元外資系金融機関勤務の女性が仕掛けたウェブサービスを駆使した旅館業(家業)のマーケティング
家業があって、それを自分に合った形でサポートしたり、進化させたりしている人のことを、僕らはグラフトプレナーと呼んでいる。いったいみんな、どんな活動をして、どんな毎日を送っているんだろう。志賀高原でスキー宿を家業に持つ、中村 志穂さんを紹介。
祖父の代から続く志賀高原のスキー宿を家業に持つ中村さん。小学校高学年になった頃には家業を手伝い、朝6時半から食事の準備、部屋の掃除、少し休んで夕食の準備というタフな内容。「当時は働くよりも勉強する方が楽だと思っていましたね。だからこそ家業を継ぐよりも良い企業に入ろうと思っていました」。
キャリアや人生設計に関して特に言われたことはなく、継いで欲しいという気持ちも感じていなかった中村さんでしたが、父親が70歳になることをきっかけに事業継承を意識し始めるようになります。
まず勤めていた外資系金融機関を辞めて、経営を学ぶためベンチャーに1年半勤めました。はじめは自分自身が事業継承しようと考えていた中村さんでしたが、改めて自分をみつめ直すと、興味がある分野を色々学びたいという意識がある事に気づき、パラレルキャリアが自分の性格に向いている事に気づきます。
現在は弟が家業の次期代表権を持つこととなり、中村さん自身は副業として宿の発展業務であるマーケティングや営業を担当しています。ここにも、中村さんのベンチャー企業に務めた経験が活きています。
新しい取り組みに挑戦することの大切さを経験した中村さんは「ADDress」という多拠点生活プラットフォームサービスと「SkyTech SKI & SNOWBOARD SIMULATOR」を導入する事にしたのです。
「まず、スキー宿の経営は繁忙期と閑散期の差が激しいので、どこでも働けて住める場を提供するというADDressのコンセプトは宿の活性化を進めるにあたっては相性がいいと考えました」
「SkyTech SKI & SNOWBOARD SIMULATOR」は世界中のオリンピック選手に愛されているスキーシュミレーターで、2019年2月に幸の湯が日本で初めて本マシーンを導入する宿となりました。マシーンの導入により、新規顧客が増え、売上を安定させることができるようになりました。
すぐに売り上げにつながることを期待しているわけではなく、導入による相乗効果を狙っていると中村さんは話します。「現状では9割近くが常連のお客様ですが、新規顧客獲得には通常のマーケティングだとかなりのコストがかさみます。そこで新規顧客獲得のきっかけを増やすためにスキーシュミレーターと、ADDressを導入することにしました。ADDressでは宿の名前を告知して頂くことによる、広告効果などを見込んでいます。また、世界中の活動的な人が集まり、幸の湯を拠点につながって行くような宿を目指していますので、ADDressさんと共に今後もコラボレーションしていけたらと考えております」。
多角的に活動を広げて行く中村さん。新しい試みを続けるコツは、面白いと思ったらまず一歩を踏み出すことなのだそう。「チャレンジするのは良いこと。立ち止まっているより確実に面白くなります。あとはやれるように考えるのか、やれない理由を考えるのかどうかの考え方ひとつ。ダメな理由を考え始めたらキリがないですし、何にもチャレンジできません。現状維持では下降してしまうけれど、新しいチャレンジにはいつも学びがありますから」。
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本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。
運営チーム一同より
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