明ける朝は来るのか。夜が怖かった”あの頃”の話。
子どもの頃、夜はいつも怖かった。それは誰にでも言えることだと思います。左右に父と母や兄弟が寝ていても、夜トイレに行くのはとても怖いもの。トイレの電気がつくまでが恐怖です。でも私の恐怖はそれとは少し違っていました。
小さい頃、私は天国に行くとき何も持って行けないことを知っていたのです。たったひとりで裸足のまま暗い夜道をトボトボと行かなければならないことも。それが突然訪れる”さよなら”であることも知っていました。
なぜなら、私は毎日そういう現場で暮らしていたからです。そう、小