後藤

音楽、読書、映画の感想など。

後藤

音楽、読書、映画の感想など。

最近の記事

良いお年を!

2020年最終日ですね。コロナで忘年会もできず、人にも会えず、年末気分も希薄です。皆様はどんな感じでしょうか? 画像は昨日家で聴いていたCD。音楽が気持ちを上げてくれます。 左上がコルティーホ・アンド・ヒズ・タイム・マシーン「コルティーホ」。1974年作。ボンバやプレーナというプエルトリコ音楽にロックやファンクやジャズの要素がぶち込まれ爆発するサウンドは、とても聴きごたえがある。そしてやはり最大の魅力は、躍動感とうねりが素晴らしすぎるコルティーホのパーカッション。

    • 姫野カオルコ「青春とは、」

      「青春とは、」(2020年、姫野カオルコ著)読了。読んで良かった。 「謎の毒親」「彼女は頭が悪いから」と最近の作品しか読んだことがなく、これで読むのがまだ3作目程度なのにしかももう評価も十分に確立された作家なのに、お前はいまさらなにを偉そうに言ってるのかではあるが、姫野カオルコ、最も信頼できる小説家の一人であるとここで断言したい。明暗、喜びと哀しみ、くだらないことと真剣なこと、個人が生きているうえでの歪さ、それでもそのときそのとき各々が懸命に生きてる感じを、深く掘って言葉

      • 今年の9枚

        コロナにより1年前には全く想像もしていなかった社会に生きる日常。音楽への向き合い方が変わったとまでは言わないが、一期一会感が強まったというか、聴くなら真剣に聴こうという切実さは強くなった。選んだ9枚は何度聴いても自分に力を与えてくれた。9枚の中での順位はなし、です。 (画像、上段から左から右に) 1 赤木りえ「魔法のフルート」 2 友部正人「あの橋を渡る」 3 ブルース・スプリングスティーン「レター・トゥ・ユー」 4 藤井風「ヘルプ・エヴァー・ハート・ネヴァー」

        • たかが殺人じゃないか

          「たかが殺人じゃないか」(2020年、辻真先・著)読了。今年の各ミステリー賞で大賞を獲得した、御年88歳という大ベテランの作品。終戦後の名古屋が舞台。中盤から登場する名探偵・那珂一兵シリーズという位置付けということではあるものの、実際は辻自身がモデルと思われる推理小説家志望の男子高校生が、物語の主人公。   「密室殺人はいかにして行われたか?」「解体殺人はいかにして行われたか?」という読者への質問状が後半部分で出てきて、どんだけ読み返しても頭を捻っても自分にはもちろん解明

        良いお年を!

          ザ・クロマニヨンズ「マッドシェイクス」

          昨日土曜午前は子供の保育園のお遊戯会に参加。コロナ感染防止のため、観覧できる家族は1名のみ、入場整理券の事前配布など、例年とは違うさまざまな規制あり。まあほんとに大変な世の中だよなーと、毎日毎日感じている。そしてあっというまに1年が終わろうとしている。 とても寒くて雨も降っているので、帰宅後は子供と二人で家で過ごす。レゴブロックで大きい家をつくったり、仮面ライダーセイバーのベルトで遊んだり。子供は盛り上がっていてそれはそれで楽しそうでほっこりはするものの、日々の疲れゆえか

          ザ・クロマニヨンズ「マッドシェイクス」

          こもりびと

          朝と夕方はだいぶ寒くなって冬突入という感じですね。今日は家族で近場を散歩したり、密にならないよう短時間の買い物をしたり。欲しかった本も何冊か買えた。  録画していた「こもりびと」ようやく観た。NHKスペシャルの枠で先日の22日に放映されたドラマ。力作だった。特に主演の松山ケンイチの演技、目の動きとかの表情のつくりかたが素晴らしくてほんとに圧倒された。すごい役者。北香那さんの全力の演技もグッと来た。  全国に100万人以上いる「ひきこもり」。そのうち61万人が中高年だと

          こもりびと

          藤井風「HELP EVER HURT NEVER」

          藤井風(ふじいかぜ)。今年の5月にファーストアルバムを発表し、人気急上昇中の新人メジャー・アーティスト。23歳。名前も知らなかったが、知人が大変推していたのでサブスクにて早速試聴。予想以上にはまり、CD購入。「HELP EVER HURT NEVER」全曲、藤井による作詞作曲。  シンプルで品のあるR&Bのサウンドに、「何なんw」「もうええわ」という、場違いな言葉がサビで乗っかってくる冒頭2曲。これが実に自然に英語っぽいフィーリングでしか聴こえないという、なかなかの離れ業

          藤井風「HELP EVER HURT NEVER」

          ジュディ 虹の彼方に

          アメリカ大統領選挙、まだ結果出ませんね。とりあえず、トランプは終わりにしてほしい、それだけ!  「ジュディ 虹の彼方に」(2019年、ルパード・グールド監督)配信にて観賞。  ジュディ・ガーランドの伝記作品。ハリウッド・スター・ジュディの不遇な晩年を描く。アメリカでは既に仕事がなくなっていたジュディが経済的理由で仕方なく出演することにした、ロンドンでの長期公演が映画での主な舞台。  ジュディ役の主演レネー・ゼルウィガーは、この作品でアカデミー賞の主演女優賞を獲得して

          ジュディ 虹の彼方に

          ブルース・スプリングスティーン「レター・トゥー・ユー」

          仕事が終わらず、日曜日だが出勤。それでもまだまだ終わらない。コロナ以降いろんなことにいろんな影響が出て、ストレスと疲労が蓄積する。疲れますね〜。また円形脱毛にならなければ良いが笑。  先週から今日まで通勤と帰宅時はずっとこれを聴いて、自分を奮い立たせてました。ブルース・スプリングスティーンの新作「レター・トゥー・ユー」。クレジットを見ると、ゲストなしの純粋なブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンドでの録音。しかもスプリングスティーンのヴォーカルも含めなんとスタ

          ブルース・スプリングスティーン「レター・トゥー・ユー」

          ヒロトとマーシー関連書籍

          ザ・ブルーハーツ結成35年ということで、いろいろ世間は盛り上がっているよう。画像はここ最近で買った書籍2冊。 左側はミュージックマガジンの最新号。「ヒロトとマーシー・私の3曲」と題したアーティスト11人の選とコメントが気持ちが入っていてめちゃくちゃ良い。クロマニヨンズのジャケットを当初から手掛けているデザイナー菅谷晋一さんのインタビューは、氏の言葉の深みがあってぐっと来る。表紙も勢いあり素晴らしい。これらの点だけで買いです。 今特集ではブルーハーツ、ハイロウズ、クロマ

          ヒロトとマーシー関連書籍

          誕生日翌日にホアキン・フェニックスについて考える。

          昨日誕生日でした。40代後半に突入!お祝いメッセージ等いただいた方ありがとうございます。体調面では、50肩になったり円形脱毛症になったりして驚いた最近でしたが、前者は徐々に回復傾向、後者は完全復活笑と、なんとか元気でやっています。  画像は自分と同い年で生まれは4日違いのホアキン・フェニックス。先日配信で観た「教授のおかしな妄想殺人」(2015年、監督ウディ・アレン)より。  映画詳しくない自分は、昨年の「ジョーカー」でホアキンを初めて知り衝撃を受けました。「ビューテ

          誕生日翌日にホアキン・フェニックスについて考える。

          赤木りえ「魔法の国の魔法のフルート」

          なんか一気に寒くなってきましたね。娘は修学旅行に今朝から出発。晴れて良かった。  最近はこれをよく聴いていた。赤木りえ「魔法の国の魔法のフルート」。今年6月に発売された新譜。このアーティストの作品は今まで聴いたことがなかったが、過去作をサブスクで聴いてみたら良かったのと、何よりラリー・ハーロウがプロデュースという情報に心が躍り、今作購入。  1曲目のセッションから70年代サルサ全開の音で熱くなる。3曲目「ホワイト・バード」で自分の中でスイッチが入った。特にパーカッショ

          赤木りえ「魔法の国の魔法のフルート」

          映画「ウェスタン・スターズ」

          気に入らない学者・研究者を排除し、その批判に対してまともな説明を拒否し居直る強権体質の新政権。テレビなどの多くのメディアはまたも忖度をしているのか、論点ずらしの手助けと、政府と首相の陳腐なイメージアップに力を入れる。コロナで社会も個人も疲れきっている今みたいなときこそ、困っている国民の声を真摯に聞く政治が必要なはずなのに、なんでこうもクソな状況が続くのか。  日々の仕事や生活のストレスなども重なり、これはブルース・スプリングスティーンでも聴いて元気をもらおうと、発売された

          映画「ウェスタン・スターズ」

          音楽映画としてもレベル高い!グリーンブック

          体調は完全回復。おかげさまで休めた。明日から仕事頑張る。  週末なので何か一本観とくかと、配信にて「グリーンブック」(2018年アメリカ、ピーター・ファレリー監督)を鑑賞。さすがアカデミー賞受賞作、いやーすごく素晴らしい映画、観て良かった。実話に基づく物語。公民権運動真っただ中の1962年のアメリカで、黒人のピアニストのドン・シャーリーが人種差別が激しいアメリカ最南部をツアーする。主人公はそのツアーマネージャーを務めるイタリア移民系白人のトニー・ヴァレロンガ。  レス

          音楽映画としてもレベル高い!グリーンブック

          コロナ社会でリトル・リチャードと音楽について想う

          一瞬の発熱・体調不良にて帰宅をせよとの業務命令がくだり、お休みをいただき、水曜夕方より家に閉じこもる。  実際は当日熱もすぐ下がりまったく元気ではあるが、時節柄、密にならないように家でも半隔離。しかし同居の5歳児くんが「パパー、“め”って字どう書くんだっけ?」「パパー、仮面ライダーセイバーの戦いごっこやりたい」「パパー、YouTube止まったんだけど」「パパー、サクサクパンダ食べていいのー?」「パパー、間違い探しやろー」「パパー、ひまー」などなどその都度思いついた質問と主

          コロナ社会でリトル・リチャードと音楽について想う

          友部正人「あの橋を渡る」

          友部正人の4年ぶりのアルバム 「あの橋を渡る」。参加ミュージシャンのクレジットで、おおはた雄一や芳垣安洋や伊賀航といった人たちの名前を見ただけで、これはいい感じの作品に違いないという予感は当たった。  人種差別で分断されたアメリカを鋭い言葉で撃つ4曲目「ただそれだけのこと」。“ブルースは元気がない時には歌えない”と真理を説く6曲目「ブルース」(ヒューバード・サムリン追悼曲?)。マヒトゥ・ザ・ピーポによるまるで霧が漂うような美しいエレクトリック・ギターの音と、幻想的な心象風

          友部正人「あの橋を渡る」