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マイナス2億円の家業をアプリ開発でV字回復させた、倉庫業を家業に持つ田村壽英さん

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家業があって、それを自分に合った形でサポートしたり、進化させたりしている人のことを、僕らはグラフトプレナーと呼んでいる。いったいみんな、どんな活動をして、どんな毎日を送っているんだろう。今回は、倉庫業を家業に持つ、田村 壽英さんを紹介。

プロフィール
名前:田村 壽英(たむら・としひで)
年齢:36歳
家業:山形で倉庫業「株式会社田村倉庫」
代:父で2代目
事業承継:兄弟で協力しながら継ぐ予定
現在:株式会社「ZAICO」代表取締役社長

山形で倉庫業を家業に持つ田村さん。大学を卒業し社会人として働き始めた頃、両親から「妹の大学の学費を払うのを手伝ってほしい」と打ち明けられたことを期に、家計の苦しさに気づき、家業の経営がうまくいっていない事実を知りました。「正直な話、いくら借金があるのか聞くと『2億円』あることを知りました。その時はズーンと心に衝撃が走った一方で、金額が大きすぎて現実味がなかったです。今まで家庭の中に不穏な空気もなく、両親は子供達に心配をかけないように気遣ってくれていたので驚きましたね。」

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一度は相続放棄をして家業の借金とは関係のないスタンスを取ろうとも考えた田村さんでしたが、当時Amazonや楽天などの通販ビジネスの流行によって倉庫業が再燃し、都内の倉庫が足りていない状況だと新聞で知ります。実は倉庫業はいい業種なのでは?と考えた田村さんはIT企業でプログラミングの仕事に就いていたこともあり、持っている技術やスキルを使って何かできないかと山形で倉庫業を営むことのメリットとデメリットを考えました。一見、東京から遠く不便に感じられる山形の倉庫ですが、物流網が整った日本ではそのデメリットは少なく、反対に人件費が安いメリットが有利に働くと考えました。

倉庫に荷物を預ける人は価値のある荷物を持っている人、つまり在庫管理をしている人。そんな結論に行き着いた田村さんは「在庫管理をしている人」に向けたソフトを作り、家業のリード獲得ツールとして無料で配信する事を思いつきました。当時1時間弱かかっていた通勤時間を使って満員電車の中でiPadでひたすらプログラミングを続けました。しばらくして「スマート在庫管理(後のZAICO)」と名付けたソフトが完成し世の中に配信されると、全国津々浦々から続々と『山形の田村倉庫』に荷物が集まるようになりました。家業は時間が経つにつれて売上が伸び、借金もだいぶ少なくなりました。「苦にならなくて有意義なことをしようと思ったのです。実際は借金のことを考えると暗い気持ちになっていたので、嫌なことは忘れて好きなことをやっていたらなんとか脱出できたんですよね」。

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現在は「ZAICO」の代表取締役として13名のメンバーと事業を回している田村さんですが、自分で事業を起こす事を当たり前だと思えたのは、父親も祖父も自分で事業をしているから。そういった環境で育った事が大きな原体験だと話します。

これからの家業との関わり方は?と尋ねると、未だ決めていないという素直で等身大な、田村さんらしい答えが返ってきました。

「自分も事業をやっているからこそ家業を一人で回せるほどの余裕が今はありません。最近になって妹が手伝ってくれると話してくれているので、これからは兄弟で連帯して家業を紡いでいきたいです」。

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田村さんがされている事業はクラウド在庫管理ソフト「ZAICO」の開発と販売です。実家の倉庫のために作ったソフトが原形になっているそうです。また、ZAICO社は田村さん含め全員リモートワークという変わった会社です。(そういえばお写真もだいぶ変わってますね。。)



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本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。

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