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【REVIEW】The Avalanches『Wildflower』

【REVIEW】The Avalanches『Wildflower』

1997年、メルボルンにて結成。もともとはRobbie ChaterとTony Di Blasiにより1994年頃に結成していたノイズ・パンクバンドAlarm 115から始まり、Chater、Di BlasiにDarren Seltmann、Gordon McQuiltenにより活動を開始する。

彼らにとって転機となったのは、DMC World DJ Championshipにてオーストラリア地

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【REVIEW】Anderson Paak『Malibu』

【REVIEW】Anderson Paak『Malibu』

Anderson Paak Malibu

ヒップホップやラッパーにも流行り廃りというものがあって、2015年と2016年を通過したいま、USヒップホップシーンは何度めかの成熟期を迎えたといえる。端的に言えば、ブラック・ミュージックと政治との関係性が非常に緊密になったことで大きなリアクションを示したこと、そして新世代の登場と新たなスタイルの台頭によるところが大きい。

後者のほうから名前を上げると

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【REVIEW】NxWorries『Yew Lawd!』

【REVIEW】NxWorries『Yew Lawd!』

NxWorries Yes Lawd!

ヒップホップの重鎮ドクター・ドレー、18年ぶりのアルバム『Compton: A Soundtrack By Dr. Dre』が発売されたのが2015年8月。彼が惚れ込んだ一人の男がいる、Anderson Paak、同作品に6曲参加して大きな注目をあつめた男だ。

1986年、カリフォルニア生まれのパック。アーティスト名は韓国人である母親のファミリー・ネーム

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【REVIEW】METAFIVE『META』

【REVIEW】METAFIVE『META』

METAFIVE 『META』

高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI ×ゴンドウトモヒコ×LEO今井

今更ながらこの並びを見ると、日本のポップミュージック史に名を連ねてきた人物らによるスーパーユニットといって差し支えがないと思う、ここまで揃い踏みなグループも数えるほどしかないんじゃないだろうか?。

PYG、忌野清志郎+坂本龍一、吉川晃司と布袋寅泰のCOMPLEX、デビュー時に組ん

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【REVIEW】ANOHNI『Hopelessness 』

【REVIEW】ANOHNI『Hopelessness 』

ANOHNI Hopelessness

セクシャルの問題/LGBTの問題は、古今東西どの国の世情でも重々しい話題だろう。男性が女性として、女性が男性として、それぞれに振る舞い、自身と同性の他人を愛していくということは、男性が男として、女性が女として、そのままに生きる人が圧倒的多数のこの世において、どうしても奇異にみられるものだ。

実は、イギリスのシンガーという枠組みにおいて、男性シンガーが女性

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【REVIEW】THE FULL TEENZ『ハローとグッバイのマーチ』

【REVIEW】THE FULL TEENZ『ハローとグッバイのマーチ』

THE FULL TEENZ ハローとグッバイのマーチ

京都在住の3人組、THE FULL TEENZ。メンバー自らが運営するレーベル"生き埋めレコーズ"より2014年に発売した8曲8分のEP『魔法はとけた』500枚をソールド・アウト、インディレーベルI HATE SMOKE TAPESからは「swim!swim! ep」を発売し、2015年にはNOT WONKとツアーをともにした。

エンジニ

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【REVIEW】Villagers『Where Have You Been All My Life』

【REVIEW】Villagers『Where Have You Been All My Life』

Villagers Where Have You Been All My Life

(2010年に発売された『Becoming a Jackal』より)

2008年に結成したアイルランド出身の5人組バンド、コナー・J・オブライアンを中心にいたロックバンド、Villagers。2010年にデビューアルバム『Becoming a Jackal』、2013年にセカンドアルバム『{Awayland}』

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【REVIEW】馬喰町バンド『あみこねあほい』

【REVIEW】馬喰町バンド『あみこねあほい』

馬喰町バンド あみこねあほい

2007年に結成され、2010年からはギター・六線・ボーカルの武徹太郎、ベースの織田洋介、パーカッションのハブヒロシという編成で活動を続けている馬喰町バンド。わらべうた、民謡、踊り念仏といった日本古来の文化に接し、アフロポップやガムランなど世界の民族音楽をも吸収し、ワンアンドオンリーのポップ・ミュージックを生み出し続けている。

前前作『ゆりかご』からハブは遊鼓(担

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【REVIEW】James Blake『The Colour In Anything』

【REVIEW】James Blake『The Colour In Anything』

James Blake The Colour In Anything

ジェイムス・ブレイクのニューアルバム『The Colour In Anything』は、5月6日に突如として配信リリースされた。SNSで予告された後、突如リリースされた今作は、前作『Overgrown』以来となる約3年ぶりのフルアルバム。フランク・オーシャン、ジャスティン・ヴァーノンらが参加した全17曲が収録された。

ジェイ

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【REVIEW】amazarashi 『世界収束二一一六』

【REVIEW】amazarashi 『世界収束二一一六』

amazarashi 世界収束二一一六

青森県にて秋田ひろむを中心に結成されたamazarashiは、2008年ごろからゆっくりと活動を続け、2010年2月10日には表記をあまざらしからamazarashiに変更し、顔出しをほとんどしないスタンスも相まって独自のプロップスを勝ち取ってきた。

「日常に降りかかる悲しみや苦しみを雨に例え、僕らは雨曝しだが“それでも”というところを歌いたい」というバ

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【REVIEW】My Hair is Bad 『woman's』

【REVIEW】My Hair is Bad 『woman's』

My Hair is Bad woman's

@kkkkssssnnnn のMy Best ALBUM 2016(邦楽編) - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1066793

@kkkkssssnnnn のMy Best ALBUM 2016(洋楽編) - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1063292

2016

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【REVIEW】Bon Iver『22, A Million』

【REVIEW】Bon Iver『22, A Million』

Bon Iver 22, A Million

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待ちに待った、本当に待ちに待ったアルバムだった。

Volcano Choirでの作品をあいだに挟んだが、ジャスティン・ヴァーノンによるプロジェクトBon iverの3枚目の作品である。

アメリカのウィスコンシン州に1981年に生まれたジャスティン・ヴァーノンは、20代中盤まで己

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【REVIEW】KOHH 『DIRT II』

【REVIEW】KOHH 『DIRT II』

KOHH DIRT II

死んでもいいけど死にやしない
殺せるもんなら今殺せ
Michel basquiat、jimmy hendrix、Kurt cobain
殺せるもんなら二度殺せ

扇情的、挑発的、そして大胆なパンチライン。
早逝してしまった3人のアーティストを喩えにして、彼はいったい何を伝えようというのだろうか。

先日書き終えた「マイベストアルバム2015」のレビューでKOHHの『DI

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【REVIEW】Radiohead 『A Moon Shaped Pool』

【REVIEW】Radiohead 『A Moon Shaped Pool』

Radiohead A Moon Shaped Pool

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Radioheadについて、『A Moon Shaped Pool』について書こうと思って、筆を取っている。

机の上には、キーボードとマウスとケータイ電話と眉毛切りと栄養剤とスピーカーとディッシュ、机の上段には山積みの請求書や5冊の文庫本がある。

PC画面の右側では

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