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東アジアの中心は沖縄?について語らせて欲しい

こんにちはグランドデザインの山入端(やまのは)です。

2018年12月わたしは上海にいた。
グランドデザイン上海へ赴任し中国の慌ただしい日々を過ごしていた。赴任中に沖縄ロケが予定されていて一時帰国することになっていた。

上海で刷った香盤表を携え現地のLCCに乗って沖縄へ発った。
ずっと喋り倒しているハイテンションの上海の人々に囲まれながら「あ〜あの人らは新婚っぽいなぁ」「家族旅行かな?爆買いしそうだ」「二世帯の家族旅行が多いなぁ」とか沖縄へ向かう中国の方がどうゆう人なのか興味があった。
離陸して1時間くらいたった頃、パンとめちゃ甘いお菓子が機内食として出てきた頃、飛行機が下降を始めた。

え?もう着くの?

そう、上海から沖縄は2時間あまり。東京から沖縄が2時間半いや3時間はかかるので早く感じた。「東京より大都市が近くにあったのか・・・。」と衝撃だった。
地図をみると確かに上海は近かった。あまりにも外国へ目を向けてなかった自分を恥じた。
その時に思ったのが、沖縄は近所に上海、台北、香港が近いから活動のエリアをアジアへ広げたらポテンシャルのある土地ではないのか?と思った。

この記事は、沖縄移住を考えているクリエイターやエンジニアや、ワーケーションをこれから実践しようとしている人、リモートワークの普及で都市部から沖縄移転を考えてる企業へ「東アジアの中心は沖縄」になりえるか?個人的な範囲でまとめた記事です。

東アジアの中心?沖縄

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沖縄-東京は約1,500kmの距離。
これを沖縄を中心に円を描くとソウル・上海・香港・台湾・マニラが収まる。そして、那覇から直行便も出ている。立地と交通網が好条件にあるとも言える。
歴史的にも琉球王国時代に各国との貿易で栄えており、今はなき首里城もアジアの文化がミックスした様式が色濃く反映されていた。

では、沖縄を拠点にアジアへ向けて活動している人はいるのか?

個人的な身近な範囲ですが、アジアへ向けて活動されている方々に話しを聞きました。

Solgeo

Solgeoさんは、中国を専門とするWeb制作会社です。中国で経理マンとして働いた経験をもつ代表の上田さん。経理で使うシステムのプログラムは書いたりと様々な経歴を持つ。
沖縄に移住しSolgeoを立ち上げ、中国向けホームページや、システム開発、マーケティングなど中国のインターネット規制に対応したサービスを提供している。
グランドデザインは、お仕事で上田さんと中国のサービスサイトを依頼したと事もあり大変お世話になっている。

Q 沖縄であるメリットはありましたか?
子育て面で、いい影響は大きいです。
沖縄の人と触れていつも思うのが他の地方に比べて郷土愛が強いので、子供がそんな風に育ってくれればうれしいです。
また音楽や伝統的な文化も生活の一部になってて、いいものを子供が吸収してくれるのではないかと思います。
観光客が多いので近代的な施設もありますし、生活面で困ることはあまりないですね。自然も多く、子供たちも自然の中で遊べる機会が多くてとてもいいと思います。
ビジネスに関して言うとコザにスタートアップカフェがあったのでスタートアップを頑張ってる方も多く刺激をもらうことが多いです。
沖縄がハブとなって日本と近隣諸国をつなぐ立ち位置が確立しつつあるなか何か自分も沖縄に貢献できるように頑張りたいです。

Q 中国へ向けた依頼ってどういったものが多いですか?
日系企業の中国語HP制作、日系の現地法人の中国語HP制作、中国向けサービスサイト制作が多いです。
普通のHP制作企業が中国向けを作ると中国ではグレートファイヤーウォール(GFW)に引っかかって動かない、遅いということがあるので、中国の規制に沿って中国からの閲覧でも問題なく表示できるように作ります。

- waters

日本の工芸作家の作品とwatersオリジナル雑貨を中国へ輸出しながら、中国テイストのオリジナル雑貨を現地生産して日本へ輸入もしている。中国にも法人があり輸出と輸入を実現している。実店舗が沖縄宜野湾市にありそこで販売も行っています。waters代表の山内さんへ質問してみました。

Q なぜ中国だったんですか?
高校卒業後に清華大学の進学しました。政治が好きで社会主義にも興味があった。中退後、イギリスへ留学してUniversity of the Arts Londonを卒業して日本に戻りアパレル商社に就職して中国の生産ラインを担当してました。
学生の時に出会った人々や繋がりがある工場や経営者とのネットワークをベースにwatersを運営しています。

Q 沖縄を拠点にしているのはどうしてですか?
まず、生産拠点のある中国各地へ行きやすい。LCCも増えて安く移動もできるし、沖縄は賃料も低く固定費も抑えられます。

Q 自社企画商品について教えてください
中国に通ううちに、特定の日本好きの中国人層がいてどう言った物を好むか?ニーズがわかるようになってきた。そういったニーズを元に日本の工芸作家の作品をセレクトしたりオリジナル商品を生産して輸出しています。
日本へ向けては中国らしい雑貨を可愛くアレンジすることで日本人のニーズに応えた商品企画しています。
中国へ向けても、日本へ向けてもそれぞれのニーズを熟知しながら商品を企画しています。中国では二級都市を中心にポップアップショップを巡回しながら展開している。
ニッチな市場ではあるがwatersは沖縄も中国もそれぞれ社員2人の零細企業にとっては中国も日本も大きいマーケットです。

- アジアアロワナ

アパレルの自社ブランドのプロデュース、買う人数によって値段が変動するEC事業、アパレルや雑貨のOEMやODM、3つの事業を展開するアジアアロワナは生産を全て中国で行っている。代表の平良さんへ話を聞きました。

Q 最近の活動教えてください。
今年4-5月のコロナが流行った時期で日本中にマスクがない時にアジアアロワナとしてアクションを起こしたく、中国の取引先にお願いして生産ラインを確保してマスクを製造して輸入して自社で運営しているECサイトで原価で販売しました。
とくに5月は中国からの物流が止まって仕入れが難しい状況だったのですが、他社が船や飛行機のブッキングもままならい中、中国の貿易会社の協力もありスムーズにマスクを原価供給できていたのは私たちくらいだったと思います。活動を知ってか医療機関や団体からの問い合わせもあったくらいです。

Q 沖縄を拠点にしているのはどうしてですか?
北京の大学を留学後に、東京の服飾の専門学校を卒業してアパレル会社に就職しました。起業後は固定費の高さに対してメリットをそれほど感じれなかったので拠点をを東京から地元沖縄に移し、お客さんとの商談や納品作業の度に沖縄と東京を行き来するビジネススタイルです。
地元沖縄で家族で過ごしたかったので今のスタイルがしっくりきています。移動の大変さは特に感じていません。

- 大村郁乃さん

大村郁乃さんは沖縄を拠点に活動しているイラストレーター・デザイナーさんです。世界的なブランドの磁器デザイン製作を行うStechcol社(中国)と共創した陶器がZARAHOMEで販売されたり、中国寧波 東銭湖で行われたアートプロジェクトに招待されたりと様々な活動を行っています。
そんな大村さんへ質問してみました。

Q ZaraHOMEの陶器のイラストや、東銭湖のアートプロジェクトへの活動はどのように実現しましたか?
いずれも沖縄の友人からStechcol社(中国)の代表Jimを繋いでもらって実現しました。磁器メーカー「Stechcol」は、世界の様々なブランドの磁器を作っています。
Jimは、社長兼デザイナーで、私のイラストをJimに見てもらったことがきっかけで、中国開催の展示会に出品する磁器用のイラストの依頼がありました。
何種類か作った磁器を展示会で出品したところ、ZARAの方に目が止まり、その後、いくつかの審査を経て、実際に商品化され世界中で発売されるに至りました。
その約2年後、中国・寧波の東銭湖で、アートプロジェクトが開催されるということで、東銭湖に設置するオブジェ制作に参加できないか、と声をかけて頂きました。
Jimがアートプロジェクトの運営側に推薦してくれたようで、いくつかこちらから資料を提出し、審査を経て、プロジェクトへの参加が実現しました。
オブジェのデザインの指示や中国サイドとのやりとりは、Jimを繋いでくれた友人に担当して頂きました。いろんな繋がりや、周りの方々の協力で実現できました。

Q 沖縄を拠点に活動しているメリットなど、もしあればお教えください。
中国に何回か行ったことがあり、本州に行くよりも近く感じています。沖縄にいることで、中国と繋がりがあった友人とも出会うことができました。
沖縄には、海外に出て行き、海外でネットワークを持っている人も多くいます。欧米だけではなく、中国、台湾、タイなど、拠点を沖縄に限定せず海外で販売会をしていたり、ビジネスチャンスを広げている方も多いです。
そういう環境に身を置いていることで、海外の仕事をすることへのハードルが物理的にも心理的にも低いように思います。それは何か海外でチャレンジする時の大きなメリットとなっていると思います。

話を聞いてみて

・国際空港がありLCCが増えてることもある近い隣国へ行きやすい環境。
・賃料が安くて会社の固定費が都市部に比べて低い。
・環境が良い。子育てにも良いし、近代的な施設も揃っている。
と言った話が聞けました。


話は少し変わりますが、私も昨年沖縄でリモートワークをやってみましたがその期間にも、昔の同僚や、先輩同僚が夫婦で東京と長野から来てくれたり、グランド上海の社員旅行でメンバー全員が来てくれたりと日中から土地のパワーで引き寄せられて訪れてくれた。
そういった人を引き寄せるパワーがあることはチャンスがあるある表れだと思うし、そんな土地を拠点にすることで個人や法人も、なんか今っぽい?し少し箔になるかもと思ったり。

クリエイター・エンジニアにとってはライバルの多い東京で一旗上げるよりも、沖縄でアジアを相手に活躍できた方が大旗が上げられるかもしれないし、ワーケーションだとふとしたきっかけでアジアへ道が開ける可能性があるかもしれません。法人だと社員の幸福度が上がるかもしれません。
そういった期待できる場所が、アジアの中心?沖縄なのかもしれません。


Header Photo by 贝莉儿 DANIST on Unsplash

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