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COP28-中東石油ボスに託された未来

2023年11月にアブダビで開催が予定されるCop28。
(国連気候変動枠組み条約締約国会議)
今回の注目すべき点は何と言っても、議長に任命された
Dr Sultan Al Jaber氏本人。
中東のオイルボスとも呼ばれ、UAE最大手の国営石油会社ADNOCのCEOを務め、同国産業先端技術大臣、そして世界で最もサスティナブルな未来都市コミュニティとして注目されているMasdar City (マスダールシティ)の会長を務めるなど、その存在はもはやUAEのみに留まらず、世界中の関係各国が本会議のAl Jaber氏のリーダーシップに強烈な注目を寄せています。

先述したように、Al Jaber氏はCop28の議長を務めるかたわら、
温暖化の元凶ともされる化石燃料を自ら世界に販売する石油会社のCEO。
当然この事に関しては猜疑心を抱く関係者も多く、
UAEの未来を牽引するAl Jaber氏の緊迫感は計り知れないものではないかと
勝手に想像してしまうほどです。

私達が想像する石油王のイメージと言えば、環境破壊や石油などの地下資源で利益を出して大儲けしている印象がありますが、
UAE (アラブ首長国連邦)に関して言えば、初めてパリ協定を批准した国であり、2050年までに温室効果ガス“正味ゼロ排出”を達成することを約束した最初の国でもあります。

私が実際に数ヶ月前、アブダへ家族で行った時も、
今住んでいるバーレーンとは全く景観も異なり、街のあちらこちらで
自然エネルギーを使った環境インフラが既に整いつつある状態でした。
子供が遊ぶ公園やバス停などには太陽光を活用した屋外電源コンセントが
設置されていたり、自然公園には4,000ヘクタールもの広大なマングローブの森を散策し、生物多様性について学ぶ事もできます。

その土地に実際足を運んでみると、
訪れた国が掲げる優先順位のような物が不思議と五感で感じ取れます。
そう言った意味でもアブダビはUAEの中で最もアカデミックであり、
“自然との共存と恩恵”によってでしか環境改善は成されないと考えている数少ない地域とも言えます。

尚、Cop28における3名の主要リーダーの中に、IUCN (国際自然保護連合)の代表を務めるMs. Razan Al Mubarak氏を選出し、より自然環境と一体化した政策が打ち出されるのではと期待されています。
石油王と自然保護連合の代表がどのようにタッグを組んで地球環境の危機を救っていくのか?非常に見どころの多いCop28に注目しつつ、
環境問題の張本人である私達自身が、「温暖化は陰謀論だ」と言って背を向けるのではなく、自分がどれだけ物質やサービスによって生かされているか?またそれが原因でどのような環境的影響を与えてるのか?
地球の暮らしを“自分ごと”としてCop28に注目してみると、また何か新たな生き方が見つかるかもしれません。

グレイス


 Cop28ロゴ引用元


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