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炭に火をつける

近頃のキャンプブームも手伝ってか身近に焚火を楽しむ方が増えている。
ただ、炭に火をつけるとなると、どうしたら良いのか、少し戸惑う方がいらっしゃいます。
中にはバーナーやトーチを持ってきて、道具だよりに勢いよく炭に炎を当てる方も見かけます。
それでも悪くはありませんが、道具の割にはすぐに炭に火はつきません。
今回は簡単に炭に火をつけるやり方を解説しましょう。

今回の説明は焚火の起こし方から始めます。

薪を1・2本用意します。
薪の頭にナイフを乗せ、ナイフの背の部分を硬い棒などでたたきます(バトニング)
棒でたたきながら、ナイフの背が薪に食い込んだら、
今度はナイフの先端を棒でたたき続けます。

そうすると薪は半分に割れます。
これを繰り返し、割りばし3・4本束ねたくらいの太さのものを5~6本位作ります。


細い薪が作れたら、その棒を自分の利き手側の横に置き、体重をかけながら下に押し付け、
少し木を斜めに保ちながら握ります。

利き手にナイフを持ち、薪に刃を当て角度を一定に保つようにする。
そして上から下にナイフを滑らせ、木の皮を薄く削るように押し下げてます。
木を削るラインを少しずつ回しながら行うとバランスよくフェザーが作れます。

時々自分の正面に薪をもってこの作業をするかたもおりますが、
横に置いた方がやりやすいと思います。
こんな風に削った部分がカールしていればOKです。 雑でもかまいません。
このように先端をカール状に削ることをフェザーをつくるといいます。
フェザースティックが5・6本出来たらまとめて同じ向きに置きます。
今度は置いたフェザースティックの回りに炭を置いて薪全体を囲っていきます。
着火するまでは、フェザーの部分を見えるようにしておきます。
フェザーの隙間の部分にアルコール消毒綿を置きます。
100均でも探せます 
フェロロッド(ファイアースターター)にナイフの背の部分などを使ってスクラッチすると火花が飛ばせます。 
アルコール消毒綿に火花が飛ぶと炎があがり、フェザーの部分に着火します。

アルコール消毒綿は屋外でけがをした時にも使用できますから、何枚も常備しています。

フェザーに着火したことを確認したら、フェザーが燃えている上に炭を置き塞ぎます。
しばらくすると炭に火が燃え移り、炭と炭の隙間から炎が見えだします。
その後しばらく放置します。
炎が炭と炭の間から沢山出るようになったら、炭に火がついているサインです。

薪の上や周りに積み上げた炭を火箸やトングなどで崩し平らに広げます。

火力をあげたい場合は、新しい炭を必要な分だけ追加していきます。

簡単に炭に火が付きました。

番外編 (ナイフの話)モーラナイフ Morakniv

スウェーデン中部のモーラ地方で生まれた「モーラナイフ」は130年の歴史を誇るナイフブランド。その品質はスウェーデンを代表する企業のみに与えられる王室御用達の認定を受けています。

フェザースティックを作ったナイフは、モーラナイフ Morakniv Bushcraft Survival Blackです。
私の場合は少し改造してあり、右利きなのでフェザーを削る際、握っている木の側にくる
面のしのぎの部分の幅を高くしてフェザーを作りやすくしています。 
しのぎ(ベベル)の高さをあげています 11mm位
木に当たる側は幅広で高くしています (フラットに削ってあります)
反対側はノーマルの状態から少しだけ高くしてあり7mmほどあります。

しのぎの部分は軽く丸みを帯びるように研いてあります。
貝殻の表面の丸みのような感じで削ってあります。(これをコンベックスグラインドと言います)
モーラナイフ Morakniv Bushcraft Survival Blackは、炭素鋼でできているので
非常に切れ味は良いのですが
手入れを怠ると錆びてきます。
手入れをするのは面倒だという方にはモーラナイフ Morakniv Garbergがおすすめです。

スウェーデンのSandvik社が開発したステンレス鋼材(14C28N)は炭素鋼ほどではありませんが、
切れ味も素晴らしく、刃欠けもしにくく、錆びにくいのが特徴で、値段も手頃です。

自分のナイフを1本だけ選べと言われればこのナイフになります。その位頼りになります。

柄(ハンドル)の後ろまで一本の鋼材でできているので丈夫であり(フルタング)、
グリップのお尻の部分からは余分に鋼材が出ているので、貝殻やクルミなどの硬いものを割ることが簡単に出来ます。

フェザースティックなどを使わず炭をおこす

前述のアルコール消毒綿の代わりとして木の皮を剥ぐ
白樺の皮や杉の皮などが良いと思います
ナイフの後ろで木の皮をこすりバーク(木屑)を作る
火口として利用する
着火したら、小枝などを乗せ火を大きくし、その周りを炭で覆えば同じように炭を起こせます。



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