【書評】USJを劇的に変えた、たった一つの考え方
概要
著者は、P&Gでマーケターとしてのキャリアを始め、現USJのマーケティング最高責任者で赤字だったUSJをV字回復させた森岡毅さん。
ビジネスで成功するための近道は「マーケティング」を知ることであり、実体験から学んだ事例を交え、マーケターではない人に向けて「マーケティング思考」や「戦略的思考」を紹介している良書。
ザックリまとめ
戦略とは
戦略とは、目的を達成するために資源(リソース)を配分する「選択」のことをいう。つまり、資源配分の選択である。
戦略の核は「選択と集中」である。
目的と目標
目的と目標は異なる概念である。
目的とは、達成すべき使命であり、最上位の概念のことをいう。
目標とは、目的達成のため経営資源を投入する的のことをいう。
例)目的はパリ占領、目標はフランス軍
戦略と戦術
戦略と戦術は異なる概念である。
戦略は、目的達成のための資源配分の選択のことをいう。
戦術は、戦略を実行するための具体的なプランのことをいう。
目的→戦略→戦術の順番で考える。
目的:OBJECTIVE→最上位概念
目標:WHO→資源集中投下のターゲット
戦略:WHAT→資源配分の選択
戦術:HOW→実現するための具体的プラン
「WHAT」は消費者価値を選ぶこと。消費者がその製品を購入する根源的な理由、それが「WHAT」での戦略的な選択となる。
戦略の良し悪しの見分け方
戦略の良し悪しの見分け方には、4つの基準がある。
1)Selective:やること、やらないことを明確にできているか?
2)Sufficient:投入される経営資源が勝利に十分か?
3)Sustainable:中長期で継続維持できるか?
4)Synchronized:自社の特徴を有利に活用できているか?
所感
戦略立案の方法を詳しく学べるので、新規事業の方針策定にとても役立った。特に人数の限られる少数精鋭の組織では、ヒト・モノ・カネといったリソースに制限があり、どこの領域に何をどれだけ投資するかが重要になってくるため、本書で紹介されている考え方はとても役立った。
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