど〜ぞ〜…」

相変わらずのだるチップ…

私「あ!ありがとうございますっ」

と私の手のひらに500円玉一枚のせた…

すると…

すかさず息子が寄ってきて

息「俺にちょーだいっ!」
と私の手のひらから500円玉を取り上げた

ぽか〜ん…

私も客ドラも一瞬何が起こったのかわからなかったが

私「あ…どうぞっ」

どうぞが合ってるか分からないが

息「やったーっ」

私「…。」
客ドラ「…。」

お客様(父)は幼い子どもやかわいい動物を見るような眼差し…

「まったくこいつは〜」的にニコニコ…

20代後半の息子に…

私「…。」
客ドラ「…。」

…うん。
チップがほしい訳じゃない
渡すのがいやな訳じゃない

なんか

下品…

        

        第69案件
      あの人誰ですか?
         随ドラ

スタッフのほとんどが

代行の営業地域内が地元だったり職場があったり関係がある

その為
代行のお客様が友だちだったり知り合いに出くわすことがある

40代男性客ドラ金城は

A場面「あ!高校の時あいつとよくつるんで遊んでたんだよ」
B場面「あ!あの人近所の人で知り合いなんだよ」
C場面「あっ!あいつ〇〇団の後輩でよく面倒見てやったんだよ」
などと
お客様が現れた瞬間に私に伝えてから接客に入る

相手に気づいてもらえない…

お客様に挨拶をし、帰り先などの確認の会話しながら客車に向かっても

気づいてもらえない…

ので
痺れを切らして

A場面
「おいっ!元気か?前によく遊んだだろ?」

B場面
「元気っすか?〇〇ちゃんも元気っすか?」

と声をかけても
A場面
「え?…?ちょっ… あ うんうんうんっ…」

B場面
「ん?…?え?あー… げんきげんきっ…!」

うーん…

気づいたんだか気づいてないんだか…

微妙微妙…

かわいそうに

特徴のある爬虫類顔で一言目で気づきそうだが。

ひどい時なんて 

C場面
金「おいっ!がんばってるか?!そろそろ〇〇始まるから忙しいだろ?」

C「あ…はいっ… そろそろっすねっ…」 

金「がんばれよっ」

C「「あ…はいっ」」

と金城の目を盗んで客Cがスススッと私のところにきて

C「すみません…あの人って…。あの人の名前って…?」

私「あ、金城と言います」

C「…。あ、あー…」

と微妙微妙…

〇〇団で同じく活動してたんだろうけど、慕われてなかったんだなと…

イタイイタイ…

本人だけはきもちよ〜く
〝おれは顔が広い〟と誇示してる…

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