コーポレート・ガバナンス関連ニュース(2019/11/26)
アイカーン氏、オキシデンタル取締役会の支配目指す
【注目ポイント】アクティビスト(物言う株主)として知られるカール・アイカーン氏は、約10億ドル相当の株式を保有する米石油・天然ガスのオキシデンタル・ペトロリアムに対して、同社の次期取締役候補者を10名程度独自に推薦する計画があるとのこと。事情をよく知る関係者の証言として報じられた。アイカーン氏は8月に完了した370億ドルでのアナダルコ・ペトロリアム買収を巡ってオキシデンタルを批判してきた。同社及び現CEOの経営方針に不満を抱いているとみられる。
【コメント】アクティビストとして個人でも名前が知られているカール・アイカーン。世界的にはアイヴァン・ボウスキーやマイケル・ミルケンなども有名である。日本だと、今も昔も個人で名前が売れているのは村上世彰氏くらいだろうか(糸山英太郎は少し違う気が)。今後和製アクティビストファンドが増えることで、個人で名前が知られる人も出てくるだろう。
LIXILグループ、早期退職者募集
【注目ポイント】LIXILグループは25日、来年6月25日時点で同社と国内の一部子会社の金属10年以上で50歳以上の正社員を対象にした早期退職者を募集することを発表。募集人数の定めはないが、約6900名程度が対象になる。対象会社数はLIXILグループを含む計28社。LIXILグループは、昨年秋以降、経営権を巡る対立が生じ、国内事業の強化や事業再建に向けて今後乗り出す模様。
【コメント】LIXILは経営危機というほど追い込まれてはいないが、一連のガバナンス不全により重要な意思決定や構造改革が進まなかったことや国内事業の不振などで、明確にターンアラウンド局面にあるといえる。そうした中での今回の早期退職募集ということだが、一連のゴタゴタの渦中に既に辞めてしまった優秀な人材も相当程度いるのではないだろうか。つまり、現在残っている人材は、あのような混乱が生じてもLIXILで頑張ろうと思っている人か、LIXIL以外に行き場がない人のいずれかだろう。やむを得ない処置かもしれないが、LIXILの従業員としては会社に対するロイヤリティは更に下がると思われる。
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