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トレイルランニングへの憧れと、たけまりちゃんありがとう。

ウイルスに怯えながらの自粛生活が訪れたころ、おうち時間を有意義に過ごすべく筋トレが流行りだした。
私もそれに便乗したひとりである。


最近はトレイルランニングにハマっている。


いやいや。
トレイルランニングの動画を見るのにハマっている。


登山経験といえば修学旅行で強制的に登らされてしんどかった思い出くらいのものであり、マラソンなんか苦手中の苦手であるのにもかかわらず、あろうことかトレイルランニングに憧れてしまった。
この身の程知らずめが!
と、自分に突っ込みつつも、木漏れ日に包まれ、しっとりとした空気を吸いながら山の中を駆け巡ってみたい気持ちがふくらんでいく。きっと全身の細胞が大喜びするであろう。
そして大自然の中で、人工的食物の最高峰・カップヌードルを食らいたい。絶対にフォークで。

しかし運動音痴で方向音痴な私が今の状態で挑戦しようものならば、山に入るもすぐに怪我、運良く進めたところで遭難、警察・消防沙汰になるのが目に見えている。
ご迷惑ご心配をかけないためにも、とりあえず山を往復できる筋力と、道案内をしてくれるような師匠を探し出し声をかけるという強靭な精神が必須なのであーる。


運動とは無縁で生きてきた私なのだが、現在自分でも信じられないほど体を動かすことが楽しい。
始まりは「これ疲れるけど楽しいよ!」と、友人から送られてきた動画だった。

竹脇まりなちゃん。
たけまりちゃんである。

まったくダンス経験もない私にダンスの楽しさと、汗をかくのが嫌いな私に滝汗姿の写真を友人に送りつけ汗自慢させるほど汗をかく気持ちよさを教えてくれた、たけまりちゃん。

ときに優しく応援し、ときにMっ気を見透かすような厳しさで、30分以上ある運動を最後まで引率してくれる、たけまりちゃん。
たけまりちゃんがニコニコとテンションを上げると、私も上がる。
たけまりちゃんが辛そうな表情で耐えているから、私も耐えられる。

アラフォーと呼ばれる歳まで生きてきた中で、見たことのない筋がお腹に現れたときの感動。
筋肉のおかげかマスクのおかげか、体を鍛えだしてからは風邪ひとつひいていない。

これまでYouTubeといえばダラダラと寝転がって見るものだと思っていたのだが、今や茶碗を洗いつつ、様々なお勉強のチャンネルを流しながら足上げをして頭も体も同時に鍛えている。
コタツに入るも寒さがおさまらないときは、寝転がってると見せかけてプランクをして体をあたためている。叫びながらの3分が今の最新記録で、マイブームはプランクタイム伸ばしだ。
ちなみに今夜は歩いて図書館の本を返却してきた。往復5km、我ながら毎日すごく活発だ。

たけまりちゃんと一緒に運動を始めてから、諦めない、最後までがんばる、限界を決めつけない、今まで知らなかった「やればできる子」の自分を発見した。
運動音痴の私がおたおたと踊る姿は実にみっともないけれども、
「誰も見てないから大丈夫!」
「カッコ悪くてもいいよ!」
「動くことが大事!」
「自分に負けない!」
「自分を好きになろう!」
たけまりちゃんの愛ある言葉に力をもらいながらひたすら体を動かす。
「がんばった自分えらい!自分を褒めよう!」
と、やりきったあと画面越しのハイタッチ。
なんとも言えぬ達成感。

筋肉は裏切らない。
筋肉は体だけではなく、心までも頑丈にしてくれる。
筋肉は自分が自分に贈ってあげられる最高のプレゼントだ。

体を動かす喜びだけでなくそんなことまで気付かせてくれた、たけまりちゃん。
YouTuberはこんなにも心身へ良い影響を与えてくれる。
素晴らしく立派な職業だなあ。

運動嫌いな方、苦手な方、騙されたと思って、ぜひともたけまりちゃんと踊っていただきたい。
この気持ちを、分かち合えたらとても嬉しい。
私にできるたけまりちゃんへの恩返しは再生回数を増やすことぐらいなのだ。

なんとか踊れるスペースのある、寒い寒い台所は夕飯後私のダンススタジオと化す。
引き戸を閉めて誰にも見られぬよう、はたを織る鶴のごとく、たけまりちゃんに恩返しをしながらひっそりと筋肉と自信を育んでいこう。

まだ遠い先にある山道を夢見ながら。




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